ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「少女ファニーと運命の旅」、フランス、ユダヤ人少女たちの逃避行!

2018-06-14 17:10:03 | ヨーロッパ映画

おすすめ度 ☆☆☆★

フランス・ベルギー合作

ナチスドイツ支配下のフランスからスイスへ、子どもたちだけで旅を続けたユダヤ人の少女の実話を映画化したヒューマンドラマ。エンドロールで、現在の少女が出演。

1943年、ドイツ占領下のフランス。ユダヤ人の子供たちを収容する施設があったが、密告でドイツ人にみつかり、子供たちは、名前を変え、フランス語しか話さないようにして、移動する。

だが、警備が厳しく、世話役の女性と連絡が取れなくなり、こどもたち9人で、スイスを目指すことに。

途中親切にしてくれる人がいたり、ドイツ兵に撃たれそうになったりと波乱万丈。

リーダー役を任されたファニー。足手まといの子供たちがいる中、みんなが協力して旅をする姿が、ほのぼの。

ドイツ兵に射撃される場面もあるが、遠路をぐずる子供たちも協力して逃走。

フィクション場面もあるが、総体に忠実に映画化されている。

子役の可愛さが映画をほっとさせてくれる。

名匠ジャック・ドワイヨンの娘ローラ・ドワイヨンが監督。

 


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「友罪」、少年Aのその後!

2018-06-13 18:26:56 | 日本映画
おすすめ度 ☆☆☆ (劇場鑑賞)

考えさせる映画好き ☆☆☆☆

ミステリー作家・薬丸岳の同名小説を実写映画化。

ジャーナリストの夢を諦めて町工場で働き始めた益田、同期の鈴木と同じ部屋に。

工場で、機械に指を切断され、救急病院に、そのとき鈴木に親身に世話をされ好意を持つ。(この時、病院に運んでくれたタクシー運転手を佐藤浩市が演じている:なんかありそう)

当時、連続児童殺害事件がおこり、17年前の事件の犯人少年Aがクローズアップされていた。

鈴木にはAV出演の経験のある彼女美代子がいて、彼女に付きまとうプロデューサーの暴力に悩んでいた。

一方、益田には元の同僚で雑誌編集者清美。彼女は児童殺害事件を追っていた。

それに触発され益田は、少年Aを調べる。少年時代の写真が鈴木だった。

少年Aを少年院から面倒を見ている保護司白石は、娘のことをなおざりにしていた。

タクシー運転手山内の息子は、自動車事故で、人を殺めていた。だが、今は結婚して子供を授かったという。そのジレンマ。

益田にも少年期の痛い思い出があった。

それぞれに、人を殺めたり、殺められたりの過去を持つ。

いずれも、その業にさいなまれ生きている。

特に、美代子をいたぶる男に対し、俺を殴れと、自ら石で自傷し、血を流す鈴木の姿は痛々しい。

益田の生田斗真、鈴木の瑛太、美代子の夏帆、清美の美月、白石の富田靖子、いずれも熱演で迫真に迫る。

「64」の瀬々監督。痛い映画を撮らしたら右に出る者はいない。

それにしても、後を引く映画だ。









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「火花」、又吉原作の映画化!

2018-06-12 17:01:15 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆★

漫才コンビ「ピース」の又吉の芥川賞受賞の小説の映画化。

監督は、元漫才師の板尾創路。

豊田利晃が脚本に参加している。

下積み漫才師の10年間を描いている。

まったく芽が出ない芸人・徳永は営業先の熱海の花火大会で先輩芸人・神谷と出会う。「あほんだら」というコンビで常識のワクからはみ出た漫才を披露した神谷の姿に魅了された徳永は、神谷に弟子入りを志願。「俺の伝記を作ってほしい」という条件で神谷はそれを受け入れる。

ほぼ原作通りに進むが、コンテストなんかで、他の漫才師の参加もあり、あまり面白くない漫才に付き合わされる。

前半は、二人の漫才師の交流が中心で、展開があまりなく、眠気を誘う。

後半は、徳永の相方の都合で漫才をやめることになり、ラスト漫才をくり広げる。

この辺になるると、テンポもよく、逆を行く漫才に吸引力がある。

所々に、繰り広げられる、しゃべくりの哲学。

一応、文芸作品なのだ。

菅田将暉と桐谷健太、素人だが、漫才をうまくこなしている。

相方にも漫才師を起用。漫才がテーマの映画だ。

 

追記 案外面白かったので、原作が読みたくなった。

大垣書店で、「花火」、文庫でありますか、と尋ねたら

又吉の あ、「火花」ですね。

早速、文庫本を紹介してくれた。

でも、580円+税はちと高いな。

 

 

 

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「犬ヶ島」、ウェス・アンダーソン監督が人形劇で、日本が舞台の映画を撮った!

2018-06-11 18:01:38 | アメリカ映画

おすすめ度 ☆☆☆★ (劇場鑑賞)

人形を動かして撮影する、ストップモーションアニメ。

20年後の日本が舞台で、犬と人間の映画なので、毛嫌いする人がいるかもしれません。

ただ、ベルリン国際映画祭のコンペティション部門で監督賞(銀熊賞)を受賞しただけあって、まさにユニーク。

そこここに黒沢映画へのオマージュがあって、特に音楽がいろいろ採用されている。

架空のメガ崎市が舞台で、市長が犬嫌いで、感染症をいいことに、埋め立て地に犬を隔離してしまう。

市長の息子の少年アタルが、自分の愛犬が犬ヶ島に送られたことを知り、単身犬ヶ島にわたる。

そこで、助けてくれる犬がいて、とまあ、冒険譚となる。

ちょっと、英語と日本語が入れ混ざり、テンポ早く映画が進むので、置いてきぼりになりかねない。

まあ、ウェス・アンダーソン好きには、たまらない映画だ。

声の出演に豪華配役陣が参加してるが、好事家向きかも。

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「サーミの血」、少数民族サーミの少女、差別とのたたかい!

2018-06-10 11:15:02 | ヨーロッパ映画

おすすめ度 ☆☆☆★

スェーデン・デンマーク・ノルウェー合作

第29回東京国際映画祭で審査員特別賞および最優秀女優賞を受賞。

サーミ人は、スカンジナビア半島北部=ラップランドと、ロシア北部に暮らす先住民族。特にスウェーデンやフィンランドなどでトナカイの放牧を行っている事で知られている。

この映画は、スェーデンに暮らすサーミ人の娘が、差別を乗り越えて、都会の学校に通う話。

1930年代、まだ、差別意識の強かった時代。臭いと忌み嫌われ、河で沐浴するエレ・マリア。

サーミ人の衣装を脱ぎ捨て、参加したダンス場で、一人の青年に恋をする。

都会の学校にあこがれたエレは、知り合った男を訪ね道を開こうとする。

だが、入学には、お金がいることがわかり、母親に無心する。

あくまで、サーミから逃れたいエレ。

所々で描かれる、差別の数々。じっと耐えるエレ。

日本では、アイヌが思い浮かぶが、似たところは多い。

サーミの血を引アマンダ・シェーネルの初監督作品。

主演者もサーミ人。

妹の葬儀にやってきた晩年のエレの姿から映画は始まり、ラストも晩年のエレ。

その顔に刻まれたしわに、苦労がしのばれる。、土地に残った妹とどちらが幸せだったのか。

被差別民族の悲哀に涙がにじむ。


 

 

 

 

 

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「68キル」、暴力女に振り回されるも、強くなっていく男!

2018-06-09 18:13:42 | アメリカ映画

おすすめ度 ☆☆★

「未体験ゾーンの映画たち2018」上映作品。

B級映画そのもので、簡単に人を殺すえぐいシーンがあります。

前半は、娼婦で暴力彼女に支配されるチップのいじめられっぷりが面白く、中盤は、6万8千ドル強盗。成功したつもりが人がいて、男は殺し、女は監禁。

ところが、チップはその女に惚れて、一晩過ごすのだが、素っ裸で、モーテルを追い出される。

それからは、二転三転。

まあ、予想外の展開。

でも基本、男が立ち直っていくというお話。

テンポよくお話が進むので、見ていて面白い。

 

 

 

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「消された女」、法律を悪用した拉致監禁事件、真相は?

2018-06-09 16:05:29 | 韓国映画

おすすめ度 ☆☆

韓国では、「保護者2人の同意と精神科専門医1人の診断があれば、患者本人の同意なしに「保護入院」という名のもと、強制入院を実行できる」これを悪用した事件が後を絶たない。

この映画のおかげで、法が改正された。

この映画は、実際の事件を描いたものではないが、いくつかの事件にヒントを得て作られている。

強制的に拉致監禁された女の、手記が発見され、その手記を追うTVディレクター。

その病院では、一年前火災が起き、院長が何者かに殺されていた。

映画は、その手記を映像で描いていくので、ややわかり難い展開。

その病院では、生体臓器移植が行われていた。

その生々しい映像は、ホラーそのもの。

この映画は、法の告発をしているが実態はホラー映画。

ただ、内容がちょっと、飛躍し過ぎ感あり。

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「レディ・バード」、カリフォルニアサクラメントに住む娘の成長物語!

2018-06-08 17:50:07 | アメリカ映画

おすすめ度 ☆☆☆☆ (劇場鑑賞)

PG12 、性的描写があります

閉塞感漂う片田舎の町でカトリック系の女子高に通い、自らを「レディ・バード」と呼ぶ17歳のクリスティンが、高校生活最後の年を迎え、友人やボーイフレンド、家族、そして自分の将来について悩み、揺れ動く様子を、みずみずしくユーモアたっぷりに描いた作品。

都会にあこがれ羽ばたこうとするレディバード。

それゆえ、カトリックの生活、田舎の生活、何かと厳しい母親。何かにつけ、反抗する。だがそのバイタリティは、心地よい。

恋人と友人と一度は別れ、上の生活を望むが、そこで傷つくバード。

そして母親との確執は、愛しているが許せない。

「フランシス・ハ」「20センチュリー・ウーマン」などで知られる女優のグレタ・ガーウィグが自身の体験に基づき映画化。

レディバードを演じるシアーシャ・ローナン。

ゴールデングローブ、コメディ部門、作品賞、主演女優賞。アカデミー賞にもノミネイト。

派手さはない、地味な映画だが、心にしみる。

母と娘。この映画を見れば泣けます。

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「勝手にふるえてろ」、綿矢りさ原作の恋愛映画!

2018-06-07 16:45:16 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆

リアル恋愛映画好き ☆☆☆☆

日本映画プロフェッショナル大賞、作品賞と主演女優賞のダブル受賞。

第30回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品され、観客賞を受賞した。

24歳のOLヨシカ。恋愛未経験のため妄想女子。

中学でのあこがれの一をずっと思い続けている。

同期の二から、好きだと告白され、逆に一への思いが募り、同級会を招集する。

だが、いまいち、みんなとそりが合わず、やっとデートの約束を交わす。

その席で、発せられた一言に傷つき、悩む。

二は、それにもめげず、好いてくれるのだが

現実の彼と、妄想の彼、青春真っ盛りのヨシカは、走り続ける。

綿矢の原作がまずいい。

主演の松岡茉優が初主演ながら、堂々とした、心変わりの激しい青春真っ盛りの演技。

あるあるずくしの青春コント集。

気まぐれに翻弄される青春そのもの。

どこまでが現実で、どこまでが妄想かわからないが、まさに的を射た青春物語。

松岡茉優の演技に喝采。


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「妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII」山田洋次監督作品

2018-06-06 16:23:23 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆☆ (劇場鑑賞)

山田洋次の「家族はつらいよ」第三作。

今回は、妻の反乱。

平田家に、コソ泥が入り、妻のへそくりが盗まれる。

昼寝していた、俺の給料をへそくっていたと夫になじられた妻が家出。

おばあちゃんも、腰痛で寝込んでしまい、男たちが家事を。

妻がいなくなって、初めてわかる妻のありがたみ。

子供たちまで、離婚の危機を憂うありさま。

そこここにちりばめられた小話のおかしさ。

手だれた山田節に酔ってしまう。

だが、解決は、あっさり。

要は、お互い、謝ることだ。

男社会が批判される世の中、時宜を得たテーマだ。

兄、姉、弟、三人の夫婦のアンサンブル。

一方、父親は、ゴルフ仲間のお医者さんの助けを借りて。

中盤、義理の弟に諭され、嫁を迎えに行く長男。

雨が突然降ってきて、映画らしい、和解のきっかけだ。(うまい)

86歳の山田監督、まだまだ続くのか?

 

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