友だちのインスタで見つけて、印象的なタイトルと
表紙に惹かれてー。8月の終り頃から読み始めて、
9月1日に読了。
なんとも言えない後味の悪さを感じながら、表紙を
見返えして‥あ、と気が付く。
この絵にミスリードされていたに違いない、と。
物語は「わたし」の一人称で、ジェイクのことばかりを
語って進んでいく。ジェイクの両親に会うために
彼がかつて住んでいた農場までの退屈なドライブ。
その車の中で、「わたし」は「もう終わりにしよう」と
何度も何度も頭の中で言い続ける。
両親の住む農場→不穏
帰り道で突然レモネードを買おうとジェイクが言い出し、
その紙コップを捨てるためにわざわざ近くの学校へ寄る
→不穏増幅
一人で車に残された「わたし」、一人で校内へ入って
行ったジェイク‥。本編の途中、太字で何度か記されていた
会話は、最後のシーンの悲惨さを表していたのだと、
読者(=私)は知らされ、そして不完全燃焼の苦い気持ちの
まま表紙をじっと見て、やれらた、と思ったのでした。
「わたし」=ジェイクだったんだよ、きっと。
ジェイクの孤独に同情するよりも、変な話だったという
気持ちの方が強いけれど、読後2か月くらいたった今も
なんだか気になってしかたがない小説なのは確か。
いつかこの作者の別の本も読んでみよう。
この本もインスタから「仕入れた」情報で。
ヨーロッパを代表する漫画家
マヌエレ・フィオールの恋愛漫画ついに初邦訳
とあり、作者の名前をどこかで見たような‥と思ったら
図書館で偶然見つけて借りた『クリスマスを探偵と』の
イラストを描いた方でした。
まず、タイトルが素敵です。
書名の『秒速5000km』は、オスロ(ノルウェーの首都)と
エジプトの発掘現場の物理的な距離=5000kmと、
国際電話のタイムラグ=1秒に由来して いるとのこと。
主要人物は一人の少女と二人の少年。
イタリアで出会った三人は、その後ノルウェー、エジプトと
場所を変えながら、20年の歳月を経てまたイタリアで
再会する‥。
説明の文章はなく、すべてセリフで構成されている
大人のコミックス。面白かったよ、と娘にすすんで勧めて
よいのかどうか迷う描写あり(笑)。
こちらの美しい表紙の本も9月に読み始めてはいるのですが、
どうにも進まず。やっと主人公が目的の家に辿り着いたところ
でとまっています。