この蒸し暑さはもう少し我慢すればいいのね。取り敢えずは今週末まで。
さて今回の2泊3日北東北縄文遺跡巡りのツアー、参加人数は19名。
超がつくくらい行動しやすい。集合時刻に遅れてくる人なし、それどころか
皆さん10分くらい前にバスの座席に座っているので即出発。おかげ旅館到着も早く
なったりして。目的がはっきりしているからお土産物屋に寄ることもなく。
メンバーはご夫婦が6組、女性同士が2組、お一人参加が3人。
バスの座席は2席をひとりでどうぞと言われて、お言葉に従うのは夫婦連れね。
女性同士はぴったり並んで座って。きっと積もる話があるんでしょうね。
最高齢のご夫婦、ご主人がなんと91歳というからそれはそれはと驚くわけ。
奥様もふさわしい年齢でしょうね、そのお二人が全行程、遅れることなく休むことなく
歩いて見学して好奇心旺盛。もうもう素晴らしいと感嘆してしまったわ。
たまたまお食事の時にお隣だったからそっと見ると完食、お夕飯も朝ごはんも完食。
赤ワインを注文されたりして。
お一人参加の一人の女性は、どうみても80代だと思う。
シャンシャンといの一番に歩く。竪穴住居の中を覗き込んでスマホ写真をパチリ。
坂道だって私より早く歩いて、ガイドさんの説明に耳を傾けて。
ひとりで何もかもの自分管理でツアーに参加できるその行動力に刺激を受けたわ。
三内丸山遺跡のボランティアガイドさんは85歳ですって。
もう長年やってらっしゃるんですって。
そのお年であの蒸し蒸しとする暑さの中を団体さんを引き連れてガイドされるなんて
すごいこと。いくら好きで張り合いになってやりがいのあるお仕事とはいえ、
並大抵のお気持ちでできることではない。ただただ尊敬して感謝するのみだったわ。
ほんとに分かりやすく簡潔に興味を引く説明だったのよ。ま、それまでには泣きたい
くらいのこともあったっておっしゃってたけれど。文句を言われるのはまだいいんですって、
一番応えるのは黙ってその場を離れていく人がいることですって。そうよね、分かる気がする。
11時ころ集合場所を通ったらいらしたので聞くと、これから2度目のガイドをしてそれで
終わりだそうな。
3日間、我らを楽しませてくれたバスガイドさんは75歳ですって。きれいな方。
ま、お話の内容から70歳くらいかなとは思ったけれど、まさかの後期高齢者だったとは。
私の仕事はしゃべること、という通りそりゃあそりゃあずっとしゃべっている説明している。
私、そういうガイドさんのこと、今までなら失礼ながら少しは沈黙してよと思ってた
けれど、今回のガイドさん、いやあプロよさすがのプロ。
東北出身の石川啄木から始まり、寂聴さんが青空講和をしたお寺の道が見えてくると
瀬戸内寂聴の話をし、寂聴さんの定宿一軒温泉の効能の話、金木町が近づくと太宰治の
幼少時のエピソードを披露し、立佞武多(たちねぶた)津軽三味線、と次から次へとよ。
声がうるさくなくて間がいいからついつい引き込まれてしまったわ。
「私、いつもはお客さんを休ませないけど、今日は皆さん頑張ってたから休んでもらうわね」
と場の雰囲気を読んでその対処も的確。
家にいれば、いつも同じ顔を見て同じ話を繰り返し、イラついたりむかついたり笑ったりする
が、旅に出ればいろいろな人たちからさまざまな刺激を受ける。やっぱりいいな。
って、私は夫婦旅は今回が最後と固く決心したけどね。