ずっと以前にたまたま観て、そのユニークな視点が面白くて。
その番組が鈴木保奈美さんがMCをしているBSテレ東京「あの本、読みました?」
HP番組内容紹介文
毎週のように書店に通う人から、忙しくてしばらく本が読めていない人まで、
「新たな1冊」を手に取りたくなる本好きのための情報番組「あの本、読みました?」
「売り上げランキング」から「本の帯」特集まで、
今の本情報を横断的に、時にはマニアックに、本好きに刺さる情報を届けます。
この春から木曜10時のレギュラーなって、今や一番の心待ちにしている番組になった。
ユニークでマニアックなだけに、私の興味から大いにそれた時はちょい退屈。
ゲスト出演者は作家さんをはじめ、編集者、書店員さん等々多彩。
MCの鈴木保奈美さん、若かい頃のドラマは観たことないから彼女がとても新鮮に見える。
ずいぶん気さくな人で、人の懐にすぐに飛び込んでいき飾り気がない。率直な物言いといい
実に好感が持てるの。読書家で本好きなことがよく伝わってきて、生き生きとご本人が
番組を楽しんでいるの。ぴったりMCにふさわしいわ。
録画して見返している回は、カリスマ編集者が帯の魅力を語る《帯で分かる名作》という
本の帯を深堀りした回。
ほんと、帯はとても大事。私がお世話になっているコミュニティハウスは、貸し出し本に
ちゃんと帯を切り取って貼り付けてくれている。選ぶ基準になってたいそうありがたい。
で、放送はずいぶん前になるけれど、その回の印象に残ったところを取り上げて番組の
つまみ食い。つまみ食いだから、私の独断と偏見で切り取って。
つねづね帯は誰が作っているのか、それ専門の人がいるのだろうと思っていたけれど。
帯を編集者が考えて作っている、なんてまるで想像していなかった。
帯を作る編集者、その思いとはと番組は進んでいく。
ミリオンセラーの帯や名作の帯。「帯は本の信頼に結び付く」から重要なポイントだそうで、
売り上げに直結するから編集者が全責任を負うという。
で、まずは出演編集者が語る帯のこと。
こちらを取り上げた幻冬舎の石原編集者の話。
「ふたり」が重要なポイントなんですって。「ふたり」は読者の信用を生むんですって。
でもう1冊、石原慎太郎の「弟」を上げていた。これも兄弟ふたり。ふたりね。
編集者の四本さんの話 単行本の時に読者の感想が鋭くて、文庫にするとき、それを何とか
生かすことができないかと考えて作った帯だそう。
《「人生で一番刺さった小説」との声続出》との帯を作ったとのこと。
石原編集者の感想は、「との声、続出」がいいって。
ずっと以前に読んでいて、番組見てで2回読んだけれど、2回とも私はちっとも刺さりませんでした。
女性の主人公にもその婚約者にも、何やってんだか甘ったれるんじゃないよ、なんて、ね。
ばあさんの感想、えらそうだわね。辻村さんは好きな作家さんだけれど、この小説はちょいと、よ。
講談社編集員の河北さん。
装丁と帯が一体化するようにと考えるとのこと。帯を巻いてどう見えるかを気にしているとのこと。
で、実は帯は初版の時そのままではなく、しょっちゅう何度も変えていくという。
『傲慢と善良』で見ると 映画化決定の前に前出の60万部突破の帯があって すでに4回。
『汝、星のごとく』の帯も ごらんのとおり幾通りもあったそう。
直木賞候補になったりすると帯は変わる例。 この帯が
が ↓のように変わる。私、この2回の帯で読んでみたくなったわ。影響力大。
四本さんは言う、直木賞にノミネートされるかどうか、書店担当者は次の帯を用意して
書店の近くで待機して、受賞すれば帯のまき直しをお願いするんですって。すごいよね。
で、何度も言うが帯は売り上げに直結する、目に見える形で直結する。たとえば
21年間で売り上げ16万部だったのが、2008年に帯変更したらたった1年で100万部売れたそうな。
ほんとびっくり、こんなにに変わるものかしら。編集者さんが必死になるわけよね。
POP王と呼ばれた元書店員さんがいちばん衝撃を受けた帯がこちら。
残念ながら本屋に行かなくなった私は目にしていない。
黒という色、「すべてが伏線」というキャッチフレーズ、書店員さんはシビレタだろうって。
帯を見て追加した書店員がいっぱいいると思います、ですと。
インパクトがあり、そして売り上げ部数が上がるという結果を残している。そういうものなのね。
保奈美さんは「お客様に届ける前に書店員さんが目にするわけですね」と感心する。
書店員さんはものすごく感が冴えていて、一見しただけで売れると分かるそうな。
だからの「本屋大賞」
この本は先の河北さんが担当。考えすぎて煮詰まってどうにもならなくなって、
営業部署さんに知恵を借りたら「すべてが、伏線。」でいいんじゃない、と言われて。
面白いわね、そんなもんなのかと決定することがあるんだから。それがヒットするんだから。
で、印象に残った帯。石原さんは下記の2冊。
噂好きにはたまらないだろうと。私も噂好きとしてこの帯でやはり読んでみたくなる。
「誰が引き金を引いたのか?」のキャッチコピーで、ゴッホは自殺したのじゃないのかって
疑問を抱いて読んでみたくなるじゃないかと。
はい、その通りで。まんまと乗って「ゴッホは自殺したんだはずよね」と思いつつ読みました。
河北編集者 「女子が男子に読んでほしい恋愛小説NO・1」
と言われればそりゃあ男子は読むでしょう、ですって。
ばあさんは、それだからパスするわけよ、とひがんだりして、の帯。
でもでも、帯を参考に本を手に取っているけれど、時には私にとって邪魔になることもある。
青山美智子さん、大好きで、心温まる小説は外れがないと信じているからすぐに手に取る。
そういう時は帯はいらない。むしろ、挿画を全部見たいから、まったく、なんてほざく
ときもあるの。
帯ひとつで番組を作っていくのだから、BSテレ東「あの本、読みました?」癖になる番組だ。
昨晩は『東大出身直木賞作家 小川哲 の頭の中』録画してあるからゆっくり観ようと。
小川哲さん、「君のクイズ」は面白かったものね。楽しみ。
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