何年かぶりの長編が発売されると知って、娘に大学生協で予約してもらい
(割引になったので)、でも、発売日には娘は留学中で居なかったので、
2週間遅れくらいで読み始めて‥そして、1部 2部ともに2度読んで、
読み終わったら、2017年の春が来ていました。
読んでいる間に、帰省旅行もしたし、桜の開花ももちろん知っているし、
友達と美術館へ行ったり、おしゃべりをしたり、日々のシゴトだって
ちゃんとしていましたが、でも、いまようやく、冬が終わって、春が
まっさらな春が(ちょっと物語流に言えば‥)来ていたのに気が付いた
ような気持ちがします。
昼と夜の長さが同じ、から、昼の方がすこしづつ長くなっていく、
1年で一番目か二番目に好きな季節。
夕暮れの時間がとても愛おしいしい季節です。
好きな箇所、いいなあと思う描写、いくつかありましたが、
書き残すのは、こちらがいいかな。
2部 P112 それは限られた時間に、限られた場所でしか起こらない
交流だった。やがては薄らいで消えてしまう。しかし記憶は残る。
記憶は時間を温めることができる。
P376 「心は記憶の中にあって、イメージを滋養にして生きているのよ」
「記憶の中を探して」とその懐かしい声は言った。
「何か具体的なものを探して、手で触れられるものを」