ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「ペコロスの母に会いに行く」、4コマ漫画を映画化した長崎の認知老婆の話

2013-11-26 17:19:25 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆☆
    介護にかかわる経験のある人 ☆☆☆☆☆

長崎在住の4コマ漫画作家、岡野雄一さんの話。

地元のコミュニティ雑誌に連載後、自費出版した作品が、facebookなどの呼びかけにより一躍有名に。

現在は、週刊朝日に「ペコロスの母の玉手箱」として連載されている。

私も、愛読者だが、最初は、話が時代を超えて出てくるので戸惑ったが、徐々にそのペーソスに惹かれていった。

これはその映画化で、もともと、長崎で映画化の話が持ち上がり、資金難から全国に呼び掛けられ本作となった。

そういう意味では、故郷映画の一つだ。出演者も長崎出身者が主で、長崎弁がとびかっている。


監督は、公開初日に86歳となった森崎東さん。新藤さんの後追いかけていい映画を撮り続けています。本作でも、介護問題だけでなく、昭和の初め、売春宿、原爆問題など、シビアな目が光っています。

脚本は、阿久根さんで、もともと4コマ漫画の脚本の経験があり、ショートストーリーの連続となる4コマ漫画を巧みに処理しています。ペコロスの母の記憶の場面が随所に盛り込まれますが、それが、ラストに生きてきます。

勿論、認知症の介護がテーマですが、随所に笑いがあふれ、認知を笑うのでなく、それを笑いに変える原作と演出の妙です。

主役の岩松了は、禿げ頭に終始し、最高齢主演女優の赤木春恵さんの熱演もさりながら、わき役陣もしっかりしていて、竹中直人と温水洋一の禿げトリオ、長崎出身の原田姉妹、加瀬亮と枚挙にいとまがありません。

それにしても、ラストに長崎の祭り(ランタンフェスティバル)が描かれ、眼鏡橋で、母の回想ファンタジーとなる、長崎の旅の思い出が重なって涙が止まらなかった。


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NHKスペシャル ”認知症800万人”時代 

2013-11-26 09:33:53 | テレビ
先週末、

23日 母と息子3000日の記録

24日 助けてと言えない孤立する認知症高齢者

二つのNHKドキュメントを見た。

800万人といえば、5%を超える。高齢化社会から、認知症社会へと進んでいくのだろうか。

母と息子の3000日は、徐々に悪化していく母を自宅で看取ろうと決意した子が、奮戦する様と、それを見て、これからの日本の親の介護の在り方を討議するものであった。母と息子の介護を記録するという画期的な映像を見せられた。

これは、今介護者を抱えている人、これから抱える人それは、800万人の何倍かの人たちに関わる問題だ。在宅介護を奨励する国の方針も、それを支える仕組みがなければ絵に描いた餅だ。

一方、助けてとはいえない認知症高齢者、これは単身者に多いというが、夫婦でも片方が認知になった場合、同様な問題が起こる。介護を必要としながら、介護を拒否し続ける高齢者。これは特に都会でおこる問題だ。放置すれば、孤独死につながる。



まもなくフランス映画「母の身終い」が公開されるが、ここでは,脳腫瘍に犯された母が最終決断としてフランスでは許されない尊厳死をスイスの施設で受けるというショッキングな物語だ。

一方、日本映画でも、「くじけないで」、「ペコロスの母に会いに行く」と二つの認知症映画が上映されている。

そういえば、「クロワッサンで朝食を」も、今年公開された映画だ。いつまでも誇りを失わない老女をジャンヌモローが演じていたのを思い出した。

スペインのアニメ「しわ」もそうだった、世界的に認知症は関心事なのだ。

これからは、医学の進歩がどこまでこれを解決できるかだろう。人類はきっといい解決法を導くに違いない。

最近は、時間のできた老人たちが映画を見だした。この手の映画はやはり、老人で埋め尽くされる。

映画も認知症化しているのかも


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