『ぼくに炎の戦車を』
苦節何年かのツヨシクン舞台初観劇。
10日昼観劇だったけれど、いまだに余韻に浸っているのよ。
でも、観劇後の感想なって何をどう書いてよいのやら皆目見当つかん。
ま、しょせん、役者なツヨシクンを観たかったのでツヨシ目線でしか書けん。
赤坂actシアターロビーは花で溢れかえっていたわ。当然のごとくツヨシクン関係が多い。共演者からの名前見つけると関係ないのに嬉しい、なんて変。
場内満員。
この日の観客はのりがよく、韓国の放浪芸一団男寺党の披露する芸と一体になって手拍子やら拍手やらで盛り上げる。
後半、淳雨役のチャ・スンウォンさんの綱渡り、場内かたずをのんで見守る中、往復とも1回で成功したときは、舞台の上の役者さんはじめ場内割れんばかりの拍手で。そこからクライマックスへ。
ツヨシクンって役者はほんとに不思議だ。
日本人の柳原直輝を演じ、主役のはずなのに。
男寺党の演者淳雨(チャさん)と二人の民族の歴史や憎しみや苦しみを越えた心と心を通い合す強い結びつきがストーリーの芯になっているはずなのに。
話はキャストほぼ全員のそれぞれのエピソードに強い光があたって。
香川照之さんはじめ、キム・ウンスさん、青木さん、成河さん、不夜城の女給、安寿さん、馬渕さん,etc。
それがまた皆さん熱演かつ芸達者で泣かせる。笑わせる。惹きつける。
っていうか、むしろこちらの方たちが物語の軸になってるんじゃないのと思うくらい。
だから、おい!ツヨシクンほんとに主役なんのか?って気分になるが、じゃあツヨシクンなしで成り立つかというと全くそうではない。
いくらそれぞれの星が強く光っても、月が光を放たないと、夜空が物足りないのと同じような存在な気がする。
中井貴一さんが三谷幸喜さんにぼやいたそうな。
いくらいい演技をしたとしても(あいまい)最後クサナギツヨシに持っていかれると。
そんな感じがぴったり。
舞台最後。直輝の、ウイリアムブレイクの詩を含む長台詞。
明日が、輝いている!
いつも胸に「炎の戦車」をだいて
たくさんの苦難と戦っていこう
100年後、200年後、
今日のことを笑って話せる日がきっとくる
未来は、すでにみんなの手の中にある!(引用)
この演劇のメッセージがストレートに伝わって来て。
温かいものが胸を満たしてきて。
不覚にも涙が出たわ。
3時間半の舞台。
日本人である私にとって苦いものがある台詞。
ハングルの字幕。
ハードルが高かった。
前半はやや退屈したが、後半、一気にたたみかけてきてあっという間に終わっていた。
皆さん、スタンディングオベーション。
カーテンコールのツヨシクンの可愛いこと。
チャさんとハグすると、チャさんにすっぽり抱かれるのよね。おかしくて。
もう1回観劇できることはまことに幸せ。