なんたって、出会うと開口一番「生きとったか!」
と小憎らしい一言をぶつけるワタナベサン。
さらに「類は友を呼ぶ」とか言って、奇人変人同士の出会いの喜びを捻じれて表現するのよ。
今年も6日が初対面。薬局談義。
「目がかすんで見えにくい。俺はもうすぐいくな」と言うから、
「いいじゃないの、もうそういう場所見つけてあるんだからさ」と暴言。
話はあちらこちらに及んだけれど、
何といっても、「自分は小さくなって生きているんだ」というから、信じられない。
もう好き放題の言いたい放題の人なのですから。
「おめえは、目ん玉と脳みそがつながっとらせんから、バカだって言うんだ」
なんて平気で言う人ですから。
(オオイワカガミの紅葉)
そんな人が、
「俺ぐらい虫を飲んでいるもんはおらん」
「えっ?!」
聞いてくれ、と、11人兄弟である自分の長姉の話。
うん、なるほど、そりゃあ大変なお姉さんだ。虫も飲まなきゃあいかん。
で、そんなワタナベサンが、
「小言は一晩おいて」って言うだろ、と言うから驚いた。
うーーんと唸る。
その場で血が上ったことを言うたら取り返しがつかなくなるだろ。
一晩おきゃあ、少しはおさまるねか。言うこともおとなしうなるわさ。
男は特にそうだ、決定的なるがさ。女は単純だから言うてもいい。
だからの、難しいことは女に言わせるんだ。
それで喧嘩になったら、男が出て行って謝ればいいがさ。
なんだなんだ、ワタナベサン、口が悪いだけじゃないんだ。
私もこれから真似しようと深く感じ入った。
感じ入る話も終わって「さて、これから朱鷺でも見に行こうかな」と言うから、
「私、噂になってもいいから、助手席に乗せってくれない?」と頼むと、
「馬鹿げな、誰が行くかさ。おめと行くとトキも逃げるが」だって。
ああ、やっぱりこれがワタナベサンだ(ーー゛)