朝、ピアノのSさんとアンサンブル。
プロコフィエフのソナタop.94
「プロコフィエフってどんな感じがする?」Sさんの、問いに、「うーん。情的じゃない。勇ましいじゃなくて、勇ましさ。みたいな。ピーターとおおかみの小鳥なんか、本当に鳥だもん。人がやっている鳥って感じじゃない。感情が無いというか。」
「私は、この最初のところなんて、草原で少年が一人で笛を吹いてるって感じがするわ。」とSさん。
「情景っていう感じじゃなくて、風景の一部って感じかなぁ。」
「大きな人じゃなかったのかな?」
「えーっと。写真見たけどやさおとこだったよ。結構ハンサム。」と私。
「和音押さえられないから。」「ああ、手足は長い感じ。きっと指なんか長かったよ。」
「平気で幅の広い和音おさえるなんてそうでなかったら無理やから。」
「ちょっと想像できないような組み合わせ。何でこんな音使うんだろう?」
いくつか、弾いてくれました。
「はーん。そうか。新しいことやってるんじゃないんだ。ロシアの民謡だね。これ。右手の音にわざと左手の音でにごる。三味線のさわりみたいなかんじ、民俗音楽の野性的な空気を出すためのにごりの音だね。この音自体に意味はないのかも。」
「プロコフィエフって一人っ子だったんだって。姉が二人いたけれど、彼が生まれる前に亡くなったらしいよ。」
「そうか、一人でずっと遊んでたんだね。ここの『F#ADC#』なんて、全く脈絡がなく出てくる感じで、『僕はこの和音が好きだから、おもしろいからあっちでも、こっちでも使うんだ。』って感じで、子どもみたい好き勝手にやってる感じがするわ。意外性が楽しいっていうか。」
なるほど、大きな子どもプロコフィエフ。誰にも解けないような複雑ななぞなぞを出しては、べーっと舌を出して喜んでいるような感じ?!
午後から児童会。やんちゃで手がつけられないプロコフィエフがいっぱい。
「先生、大変!大出血!すんげぇー!」と自分でりかちゃん人形を泥んこに突っ込んでおいて言いにきたのはプロコフィエフ1号。
「先生、赤ちゃんが、隠れたから探しに来て!」シルヴァニアファミリーのかわいい赤ちゃんは椅子と机のバリケードの下のオーブンの中。プロコフィエフ2号はとっても楽しそう。
プロコフィエフ3号と4号は脱いであった育成さんのスリッパで、さんざんままごとの籠を打ち合ってから、「くさっ!手がくさなったぞ。こんなんいらんわ。空き箱に持ち替えろ。」なんて言いあっています。
すごい意外性たっぷり、大作曲家だらけ。すばらしい!