音楽の喜び フルートとともに

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鬼灯の時

2015-08-26 21:38:04 | 本・映画など

台風15号は近畿地方をそれて、台風一過。
雨もとおに止み、アプリコットフレグランスに水滴を残すくらい。


そして、今日は、また夏日が戻ってきました。
それでも、少し秋の空気が感じられるのは、北国の人が寒くても1月になれば、春を感じられるような、暑い大阪に住む人々の特別な感覚かもしれません。

お盆になると、ほおずきが出回ります。
母が買ってきたほおずきが今年は大きくて見事でした。



ほおずきは、赤い実をほっぺたに入れて、舌でついて音を出す様を表した、頬突きから、その名前になったそうです。
英名のChinese Lanten Plant は 漢字の鬼灯から来たのかな?
お盆に枝付きで飾るのは、その実が、死者の霊を導く提灯を思わせるからと言われています。

草には微量のアルカロイドが、根にはヒスタミンが含まれていて、酸漿という名前で、毒や薬にもつかわれていたそうです。

熟れきった実は、朱色で、つやつやではちきれんばかりで、美しくて。
希なる美しいものは、なぜか死を思わせるようです。

生と死、光と影、闇が深ければ深いほど、光も輝く。

生み月や 鬼灯の灯が 灯り初め  三橋鷹女

生まれてくる生命への期待と、出産の不安。生命をかけることになるかもしれない。
赤い実が、心をえぐる一句です。