my favorite things

絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

あめの月曜、はれの日曜

2007-05-25 17:01:34 | 好きな絵本

 今週はずっと、初夏を思わせる天気が続いていたので、今日の雨は気持ちを落ち着かせるのに、
ちょうどいいかもしれません。仕事や学校が始まる、週明けの月曜日に雨が降ると嫌だけど、
週末の金曜日の雨はそんなに悪くはないのかな。




 久しぶりに紹介する本は、『よあけ』『ゆき』で有名な、ユリ・シュルヴィッツの絵本です。
図書館で偶然見つけ、読んでみたら、私の「大好きなもの」が2つも入っていて、
たちまち好きな絵本になりました。


  あるげつようびのあさ(徳間書店)

  『あるげつようびのあさ』
 ユリ・シュルヴィッツ 作 谷川俊太郎 訳



 大好きなもの、ひとつめは、お話の中の街がニューヨークであるということ。

 絵本に限らず、小説でも、映画でも、テレビドラマでも、ニューヨークが舞台になっている
というだけで、大抵のものは好きだなあと思ってしまいますが、この絵本は、読み進めていくうちに、
主人公の「ぼく」がどこに住んでいるのか‥通りの名前や、ビルのある番地まで‥が
自然にわかってくるという仕掛けつきです。

 ふたつめの、大好きなものは、話を最後まで読んで、そこに描かれている絵をみると、
あれ もしかしてこれって‥と、最初のページを開いて確かめたくなるような、そんな構成に
なっているお話です。


 
 扉に描かれた題名の下に、丸く切り取られたような絵があって、そこには降りしきる雨と、
建物がすこしだけ見えています。
 ページを繰ると、街灯がひとつ。
 また繰ると、さっきの雨降りの丸がすこし大きく描かれ、次の見開きページには、
雨降りの街が見える窓辺の絵が左側に。その窓辺がさらに大きく描かれた右側の絵には、
主人公の「ぼく」が居ます。
 窓枠には、シルエットになっているお人形‥?


 
 あるげつようびのあさ

 おうさまと、

 じょおうさまと、おうじさまが、ぼくをたずねてきた。

 でもぼくはるすだった。

 おうじさまはいった、
 「そんならかようびにまたこよう」



 
トランプの絵柄がそのまま抜け出てきたような、王様と女王様と王子様が、自分で傘をさして、
ニューヨークのソーホーを歩いているのです。(たぶん)ぼくに会うために。

 「ぼく」はそんな人たちが会いに来ていることを知らずに、バスを待っています。

 火曜日。今度は、おうさま、じょおうさま、おうじさまに加えて、きしが、またぼくをたずねてきますが、

 でもぼくはるすだった。

 だって、その頃地下鉄のDラインに乗っているのですから。

 おうじさまはいった
 「そんならすいようびにまたこよう」



 
 
そうやって、王様たちの一行は毎日ひとりづつ増えてきます。水曜日には衛兵が、木曜日には
王様のコックが行列に加わりました。でも、ぼくは毎日留守なのです。


 いよいよ日曜日の朝。8人と1匹にまで増えた王様たちは、「ぼく」に会えるのかな、会ったら、
何の用事があって訪ねてきていたのかがわかるのかなと、期待は膨らみます。

 おうじさまが言った最後のひとこと。
      ‥‥
 さすが王家のおぼっちゃまは言うことがちがうなあ、と私はへんに感心してしまいました(笑)。



 一行が去った「ぼく」の部屋の窓からは、晴れた空と、ビルが見え‥。
 あれっ? 窓枠にのっているあの人形はもしかして、と慌ててページを戻してみたくなるのです。
そして、テーブルの上にはちらばったトランプが‥。

 

 物語のはじまりが月曜の雨の日で、物語のおしまいが日曜の晴れた日なのは、
ちょっと出来すぎていて、ステキだなあと思ったのでした。




 





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親子トートR&B

2007-05-22 19:17:04 | 好きなもの・ちくちく
 連休後半から取り組んでいたトートバッグが完成しました。

 最初は自分の分だけを作っていたのですが、途中から、あともうひとつ分の生地が
残っていることがわかり、それならば二つ作ってしまおうと、娘のも作り始めました。

 二つ並べると、大きさが微妙にちがうのがわかります…

 

 

 今回がんばったのはファスナー付け。しかもマチつきなんです。
 頭の中が常に二次元なので、すこしでも立体的になりそうになると(ファスナーのどこが立体??)、
非常に混乱してしまいます。

 
 で、そのファスナーを開けると、中はこんな感じ。
                                                                                      
 


 
 リネン混じりの糸も買ってあったので、それでお揃いのファスナーマスコットも作ったりなんかして…。
適当に編んだにしては、なかなか上手にできました。

         


 

 さてさて、次は何を作りましょう…


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テレビと、生と

2007-05-17 18:00:38 | 日々のこと
 荒井良二さん関連のお知らせでーす。

 テレビ東京、金曜日の夜10時からの番組に、明日18日、荒井良二さんが出演されるそうですよ。

 子供だけに楽しませるのはもったいない? アートなアートな絵本特集!  




 

 それと、6月17日(日)。青山ブックセンターで、イベントがあるそうです。

 こちらは、電話申込みで、参加費700円は当日精算。15:00~17:00のトークショー終了後には、
サイン会も予定されているそうです。

 『たいようオルガン』という新刊の原画展も、6月12日~25日まで開催とのことです。



  本物の荒井良二(さん)が見たい!と娘が言うので、早速申込みました。どんなお話が聞けるのか、私ももちろん楽しみです。
 もしも、「私も行くよ」という方がいたら、教えて下さいね。会場でお会いできるかもしれませんものね。


  


    ※今日のk市の天気    →    →   →  








 
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綿の芽

2007-05-12 19:27:16 | 好きなもの・グリーン

 5月4日に蒔いた種から、もう芽がでました~。
 昨年の秋の「工房からの風」の時に、らふとさんから頂いた綿の実から取れた種です。

 一晩水につけてから、と教えてもらった時には、すでに土の中だったので、ちゃんと芽が
出てくれるのかどうか心配でしたが、12粒、すべてから発芽したようです。


 すごく、うれしい。


 結果だけがすべてじゃないけど、こんなふうに目に見えることって、やっぱり安心できます。



 だけど、芽が出てそれでおわりじゃなくって、どんなふうに育っていくか、育てていくか…
これからが「ほんとう」のおつきあいですよね。

 こんな小さな植木鉢に、12の芽では狭すぎるので、もうすこし大きくなったら、植えかえをしないと
いけないですよね、たぶん。その時に、わあ、と言って喜んでくれるだろうあの人や、あの人に、
小さなポットを貰ってもらえたらなあと、思っています。


 

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角野栄子さん・続

2007-05-11 11:11:55 | 好きなもの・おでかけ

 せっかく角野栄子さんの講演を聴いたのですから、そのお話の中味も記しておこうと思います。

 講演会は、5月3日から5日まで行われていた「
上野の森 親子フェスタ」のHPで知って、
申し込んでみたのですが、当日会場に行ってみると、
大きな着ぐるみアッチも来ていたし、
壇上のテーブルには全6巻パペット付きの本が用意されているし、案内パンフレットをよく見ると、
ポプラ社協賛と書いてあるので‥あ、本の宣伝??と思ったのでした。

 ちょっとひきぎみの気持ちでしたが、本物の角野栄子さんが壇上に現われ、お話が始まると、
もやっと感よりも、その喋り方が、叔母に似ているほうが気になって(笑)、そしてしだいに、
お話に引き込まれていきました。

 「ちいさなどうわたち 全6巻」を刊行するにあたって、ぜひこのお話は入れてもらいたい、
という強い思いがあったことや、どうやってそのお話が誕生したかについて語られたのですが、
全集の中の物語をひとつも読んだことがないゆえ、「共有」することができず、すこし残念でした。



 1時間余りのお話の中で、最もおもしろかった部分は、角野さんが25歳の時にブラジルへ移民として渡り、
そこでブラジル語をどのように習得していったかというくだりでした。

 ブラジルで生きていくためには、働かなければならず、働くためには、言葉がわからなければならず。
必要に迫られ、同じアパートに住んでいた15歳の少年に頼みこんで、「先生」になってもらったそうです。     
なぜ、その少年を「先生」に選んだかといえば、それは、「子供だったらお金を払わなくていいでしょ?」と角野さん。
まるで、ついこの間のことのように笑いながら言いました。

    彼のおうちは、お父さんが大道芸人で、お母さんが歌手なの。
   だからその子もね、全身リズムの固まりみたいな子でね、始終何かを叩いているし、
   喋る時は体をゆすっているし。ブラジルの子だから、サッカーもすごく上手で、
   玉ねぎでもじゃがいもでも、なんでも蹴っちゃうのよ。それでね、絶対下に落とさないの。

 赤ちゃんがいろんなものを吸収し、覚えていく時と同じように、ブラジル語に対して「赤ちゃん」だった自分に、
その少年の教えてくれた言葉は、リズムとともに入ってきて。そうやって覚えたことは、いつまでもいつまでも
忘れないものだと、おっしゃっていました。
 5歳の時にお母さんを亡くした自分に、お父さんが語ってくれた様々なお話が、成長しても、いつまでも心に
残っているのと同じようなものだとも。

 
 そうそう、そのブラジルの少年のお母さんが、日本人と知り合いになったのだからと、日本のことを歌って、
レコードにしたいと言ったのだそうです。そして角野さんも、その方と一緒に、バンドのメンバーを集めたり、
八百屋さんの奥にある、マイク1本が立っているきりの録音スタジオに行き、録音に立ち会ったりしたのだそうです…。
 遠い遠い昔のブラジルの話なのに 『ブエナビスタソシアルクラブ』の映画のシーンが、いつの間にか、
私の頭の中ではだぶっていました。

 角野栄子さんが、お若い時に、ブラジルに住んで居たことは知っていたけれど、音楽とはちっとも結びついて
いなかったので、その意外性がなんとも楽しく、また、角野さんにとても親密な気持ちをいつしか感じていました。

 そのブラジル録音の曲には後日談があって。 
 長い長い間忘れていたのに、ある時、小室等さんと対談する機会があり、そこでもレコードの話をしたそうなのです。
どんな歌なの?歌ってみてよ、と言われても、ちっとも思い出せないからだめと答えていたのに、小室さんが「こんな感じ?」と
ギターを弾いてくれたら、なんとすらすらと歌詞が出てきて、1番だけなら、すべてが歌えたそうなんです。

    「それからね、毎日毎日、その歌を歌っているんです。
   貰ったレコードだって、とっくの昔にどこかへ行っちゃったし。
   毎日歌ってないと、忘れちゃうでしょ?」と、角野さん。

 その歌、どんな感じなんでしょう。ワンフレーズでいいから歌って欲しかったなあと、今も思っています。
  
 

 

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角野栄子さん

2007-05-07 16:25:51 | 好きな本

 あさって、5月9日に、角野栄子さんの『魔女の宅急便 その5』が発売されます。

 魔女の宅急便 その5 魔法のとまり木

 その情報は、2月に ことり文庫へお邪魔したときに、店長のこうめさんが教えてくれたので知っていたのですが、私は、1~4までを図書館で借りて読んでしまったため、「その5」だけを、自分の本として買うのはどうしようと、ずっとずっと迷っていました。
 
 でも、迷っていたのは、今では、過去のことになりました。

 5年生になった娘rは、新しい教室にあったたくさんの本の中に『魔女の宅急便』を見つけ、自習の時間に読んでみたところ、「とってもおもしろい」と思ったのだそうです。

 だから私が何度も言ったでしょ、おもしろいよって。

 
 時期がやってきて、自然と手にとったのか、それとも母の言葉が呪文のように後々効いてきたのかはわかりませんが、自分の好きな本を、娘も好きだと思ってくれることはとても嬉しいです。その嬉しさに乗じて、5巻セットを頼んでしまおうかと思いましたが、セット購入の『ナル二ア国ものがたり』が、中途になっていることもあり、読みたいときに読みたい巻を買うことにしようと思い直しました。

 『魔女の宅急便』にまつわる迷い、一件落着です。めでたしめでたし。



 

 角野栄子さん‥私の母より1つ年上なんですね。きれいな白髪に白いスーツを着て、ぱきぱきと喋る姿はとても若々しかったです。

 5月3日に、角野さんの講演を、東京都美術館講堂へ聴きに行ったのです。
 最近ポプラ社から出た 「角野栄子のちいさなどうわたち」(全6巻)に託した思い、がお話の中心で、その本のお話はひとつも知らないにもかかわらず、講演そのものをとっても楽しむことができました。
 東京の下町で育ったとおっしゃっていましたが、その話し方が誰かに似てるな似てるな、と思っていたら‥私の父のすぐ下の妹である、私の叔母とそっくりでした。

 講演終了後にサイン会があることを知り、 『魔女からの手紙』を開演前に購入。順番を待つ間、娘は会場に来ていた、大きなアッチの「中に居る人」を覗きに行ったり。私は、角野さんに会ったら、ぜひとも伝えたいと思っていたことを、胸の中で復誦‥。

 伝えたいこと、口にする前に気がついてくれるかなあと、サインの宛名の欄に、娘rの名前を書いておいたのですが、順番が来て、筆ペンで名前を書き始めた角野さんは、ただ黙々と作業を進められ‥その側に居た、ポプラ社の担当の女性が、「もしかしてお名前、角野さんのお嬢さんと同じ‥ですか?」

 それなんですよ、伝えたかったこと。

 娘rの名前は、角野栄子さんのお嬢様のお名前とおんなじなんです。ただの偶然と言ってしまえそれでおしまいですが、角野さんのサイトを見ていてそれに気がついた時、私は嬉しかったんです。

 「あら、おなじなの?」
 
 角野さんも顔を上げてくださって、「はい、この子の名前です」とrの肩に私は手をおきました。

  「うちの娘はカタカナで、(名前を)書くんだけど、あなたは違うのね。そうそう、この名前、なんて意味があるか知ってる?」ホウキに乗った黒猫の絵に戻りながら、角野さんがそう私に聞きましたので、
 「はい、ポルトガル語で【川】っていう意味ですよね?」と私。そこで、絵とサインが終了してしまったので、お礼を述べて場所を次の方に譲りました。

 
 
 『魔女からの手紙』 前々から気になっていた絵本だったので、こんな形でサイン入りで、家に持って帰ることができて、ほんとうによかったです。


 魔女からの手紙

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前はんぶん、後ろはんぶん

2007-05-02 17:17:32 | 日々のこと

 朝は雨が降っていたのに、昼前からめきめき晴れて、暑くなってきました。

 みどりがキラキラ輝きだして、5月はこうでなくちゃ!というお天気です。

 
 
 連休前半にしたことその1は、お友達との「夕方ビール」
 
 うちでの「夕方ビール」の定義(?)は…晴れていて、外が明るくて(4時くらいがベストタイム)、しかも家で、さらにできれば銘柄はハイネケンが好♪

 したことその2は、お裁縫。

 お正月に買って、それっきりになっていたリネンで、やっとソファカバーを縫い上げました。はじめてしまえば、ミシン作業もなかなか楽しく、なんで4か月もほっておいたのか不思議です。

 あと、手縫いでちくちくもやりました。「思いつきコサージュ」。

 いつか見た雅姫さんの本の中に載っていたものが、頭の片隅に残っていたのかも。リバティプリントを使って、自己流で。


 
 明日からの連休の後半にしたいこと、その1。

 やっと目覚めたミシンへの愛着が消えないうちに、小振りのトートバッグ作り。白のトート用のハギレと、裏布に茶色の残り布を使うところまでは決まっているけど、持ち手の素材をどうしようか思案中で、今が一番楽しいひととき…。

 したいことその2はー。

 綿の種のたねまき。昨年の「工房からの風」の時に、ふわふわの綿の実を頂いたのです。5月になったら蒔こうと決めていました。

 そうそう、galleryらふとでは5月5日まで「そよぎ始めた工房からの風」が開催されています。今年の秋の「工房からの風」に出展が決まった方の中から、6人の作家さんの作品を紹介しているそうです。案内ページを読んでいたら、行きたい気持ちがむくむく起こってきました。

 この季節のらふとのお庭、素敵でしょうね。思えば2年前の5月1日、娘と一緒にらふとを訪れたことから、このブログは始まったようなものなのでした…。


 今年の連休中には、私は行かれないのですが、お庭の様子を思い描きつつ、そして、5月らしいお天気が続くことを祈りつつ。
 


 



 

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