昨日に引き続き土曜市での話。
桜か梅かと賑やかにやっていたら、店番のおひと方が、
「この間、病院のK先生がうまいもんやに桜探しに来てさあ」
と、話し出しました。
「奥に1本残っとったから、それをささっと持って行ってさ、お金いらんからって持ってってもらったんだけど・・・」と続けます。
それがうちのくさった桜だったんだが、と物知りさんがちゃちゃを入れて。
「その桜どうしたと思う?」
とおひと方は思わせぶり。
「それがね、患者さんに桜を見てもらいたいからって届けに行くところだったんだって。そのもん、3日後に死んでしもたって話だよ」
医師というお忙しい身でありながら時間を割いて桜を探す。
佐渡ではまだ花開いていない桜を探す。
ご自分みずから島の東海岸の患者さんの自宅に届ける。
なんのてらいもなくまっすぐに行動する。
なんだか胸がじんとくる話。
いい先生だねえ、今度その先生に診てもらお、とおばさんたちが盛り上がったことはいうまでもありません。
そのK先生には1月入院時に父がお世話になったから存じ上げている。
「入院はなるべく短くしましょう」
そのお言葉だけでもう無条件降伏。
そんなお若いドクターに心からのプレゼント。