音楽の喜び フルートとともに

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ヴィオラが活躍するはずの曲

2023-03-21 21:19:00 | ロマン派
ヴィオラの金重さんとピアノの坂田さんとフルート久米で、トリオ練習。
明日萩原天神「いつもの処」で3人でドビュッシーの「ベルガマスク組曲」を全曲演奏します。

まずは美味しいお菓子とお茶。

やってなかったパスピエを中心に練習した後、ランチですが、今日はスーパーのお弁当を買ってきました。
体力温存。
昼からは通しました。

エクトル ベルリオーズ(1803-1869年)フランス共和国ラ コート サンタンドレ生まれ、フランス帝国パリ没

1833年ニコロ パガニーニ

は、ベルリオーズにビオラと管弦楽のための作品を書くように依頼しました。
パガニーニはヴィオラの名器ストラディバリウス

ストラディバリウスのヴィオラ、現存する10本のうちの一本2014年48億円でサザビーズで競売にかけられました。
を手に入れていて、自分の技術を披露できる曲を求めていました。

ベルリオーズは喜んで仕事に取りかかり、当初は管弦楽と合唱とヴィオラのための幻想曲、「マリー スチュアートの最後」という作品になる予定でした。

しかし、進捗状況を見に来たパガニーには独奏ヴィオラのパートが自分の名人芸を披露するには足りないと落胆しました。

パガニーニが満足するような曲はとてもかけないと諦めたベルリオーズはパガニーニに「あなたが満足いくような曲はあなたにしかかけない。」と言い、この話はご破産になってしまいました。

ベルリオーズは途中まで作曲を進めていたこの曲をパガニーニの意図からは離れ、独奏ヴィオラを伴った交響曲として最後まで完成させることにしました。

上演の4年後、初めてこの作品を聞いたパガニー二は楽屋のベルリオーズを訪ね、2万フランの大金を「ベートーベンの後継者はベルリオーズの他にあり得ません」という賛辞とともに贈りました。

これに感激したベルリオーズは「劇的交響曲ロミオとジュリエット」

を作曲し、パガニーニに献呈しました。

この話はベルリオーズ自身が「回想録」
に記した内容に基づいていますが最近ではその信憑性に疑問が持たれています。

この時上演した曲が交響曲「イタリアのハロルド」です。

初演は1834年パリ音楽院ホール
においてユランのヴィオラ独奏、ジェラールの指揮によって行われました。

初演にはユゴー、デュマ、ハイネなどの文学者やリストやショパンなどの音楽仲間が訪れています。

ジョージ ゴードン バイロン
の長編詩、「チャイルド ハロルドの巡礼」の場面に着想を得ています。

人生の快楽に飽きた貴公子が癒やされない心の傷を抱えて地中海諸国を放浪するという内容です。

ターナーチャイルド ハロルドの巡礼
第1楽章
山におけるハロルド憂愁、幸福と歓喜の場面、ハロルドのメランコリックでもあり、快活な複雑な気分が表されます。

第2楽章
ゆうべの祈祷を行う巡礼の行列
ハロルドは黄昏時、巡礼の一行が山の小さな教会で讃歌を歌い、通り過ぎていくのを眺めています。

第3楽章
アルプッチの山人がその愛人に寄せるセレナード
舞曲的な性格の楽章、毎年クリスマスの頃、アルプッチの山中からローマにやってくる牧童が吹奏する民謡を転用しています。

第4楽章
山賊の饗宴、前後の追走
山賊のランチ、来さわぎの合間に前3つの楽章の主題が回想されます。やがてハロルドは山賊の手にかかって命を落とします。
最後は山賊の主題が荒れくるってフィナーレとなります。

ヴィオラですが、初めの3楽章までは独奏が多くありますが、だんだん出番が少なくなり第4楽章ではほとんど出番がなくなってしまいます。