my favorite things

絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

佐々木マキ見本帖@吉祥寺美術館

2013-05-29 16:40:46 | 好きなもの・美術館や展覧会



2月の「はじめましての絵本たち@こひつじ文庫」で、早々とこの図録を
手に入れて、4月6日からはじまる展覧会へ行く気満々だったのに、
実際に行ったのは5月19日だったので、前半の展示は見ることが
できませんでした。

佐々木マキ見本帖 武蔵野市立吉祥寺美術館


吉祥寺は、いってみれば川口から全然遠くはないのに、人が多いことを
真っ先に思い浮かべてしまって‥。前半の展示の目玉は『やっぱりおおかみ』の
原画で、全部揃ってました、と聞いたときは、やっぱりガッツだせばよかったと
思いました。

私が友人と訪れた5月19日は、ギャラリートークが14時からあった日で、
ひととおり見終わった後だったので、どうしようか‥?という雰囲気を互いに
醸しつつも、口には出さず(笑)、そのままなんとなく聴くことになったのですが、
ほんとうに聴くことができてよかった、と1時間後にはどちらも思うことができた
よい内容でした。

話し手は、長く福音館書店で編集をなさっていた方で、佐々木マキさんとも
趣味があい、個人的にも親しくしているとかで、マキさんのお人柄を親しみを
こめて話してくださいました。

トークを再現することはできませんが、美術館入口横のテレビモニターで
マキさんご自身が編集されたビデオが流されていて‥それを展示の前か後かに
観ると、元編集者さんが話してくれたこととも重複しているので、とてもお薦めです。


私が佐々木マキさんのお名前を知ることとになったのは、春樹氏の本の装丁を
またこの人がしているなあと、意識したことからでした。





春樹氏は佐々木マキさんの描くマンガの大ファンで(そう、マキさんの出発点は
マンガなんです)、自分がいつか本を出すことになったら装丁をお願いしようと
決めていたそうです。


私は、娘が幼いときにも、マキさんの絵本を一緒に読んだことありましたが、
『やっぱりおおかみ』を知ったのは、この絵本ブログを始めてからでした。
この印象的なシルエットのおおかみ、初期のマンガ作品の
中にも描かれていました。

マンガを描いていたときは、マキさん、まだ大学に在学中で、そしてその時の先生は、
秋野不矩さん!で、秋野先生が、マキさんを福音館書店の松井さんに紹介し‥
この絵本が生まれたということでした。

(なんかすごくないですか?マキさんと秋野先生の関係‥わたし感動しました)

感動といえば、マキさんの原画の美しさは、もうほんとうに感動ものです。
絵本の原画展にいけば、元々の絵と、印刷された書物ではこんなにも色は変わって
しまうものなのだとわかりますが、今回の佐々木マキさんの原画も、それはそれは
美しく、そしてあまりにもきちんとしているのです。

トークの時にも元編集者さんが驚きながら言ってました。こんなにも修正されて
いない70年代のマンガ原稿はないって。修正ペン(ホワイト)さえほとんど
使っていないのです。
「どうしてこんなに訂正や修正や、描き直したところがないんですか?」と訊いたところ
「失敗したものはすべて捨てて、最初からやり直していたから」とのお応えだったそうです。
佐々木マキさんという方のシゴトに対する姿勢が集約された言葉だと思います。

言葉と言えば、もうひとつとても印象的だったのが、こちらです。
(見本帖をひらいてすぐのところに書いてありました)

 心はもちろん大切ですが
 わたくしどもの仕事では
 見かけはもっと重要です
 というのも
 見かけに心が出るからです
    ー亞里馬々商会主人謹白 




佐々木マキさんの絵も、佐々木マキさんという方も、好きだなとおもいました。


「佐々木マキ見本帖」は7月6日から、滋賀県立近代美術館で行われるそうです。
前期・後期と分かれることなく両方の出展作が一度に全部見られるそうです。

 

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それぞれのうた

2013-05-22 17:26:17 | 好きな本

偶然なのか、それとも偶然だけとは言い切れないものが働いたのかー。

この春に高校2年になった娘を持つ私は、自分自身の高校同窓会
準備委員に加わることになってしまい、高校時代の思い出にどっぷりつかった
早春から初夏を過ごしています。

その数か月の中で読んだ本も、高校生が主人公のものだと知ってて
手にしたものもあれば、「偶然」にそうだったものもあり‥。

たとえばこの本は、映画化された作品が高い評価を受けていたことが
気になって、まずは原作からと思って借りた本。



新作が出れば買うと決めている春樹氏の本にも、高校時代の5人組が
描かれていて、ちょっとびっくり。




去年、ⅠとⅡを読んで、なぜかⅢは未読のままだったけど、一昨日から
読んでいるのはこの本。





でも、なんといってもよかったのは、「船に乗れ!Ⅲ」の前に読んでいた
この本です。



宮下奈都さんという作家は、少し前に、よく訪れるブログの紹介文で
知ったばかりで‥、この『よろこびの歌』も、図書館の棚からなんとなく
手にしたものでした。

その時は、女子高生が主人公というよりも、章ごとにつけられたタイトルが
すべてザ・ハイロウズの歌のものだと巻末に書いてあったことで
興味をひかれたのです。

主人公は、御木元玲。お母さんはヴァイオリニスト。
音楽大学の付属高校の受験に失敗し、数年前にできたばかりの新設校の
女子高になんとか滑り込み、何にも期待しない「ぼんやりした」日々を
ただ送って時間をやり過ごしています。

次にでてくる原千夏にしても、そのまた次の中溝早希にしても、みんな
それぞれの事情を抱えて、それぞれそれをヒミツにしたまま高校生活を
送っているわけで。
傍目からは、とても楽しそうに見えても、その子にはその子にしかわからない
「苦悩」があって、牽制しあいながら、駆け引きしながら、少しづつ自分を
出していくその過程とか、その時の空気感とか、ドキドキとか、戸惑いとか、
今でも十分思い出せるなあと思いながら読み進めました。

16歳から18歳にかけてかけがえない時間。
不変のものもあれば、30年前とはあきらかにちがう、というか、その頃には
なかったようなものもあって‥たとえば、自分はどのキャラでいこう、とか
それはキャラが違うよね、といった感覚‥とか、クラスの中に存在する上下関係の
肯定とか‥。
現役女子高生を横目に見ながら、かつての自分自身を思い出しながらの
読書は、とても楽しいものでした。

『よろこびの歌』は、6人の女子高生の話の連作になっていて、最後はまた
最初の主人公の御木元玲に戻っていくという形式で、12月1日から3月4日までの
わずか4カ月で、クラスの合唱コンクールが実際のきっかけとなって、彼女たち
それぞれがすこしづつ自分の殻を破って、すこしづづ溶けあっていく様が
丁寧に描かれています。

第一志望でない高校、ぼんやりした毎日、合唱コンクールとくれば、お決まりの流れで
お決まりのラストシーンなのでは、と思いたくなりますが、おおざっぱな流れはそうで
あったとしても、そこには、一人ひとりの物語があり、それは決してバカにした
ものではないです。

玲さんは、最終章でこう思い至ります。

 世界は六十八億の人数分あって、それと同時に、ひとつしかない。
いくら現実逃避したところで、ここで私は生きていくのだ。こんな小さな街にも、
クラスメイトたちが住み、先生が住み、そして学校とは関係のない人がそれよりも
たくさん住んでいる。ピアノがほしくても与えられなかった子も、ヴァイオリニストを
母に持つ傲慢な娘も、ここで生きている。ここで私は生きていくのだ。専門的な
勉強をしていなければ通じないのなら、誰のための音楽だろう。

高校時代に、ここまで自分で考えることができたなんて、玲さんがんばったなと
私は思います。
閉じていた彼女の心を解き放つことになったあと5人の「それぞれのうた」も
とてもいとおしく、10代の気持ちを思い出しながら、ぜひ読んでみて欲しいなあと思います。

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トラのじゅんたんになりたかったトラ・やじるし

2013-05-21 16:48:47 | ひらきよみ(読み聞かせ)

先週の金曜日は、今学期最初の、小学校での「読み聞かせ」の
当番でした。

図書ボランティア、10年目の幕開けです・笑。

入ったのは3年生のクラス。
私と娘の母校でもあるこの小学校は新年度より全学年が、新校舎へ
引っ越しました。
新しい教室は、廊下が広くて、廊下側にはしきりの壁がないニュータイプ。
なんだか落ち着かなかったけど、思ったよりも隣の教室の音は気になりませんでした。

それよりも、その日は大幅は電車の遅れなどもあり、どのクラスにも
担任の先生がいない状態で‥それに加え、私が行ったクラスでは、ひとり後ろに
さげた机に座ったままなにやらトラぶっている子が1名と、それを囲んで
手助け?している子が数名‥。

お話を始めるまでの数分と、読み始めてからの30秒くらいは、なんだか
ざわざわしていました。
けれど、読んでもらうことにももうすっかり慣れている3年生は、私が2ページ目を
めくる時には、しーんとして、話の中に入っているのがわかったので、私も
ひと安心。

この日読んだのは、こちらの2冊です。





トラのはなしは、けっこうおもしろくて笑えるかなーと思って
選んだのですが、笑うよりも、3年生は話の成り行きをじっと見つめている、と
いう感じでした。
年老いてよろよろのトラが、王様の宮殿に敷かれている「トラのしきもの」を
羨ましく思って、こっそり入れ替わり、それのふりをしているのですが、
だんだん毛並みがよくなってきて、敷物ではなくて生きているトラだと
わかりそうなところで、突如どろぼうがやってきて、ストーリーは急展開。
最後はハッピーエンドで、めでたしめでたしという、とても好きな感じの話です・笑。

前の方で一生懸命聴いていてくれた男の子が、読み終わった直後に、
「なんでトラは、敷物になりたがったんだろう?そこのところがわからない」と
言い出しました。

そっか。最初の1ページ目のとき、ざわざわしていて聴き逃しちゃったんだね。
詳しく説明してあげたかったけど、次の絵本にさりげなくうつっていきました。


『やじるし』は、先日の「はじめまして絵本たち」で購入したばかりの新品で、
この日がデビューでした。
とても鮮やかな色つかいと、矢印がいろんなものに変わっていくお話も
おもしろいかなーと思って選んだのですが、こちらも、3年生、真剣に見いってくれました。




こんな調子で、1学期はあと4回、小学校へ足を運びます。

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2013年4月~2014年3月

2013-05-21 14:40:29 | 読み聞かせ記録

 5月17日 3年   『トラのじゅうたんになりたかったトラ』
              『やじるし』

 5月24日 4年   『ランパンパン』
              『くうき』

 6月21日 1年   『もう、おおきいからなかないよ』
              『くまのパンツ』

 6月28日 4年   『もう、おおきいからなかないよ』


 7月12日 5年   『はなのすきなうし』


 9月13日 2年   『どろんこハリー』


 9月20日 6年   『14ひきのおつきみ』
              『うたいましょう おどりましょう』

10月11日 3年   『あくたれラルフ』
             『ゆめちゃんのハロウィーン』

10月18日 5年  『はらぺこさん』
             『のうさぎのおはなしえほん いえ』

11月 8日 1年  『万次郎さんとおにぎり』こどものとも2012年10月号
             『ごほん!ごほん!ごほん!』
             『これはおひさま』

※11月16日 まつり 1回目13時~ 大型絵本
                         『これはのみのぴこ』 ふたりで
                         『もっかい』
               2回目14時~ 大型絵本 『せんたくかあちゃん』
                         『ルラルさんのにわ』
                         大型絵本 『ねずみくんのチョッキ』

11月22日 6年  『ちいさなぬま』

12月13日 2年  『おおきいツリー ちいさいツリー』
             『ぐりとぐらのおきゃくさま』

 1月17日 1年  『3びきねこさんのそりあそび』
            『にているね!?』
            『おめでとう』

 1月24日 4年  『SHADOW』

 2月28日 3年  『まゆとおに』
            『そよそよとかぜがふいている』
            『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』

 3月14日 5年  『1ねんに365のたんじょう日プレゼントをもらった
             ベンジャミンのおはなし』



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2012年4月~2013年3月

2013-05-20 14:59:45 | 読み聞かせ記録

 5月11日  6年   『ふしぎなたけのこ』
              『おとうとは青がすき』

 5月18日  5年   『おさるとぼうしうり』
              『くうき』

 6月 8日  3年   『ひみつだから!』
              『わたし』
              『中をそうぞうしてみよ』

 6月15日  2年   『はぐ』
              『そらまめくんとめだかのこ』
              『中をそうぞうしてみよ』

 7月13日  5年   『おうじとたこときょじんのくに』


10月12日  4年   『にぐるまひいて』
               『まいごのどんぐり』

11月 9日  1年   『万次郎さんとおにぎり』
              『おちば(ふたりはいつも)』
              『しろくまのパンツ』

11月16日  6年   『天の火をぬすんだうさぎ』
               『おちば・クリスマスイブ(ふたりはいつも)』

12月14日  2年   『しんせつなともだち』
               『ぐりとぐらのおきゃくさま』

 2月 8日  4年   『あさになったのでまどをあけますよ』
              『へびのクリスター』
              『おかしなゆき ふしぎなこおり』

 2月15日  3年   『わたし』
              『おかしなゆき ふしぎなこおり』

 3月 8日  2年   『はるかぜ とぷう』


 3月15日  6年   『ラチとらいおん』
              『そこのかどまで(ふたりはいつも)』  

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方舟のゆくえ

2013-05-13 14:07:23 | 好きな本

大震災の後に、いろんな人がいろんなことを文にしましたが、
私は、時折夕刊に掲載される池澤夏樹さんの書く文章が、一番自分に
ぴったりくるし、もやもやしていたことも、ああそういうことだったのかと、
明確にしてもらえるようで、信頼をよせていました。

だから、池澤さんのこの本が311後を書いた小説だと知り、とても楽しみに
しながらページを繰りました。



二者択一を迫られると、どうしてよいかわからず「フリーズ」してしまう
知洋は、「先生」に促されるままに、瀬戸内を行き来する船に乗ることになり、
そこで与えられた役割は、自転車の修理をすることでした。

壊れた自転車は果てしなくたくさんあって、船はやがて瀬戸内を出て、
それらを必要としている東北へと向かいます。そこへ来てはじめて、知洋も
私たち読者も、知洋が災害ボランティアになったことを知るのです。


とてもおもしろいなあと思ったのは、主人公というか、この物語の舞台が
「船」に据えられているところです。陸地からある程度の距離を保てるところとか
船長を首長としての独立性であるとか‥。
文字通り、ちょっとだけ離れたところから、津波でなにもかも失った大地を見る、と
いう視点が新鮮でした。

もうひとつ、物語の進行とは別のところで、とても興味を持ったのが、
名前を持つ人と、持たない人、の、両方が出てくるところ。
たとえば、知洋が、最初に船長と会ったときに名前をきかれる場面。

 「字は?」
 「えっ?」
 「名前の字だよ」
  名刺なんかないからポケットにあった紙に書いて見せる。

   海津友洋
 
 「ずいぶん海っぽい名前だな。オーシャニックというか。名前は大事なんだよ」
  と船長は言った。
 「人生は名前で決まるんだ。これからは海で暮らしなさい」 


最後の方で小さな船をまかされる人の名前が梶(かじ)さん、だったり。


その一方で、ただベアマンだけ呼ばれる男が居たり、才蔵という名を、
友洋につけてもらう青年は、津波で流される前の名前は、もうメンドーなので
いらないと思ったり。

洋の東西を問わず、名前をつける、名前を授ける、真の名を教えるということは
とても意味のあることなので、作者が名を持つ人と、持たない人を、混在させたことは
意図あってのことだと思うと、益々興味が募るのでした。


船長と数人の乗組員からはじまった「方舟」は、やがて大勢の被災者をも
受け入れることになり、それにともなって船そのものの形も目的も役割も
変容していきます。

居るひとと、もう居ない人とが混じり合っているところとか、居る人だけの現実に
戻るとか‥読みながら大きく心が波打ちました。

船が最後にどうなるかは、読んだときのお楽しみなので伏せておいて、
とても印象に残った箇所だけ、書き残しておくことにします。

 アルベルトたちはこちら側に残った者の魂まで源泉徴収で
 一割づつ削いで持っていったのかもしれない。
 誰かと別れることはほんの少しだけ死ぬことだから。




コメント (2)
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ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの

2013-05-09 16:52:43 | 好きなもの・映画やDVD

GW中に、東京都写真美術館ホールで観てきました。

2011年に上映された『ハーブ&ドロシー』の、その後の話です。
(その時の私の感想ログはこちらに‥)


自分たちのお給料で買える値段であること

1LDKのアパートに収まるサイズであること
好きなアートを見つけるのに、知識や理屈は必要ない

以上の3点を「選ぶときの基準」にして、ご夫妻はマンハッタンのギャラリーを
まわって、好きなアート作品を買い集めます。狭い部屋は作品でぎっしりで、
文字通り「埋まるようにして」生活しています。
それらのコレクションを1点も売ることなしに、すべてをナショナル美術館に
寄贈することにしたところがまでが前回の映画のはなしでした。

今回は、その寄贈作品を、全米50州の美術館に50作品づつ分けることに
したプロジェクトが描かれています。

発案者は、すべてを収容しきれないナショナル美術館の方で、はじめ
ハーブ(だんなさんのほう)は、このアイデアに賛成しかねていたとありました。
コレクションは、すべて同じ場所にあってこそのものだというのが彼の主張です。
しかし、コレクションの大方を倉庫に入れておくよりは、大勢の人に見てもらった方が
よいということになり、50×50プロジェクトは始まったのでした。

実際に画面に登場したのは、ヴァージニア美術館や、ホノルル美術館、
ニュージャージー州のモンクレア美術館などの12の美術館でしたが、
そこへ行きつくまでの広い道路や、街並み、また、展覧会を観にくる人の様子など
本当に様々で、とてもおもしろいのです。
アメリカの広大さと、多様性を、思わないではいられません。

その地域の特性をどう生かそうか「努力」している美術館や学芸員の方が居る一方、
この土地にはアートは無理と、はじめから決めつけているような方も居たりして‥
できることなら、50州すべての美術館を見て見たいなあと思いました。



前回より今回の方が映画としてもおもしろかった、と感じたのはなんでかなーと
観終わってからずっと考えていました。
コレクションするという行為よりも、やはり、観てもらってこその作品なんだと
自分が思っているからかなーと思います。

現代アートやミニマムアートが今まで美術館のコレクションの中になかったと
いう州もあり、そこに住んでいる人達も、首をかしげながら、果たしてこれはアートなの?
うちの孫が描いた絵のほうがうまいよね、と懐疑的な表情で会場をまわったりして
いましたが、でも、それも「作品」があってこその体験で、作品を観なければ、そんな
「?」も生まれてこないわけで‥。やっぱりこの試みってすごいなと思うしだいです。

映画の終盤は、誰もが避けることはできない悲しい別れが、ドロシーに訪れ、
それを機に、彼女はアパートメントに残していた作品もすべて寄贈することに決めて
しまいます。
1枚だけ残された作品が最後に映り、もちろん、涙が流れました。

でもでも、
それだけで終わらないのが、この映画のよいところであり、私の大好きなところです。
エンドロールとともに流れる映像は、マンハッタンに住む人はこうじゃなきゃねえ、と
思わせてくれます。

前作を観た方はもちろん、観てない方も、ぜひぜひご覧ください。


公式サイト
Vogel50×50 (このサイトで50州のどの美術館かをみることができます)

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節目

2013-05-05 18:57:30 | ふと思ったこと

明日は、娘の吹奏楽部の定期演奏会が行われます。

中学の時は、定演は3月と決まっていて、3年生の卒業祝いを
兼ねているような構成でした。
高校は、4月~6月にかけて行うところが多いようで、
娘のところは、昨年は4月中旬だったので、正式入部前の1年生は
お客さんとして見に行くだけでした。

なので、明日の舞台は高校生になって初めての「定期演奏会」であり、
もう学年は変わってしまいましたが、吹奏楽部員としての1年の、
締めくくりの行事だということになります。

本人は、口をひらけば毎日まいにち「疲れた~」の連発ですが、顔つきは
晴れやかで、どことなく嬉しそうに見えます。

笑顔で毎朝出かける姿を見送って、帰ってきてからの愚痴につきあって(笑)
そして、明日は演奏を聴くことができるのですが、こんな楽しいことは
ありません。

※冒頭の写真は、伝統の「赤ブレ」です。
定演の三部と、コンクールで予選を通ったときしか着られないものだそうです。

 



 

 

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はじめましての絵本たち@こひつじ文庫

2013-05-02 17:00:46 | 好きなもの・講座やワークショップ

先週の土曜日、春の陽射しがきらきら眩しい朝、こひつじ文庫さんへ
行ってきました。

13時過ぎには家に戻らなければならなかったため、講座終了後
ばたばたと帰ってきたことが心残りでしたが、それでも、参加できて
よかったなあと思いました。

紹介してもらった絵本はすべてこひつじ文庫さんのブログに載って
いますので、私は私の気になったものだけ、忘れないように載せておきます。



すっきり明瞭な色使いとページごとのデザインがとても好き♪と
思いました。すぐに帰らなくてならなかったので、紹介終わって手にとって
見始めて‥「これ欲しいんです」宣言をしました。たぶん今までの中で
一番早い決断です・笑。
作者の平田利之さんの絵、前からなんとなく気になっていたので、
手元に置くことができて嬉しいです。文と絵、両方手がけたのは
今回が初めてのようです。


みんな大好きちりとちりりの第6弾!登場です。
今回ふたりが自転車で行くのは「地下」。かぶっている帽子が
かわいかったけど、なんでそれをかぶっているのか、何からできてる
帽子なのか、とか、ゆっくり読むことができず残念でした。






なんかちょっとナンセンスな感じのストーリが、海外の絵本ぽい?と思いました。
絵は、銅版画でできているので、1枚1枚ページをめくっていくと味わい
深いです。






こちらも絵は銅版画だそうです。
だいたいのストーリーは紹介してもらった時に聴いて、あーそういう話
なんだ、とわかりましたが、片山令子さんの語り口を味わうとか、銅版画を
ゆっくり見るとか‥今度再挑戦してみたいと思います。




長岡玲子さんの刺繍の絵本です。
こちらは手にとって見てきました。今その時のことを思い返していたら
すごく欲しくなってしまいました。







すごーくかわいいです。欲しいタイプの絵本ですが、
一緒に読んだり、一緒に野の花ごはんつくって遊ぶ人が
もう身近にいなくてつまらないので、買いません(笑)。






クリスマスってなあに?』の姉妹編。5人きょうだいがでてきます。
こんどゆっくりお話読んでみたいと思います。





タイトル文字のデザインというか、フォントが、まずすごく
気になっています。内容とか絵とかは、よくみる時間がなかったので
ぜひとこかで出会いたいです。






すっごく絵がステキでした。お話の内容はちょっと重めですが
でも、ラストには爽やかな光が射す感じ。






こちらも昨年冬にでた『クリスマスものがたり』の続編というか、
同じ手法‥切り絵+彩色‥で作られた絵本です。
絵はぱらぱらと見てきたので、お話をゆっくり読みたいです。







〈おまけ〉の中から。
作者やこの本にも興味がわきましたが、それよりも、このキン・シオタニさんの
イラストが使われているという「名作ホスピタル」という番組に興味津津です。
(三蔵さん、いつもおもしろいこと教えてくれてありがとう)
今度録画してみてみようと思います。
(お、明日の夜は、アルプスの少女ハイジからチーズについてまなぶ?
みたいですよ~)



次回のはじめましての絵本たち@こひつじ文庫 は6月13日(木)と15日(土)
だそうです。今度はゆっくり参加できますように。



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