ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「しわ」、アニメで描かれる認知症の世界

2013-11-11 18:05:13 | 映画
おススメ度 ☆☆☆
    アニメ好き・老人問題に関心ある人 ☆☆☆☆

日本のジブリ映画を信奉するスペインアニメーターの作品。

高畑さんを尊敬しているだけあって、日本人にも異質感を抱かせない作りになっている。

題材は、アルツハイマー認知症。

認知症を患った元銀行員エミリオ。彼が施設に入所するところから物語は始まる。

はじめて、見聞きする認知症の人たちの世界。おどおどと、小学生の時転校生として紹介されたことを思い出す。

ここには、いろんな認知症の患者がいた。施設の人たちはみんな親切で、よくしてくれる。ただ、2階は重症患者の病室で、皆はそこへは行きたくない。

同室となったミゲルは、おおらかで銀行員とは大違い。みんなからお金をくすねてはため込んでいる。

面会に来る孫にプレゼントするために、食事で出されるバターや紅茶などを集めている女性アントニア、認知症が進んだ夫のモデストの世話をする妻のドロレスらがいる。

スペインの映画だが、日本に置き換えても何ら違和感がない世界。身の回りで、認知症の人とかかわった経験のある人にとっては見につまされる作品だ。だが、かといって、悲観的ではない、それぞれの行動がなんとなくおかしく、さもありなんと納得する。

勿論、若いころの回想とか、妄想とか、若い人の出てくるシーンもあるが基本老人が主体。

後半は、エミリオの障害度が進んで2階送りになるのを防ごうとミゲルが奮戦する姿が、そして二人に友情が、それは、施設に入って2人が目の前の共同者だから。

プールに浮かぶ二人は、幸せなんだろう。

で、ミゲルが主役になり、結末を迎える。暗いがけっして、どん底ではない。




コメント
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