音楽の喜び フルートとともに

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亡き友に捧げた曲

2023-03-25 21:11:00 | 近代
うちのサンルームのいちごが満開!
しかし、この密植では実はならないかも。一株だけだったのだけれど、冬を越したらこんなことに…。
可愛いです。
いちごや、ワインにクラッシック音楽を聴かせて育てるといい味になるとか…。
ネットを見るとクラッシック音楽を聴かせたいちごやワインの販売情報が溢れています。
それに反して科学実験を行っていちごやワインには耳がありません。と結論づけている人がいたり…。

百家争鳴。

私は科学はわかりませんが、人間は音楽とともに生きてきて、特に何百年も歌い継がれたり、演奏されてきた音楽は何か意味があると思うのです。

音は微粒子の振動だとすると、耳のないいちごや発酵するワインにだって何かを促す効果があるような…。

そして人間は長く音楽を聴いて泣いたり笑ったりしてきたのは、生まれた時代や国籍、場所、言語が変わっても人間には何か不変な共感するものがある。その証明じゃないかと思うのです。

その共感で繋がれば戦争なんてできない。演奏するときいつもそのことを考えます。

モーリス ラヴェル(1875ー1937年)フランス共和国シヴール生まれ、フランス共和国パリ没

が作曲した「クープランの墓」は1914年から1917年にかけて作曲されたピアノ組曲です。


第1次大戦で戦死した知人たちへの思い出に捧げられているラベル最後のピアノ独奏曲です。

そして、1919年に4曲を抜粋した管弦楽版が作曲者自身により作られました。

サラエヴォの視察に訪れていたオーストリア=ハンガリー帝国の王位継承者フェルディナンド大公が暗殺された事件を発端にして始まった第一次世界大戦ではオーストリア=ハンガリー帝国がセルビアに戦線布告すると、ロシアは総動員令を出します。対抗してドイツはロシアに対し宣戦布告すると、ロシアは三国協商を通じて同盟関係にあるフランスに西部で戦線を開くように要請しました。
1870年の普仏戦争の復讐に燃えていたフランスはロシアの要請を受け入れてドイツに戦線を起こしました。

世界中を巻き込んだ。この戦争は1919年パリ講和会議においてイギリス、フランス、イタリア、日本、アメリカが会議を指導し、講和条約を敗戦国に押し付け終結しました。

ラベルは野戦病院の病院舎の運転手として従軍しましたが、1916年健康を害してパリに戻り、1917年除隊しました。

の頃、ラベルは母親を失い.大戦により多くの知人らを失いました。

フランソワ クープラン(1668ー1733年)フランスパリ生まれ、パリ没

は、フランスの偉大なバロック音楽の作曲家です。太陽王ルイ14世の宮廷音楽家で、「クラヴサン曲集」「クラヴサン奏法」など200曲以上の作品を残しています。
ラヴェルは特定のクープランの曲ではなく、フランス音楽への敬意を込め、古典的舞曲を使うことでフランスのために亡くなった友人への弔慰を表したと思われます。

プレリュード
ジャック シャルロ中尉(マ メール   ロワ)のピアノ独奏版の編曲者)に捧げられています。

フーガ
ジャン グルッピー少尉に捧げられています。ラベルは彼の母親にスペインの曲を捧げています。

フォルラーヌ
ガブリエル ドュリュック中尉(サン =ジャン=ド=リュズ出身のバスク画家)に捧げられています。フォルラーヌは北イタリアを起源とする古典的舞曲のことです。

リゴドン
ピエール & パスカルのゴーダン兄弟(ラベルの幼馴染)に捧げられています。

メヌエット
ジャン ドレフュス(ラベル除隊後の家主)に捧げられています。

トッカータ
初演者であるマルグリット ロン

の夫ジョゼフ ドゥ マリアーヴ大尉に捧げられています。

1919年
トッカータとフーガを除いた残り4曲は、ラベル自身によってオーケストレーションされています。