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「ハンナアーレント」、ナチスドイツのアイヒマン裁判の傍聴記を書いた女哲学者

2013-12-06 18:15:37 | 映画
おススメ度 ☆☆☆
    哲学的映画好き ☆☆☆☆

ナチスドイツでゲシュタポ・ユダヤ人課長として、ユダヤ人大量殺害の陣頭指揮を執ったアイヒマン。

彼が、第二次大戦後囚われ、イスラエルで裁判を受け、結局は死刑になった。

ハンナアーレントは、その裁判を傍聴し、「アイヒマンは、ただ、上の命令に従った公務員に過ぎなかった」とレポートしユダヤ人から非難を受けた。

アーレント自身、ドイツ系ユダヤ人で、フランス、のちにはアメリカへ亡命している。

アーレントは哲学者で、有名な哲学者ハイデッガーの弟子であり、恋人でもある。

そんな、ハンナ・アーレントが、アイヒマン裁判傍聴記を、ニューヨーカーに連載したことによる波紋を中心に描いた。歴史秘話。といってもこのことは世界的には有名。

ただ、これらの事実の背景を知らずに見るとちょっと戸惑うかも。

でも、物語は、夫をこよなく愛するアーレントと、自分の信念に忠実であろうとする真摯な態度に惹かれていく。

アイヒマン裁判のシーンは、実際の裁判の映像を使っており、その意味でもアイヒマンという人となりがうかがえて面白い。

結局、アーレントが、アイヒマン凡人説とユダヤ人の中にもゲシュタポに協力した人がいるという事実を書いたことで、当のユダヤ人たちから総スカンを食ったのだろう。

ラストには、大学でこの問題を講義するシーンがあり、かなりの説得力を持っている。

ドイツの女性監督が、あえて、この問題に取り組んだ意図は伝わってくる。



コメント (1)
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