はい、そうです。暇、なんて言わせなかったのは父です。
8日、金曜日、夜中に入院しました。
布団に入って、何かでむせて咽ようがすごかったので、もどしてしまいました。
シーツだのパジャマだの一式とっかえ、さて寝ましょうと再度布団に入ったら。
しばらくして階下から変なもの音がします、するけれど、なんたって築数十年、音はどこからでもしますからほっておきました。20分くらいかしら。
どうも気になるので下に降りてみると、あれま、父が呼吸困難、その呼吸音だったのです。
おまけに寒いっていうから、もう四の五の言わせず救急車。
結局、誤嚥性の肺炎。
ほんの少し影がある程度、軽症で済みました。ここが鉄人の所以です。
抗生物質入りの点滴をするだけで、ご本人はいたって元気でした。
「父さん、はよ退院してもうひと旗あげんならんねえ」なんて励ますと、
「大台まで行くから」
と言うから、五黄の寅はどこまでも恐ろしくて。
父は、なーーんもすることなく暖かい病室のベッドで寝たり起きたり、文句言ったり。
私は、明けて土曜日2時ころ帰宅してから、頭がぼおっとして、疲れているのに寝られなく、その後も病院に行ったり来たり。
おまけにさっさと寝ようと思った夜には、TV「二本の木」を見て涙流したりで忙しかったわ。
父の要望で電気カミソリを買いにバスで国仲の電気店まで行ったついでに、近辺の寺神社巡りまでしちゃって、月曜日も公私ともにわざわざ忙しくして。
昨日なんて、父の代理で老人会新年会まで参加してきましたよ。
父の予定に合わせて日を決めてくれたのですから、ここで欠席なんかしたら女がすたる。
三味線に合わせて佐渡おけさから相川音頭、両津じん句まで民謡歌いまくり、おまけに2回も。
お風呂に入って昼の宴会。冷たい昼のビールがうまかったからいいけれど。
洗濯と皿洗いは俺だという高齢おじさんが、
「1枚でも皿を少なくしようとしてさ、お前はそっちから食え、おれはこっちから食べる」って。
私は体二つ折り。これが笑わずしてどうすりゃあいいさ。ね。
そうかと思うと、高女さんは、
「あのもんと私はおんなじ年に生まれとるけど、あのもんは、私はわあけえから80だって言うんだや、私はの90だかと思うとるけど・・・」
えええ?どっちですか?
「そう言えば面白うていいじゃないの」って煙にまかれる。
新年会で年寄りの奥深さを学んでまいりました。
こうなると、ま、父の代理もまんざらでもなかったり。
そんなこんなで、大荒れの今日、夕方には無事退院。。
ショートステイでも何でも行ってよいと医師の許可が出たので、一安心です。
老夫婦 いたはり合ひて 根深汁
高浜虚子