我が家の夕食は早い。
皆さんが「えーっ!」と驚くくらい早い。そんなに早くてどうする?と不思議に思われるくらい早い。
5時半過ぎには、暮れなずむ空や庭を見てささやかな晩酌を始めている。どう?
で、ささやかな量のお酒を飲んだ夫はすでに酔っぱらっていて、
「俺は幸せだ」と真顔で言う。酔っていても真顔。「幸せだ」と繰り返す。
「家に居って富士山が見られるもんな」
「春、夏秋冬、いつの富士山も見られるもんな」
「おっ、初冠雪」
「今日の富士山は、5合目まで雪だ」
幸せなこった。
そうよ、そんな家に居って富士山が見られるなんてところはないよ。
ありがたいと思わなくっちゃ。
しかも四季それぞれ見られるなんてさ、まあ滅多にないわ。
と、私も負けじと応戦する。
もう、おかしいのなんの。よくそんなこと考えつくわ。
なに、私の白髪頭を見てそう言ってんのよ。
きれいに染めたときは夏。
そろそろ白髪が見えて来たら初冠雪、秋ね。
ほったらかし状態になると5合目か7合目かとか言って冬。
一緒になって大笑いしている私も太っ腹の大物妻。
「そうだ教室の春の遠足はね、富士山を巡る旅だってよ」
と教えると、
「俺はそんなもん行かんでもいい、3秒で巡って来られるもんね。わざわざバスに乗らんでも行ける」
とこう来た。まあ、あちらこちらの皆様まことにすみません、可愛げがなくて。
でも、当のご本人は幸せなんだそうでお許しください。
ちなみに本日の富士山。
雪が降ってもすぐに溶けそうな微妙なところ。
あっ、夕食が早いと夜が長くて私はすごく居心地がいいのよ。
もうすっかりそのペースに慣れて・・・