昨日の老人会で、会長さんが老婦人お二方に
「二人が腰を曲げて歩いていたのを見たや、ま、二人ともにごがじゅうだの。」と冷やかしていた。
にごがじゅう?なんだそれ?会長さん、どういう意味ですか?と聞くと、
「あんた知らんのんか、佐渡で生まれたんだろ。」とおっしゃる。知りませんねえ、初めてそんな言葉知りました。
隣に座っていたご婦人が、「ドングリの背比べってことだがや。どっちもどっちさ」と教えてくれました。ふうーーんん、おかしくて。掛け算じゃないのね。勉強になりました。
市でのこと。花屋さんにお客さんが、芍薬の花がもう3年も咲かない、どうしてかの、と聞いていた。その花屋のおじさん、
「ああそれはの、芍薬と百合にはむっさんこに肥料やらにゃあの。肥料大好きだから、むっさんこにやれや。」と言っていた。
むっさんこ、ねえ、ほんと、久しぶりに聞いた。聞いた途端、そのあまりな言葉に大笑いした。家に帰って父に報告すると、「無算」ということだ、と教えてくれた。計算がないということね。そういえば、ほかにも、「あのもんは、むっさんこだがな」とか使う。
普通の言葉でも、使い方が違う場合もある。
同級会で、友人が
「まあ、あのもんたちったら、○さんに馬鹿になっとったがねえ。」と、思い出話になった。おバカの馬鹿ではないのよ、夢中になっていたという意味で・・・
母が転院するとき看護師さんは、
「寒くないから、そんなにトコトコ着せんでもイイですが・・・」
トコトコ歩くは分かるけれど、いっぱい、という意味で、トコトコは普通使わないよね。
本当に方言は面白い。夫も佐渡出身だから、普段でも、佐渡弁は出るが、地元にいるとやはり違います。
友人は孫が「ぜんめえ」と言うといって嘆く。今時、ぜんめえなんて誰も言わないよね、と嘆く。一緒にぜんまい採りに連れて行ってくれる年寄りの言葉を真似するんだって。大笑いしたけれど、いいじゃないの、そうやって言葉は受け継がれていくのだから。
私も言います。「佐渡に遊びに来いっちゃ。はよ来てくれっちゃ。」
ちなみに佐渡の「ちゃ」は飲めんちゃ、で。たいていの動作言葉の後に「ちゃ」を付けますから・・・
では、「また会わんかっちゃの。」