Maria Callas Diary

着物・ドール・お料理・お家・家族など、日々のことを日記として書いています。

いよいよ舞台本番です / 別誂えの訪問着がやっと着られました / 旧古河庭園の秋薔薇

2012-10-21 22:18:38 | 日舞&三味線
今朝は秋晴れの良いお天気降水確率0%で、絶好の舞台日和でした。
舞台自体は屋内なので私達は雨でも晴れでもあまり影響はないのですが、
やはり見に来てくださる方がいる限りは、晴れるにこしたことはありません。

朝は6時半に起きて、時間に余裕を持って、ゆったりと身支度を整えました。


今日は待ちに待った別誂えの訪問着の登場です春から準備を始めたこの
着物をやっと着られる日が来て、朝からテンションはあがりっぱなしでした
柄は抑えた色使いなのに、地色の美しさと友禅や金彩の見事さで、本当に
「豪華」という言葉の似合う着物です

こちらの訪問着については今までの記事をまとめたものがありますので、
こちらをご覧くださいませ

今回は舞台衣装として着るので、帯は舞台映えのする派手目のものを
合わせました。お茶会や式典などでは出来ない組み合わせなのですが、
こういった場であれば華やかになって良いと思います


着物は細かな七宝の地模様のあるとても綺麗な淡い支子色の縮緬地に、
抑えた色使いで大き目の束ね熨斗をメインに、牡丹・菊・梅・松・藤など
四季の花々が描かれ、熨斗の中にも青海波・亀甲・宝尽くし・観世水・
菊桐など、吉祥柄が細やかに描かれ金彩が施された、別誂えの訪問着。
伊達衿は着物の柄から色をとり、橙色を合わせました。

帯は白地に大きな糸巻きが控えめながらもカラフルな色使いで織り出され
た可愛いもので、山口伊太郎氏が創業した西陣の名門「紫紘」の袋帯。
帯揚げは伊達衿に合わせて橙色の総絞り。
帯締めは全体を引き締めるように、赤い礼装用の平組を。


いつもは自分の写真をあまり掲載しないのですが、今回の訪問着は着姿を
楽しみにしてくださっている方がいらっしゃったので、掲載してみました。
写真では少し色が淡く写っていますので控え目に見えるかもしれませんが、
実物はもう少しはっきりした色で、かなり豪華です

朝食を済ませ、夫に駅まで車で送ってもらって、会場へ向かいました。


今日の舞台の会場は代々木に建つとあるお寺です。お師匠さん方に縁の
あるお寺で、第一回目からこちらで開催させて頂いています

楽屋で直前まで練習をしていると、三味線以外の荷物を持った夫が楽屋に
来てくれました。舞台の時は荷物が多いので、車で来てもらえると本当に
助かります


夫が舞台のお祝いということで、素敵なお花をプレゼントしてくれました
お寺だから洋花は似合わないだろうと言って、わざわざ銀座にある和花の
専門店「司」さんで、日本の野の花だけを集めたアレンジメントを注文して
くれたようです

野の花のアレンジメントなんて珍しいですし、とても可憐で素敵ですね
どれが何という名前のお花なのか、今度お茶のお師匠さんに写真をお見せ
して、お話をお伺いしてみようと思います

お互い茶道を嗜んでいるので茶花に使うお花に興味があって、いつも緑の
豊かな土地に行くと、野の花を見てはあれやこれやと話していますので、
これなら喜ぶだろうと考えてくれたようでした。

家から銀座に行ってそれからまた代々木に向かうのはかなり面倒だったと
思うのですが、喜ばせようと思ってくれる心遣いが本当に嬉しかったです


そしていよいよ舞台本番の時間。
かなり緊張するかと思っていたのですが、既に一度流派の舞台で弾いた曲
だからか、今までのような緊張は全くなく、平常心で舞台にあがりました。
娘道成寺といえば、本来は少なくとも4丁4枚(三味線4人唄と4人)で演奏
するものですが、今回は小規模に3丁2枚での演奏になりました。

唄は2年前と同じく、私の大好きな芳村辰三郎さんが唄って下さいました
芳村伊十郎さんのお孫さんで、私のお師匠さんの同級生でもいらっしゃり、
忘年会でご一緒させて頂いたこともあるのですが、とても気さくでお優しい、
素敵な方です。もうお一方は、初めてお会いした女性の唄い方さんでした。



「花のほかには松ばかり~」の唄で始まった娘道成寺。下浚いをしていない
にも関わらず、お唄の方達は私の三味線にうまく合わせてくださり、夢中で
弾いて終わってみれば、お師匠さんから「とても良かった」というお言葉を
頂いて、多少の間違いはあったものの、全体的には流派の舞台よりも良い
演奏ができたような気がしています

聴いてくださった方も、「上手くなったわねぇ」とお声をかけてくださって、
夫も「ちゃんと上手に弾けてたよ」と言ってくれたので、ひと安心しました


自分の出番の後は他の方々の演奏をいくつか聞かせて頂きました。新橋の
芸者さん方や、有名な若手狂言師さんなども三味線で出演されていました。
その他にも銀座の老舗の旦那さん、日本舞踊の大きな流派のお家元さん、
浅草の芸者さんなど、色々な方が演奏・賛助出演された豪華な会でした

規模はこぢんまりとしていても、和のお稽古の世界は色々な繋がりがあり、
各界から驚くような方々が出演されることが多くあります。普段なら出会う
事の出来ないような方々とご一緒させて頂けるのも、素晴らしさのひとつ。
こうして生まれたご縁を大切に、自分の世界も広げていきたいです

本当は最後の曲まで聴いていたかったのですが、また少し体調が悪くなって
しまったこともあり、途中で帰らせて頂くことになりました夫が車で来てくれ
たのも、体調を気遣って、途中でも一緒に帰れるようにとの配慮からでした。

そのまま帰宅するつもりでいたのですが、ちょうど通り道だからということで、
数十分なら大丈夫だろうと、旧古河庭園の秋薔薇を見に行ってきました。




まだ薔薇は咲き初めなのかあまり沢山はありませんでしたが、やはり薔薇と
洋館の組み合わせは何度見ても素敵ですねもう少し早い時間に行けたら
洋館の中でティータイムが楽しめたのですが、すでに閉まっていました
今日は体調も良くなかったので、また改めて行ってみようと思います

帰宅してからは疲れ切ってしまって、着物を吊るして髪を洗ったら、もうすぐに
お布団に入りました。ちょっと無理をしすぎたようです…

沢山やりたいことがあるのに、体が思うようにならないってもどかしいですね。
早く体調がもとに戻ってくれるのを祈るばかりです


ゆっくりブランチ / 髪をセットしに美容院へ / お茶のお稽古 / 明日の準備

2012-10-20 23:47:59 | 日舞&三味線
いつも土曜日はお休みをして、日曜日にお仕事に行くことの多い夫ですが、
明日の私の舞台を見に来てくれるため、珍しく土曜日に会社に行きました。
お休みの日に仕事に行く夫を、ブランチを作って応援しました


卵と牛乳をたっぷりと染み込ませたふわふわ~なフレンチトーストをメインに、
じっくり焼いてオイルをかけたナスとマッシュルームと自家製パンチェッタ、
トマトに摘みたてバジルをのせたものと、フルーツ入りヨーグルトを添えて。

今朝は空気がとっても爽やかで、いつもは寝起きのあまり良くない夫ですが、
秋の空気と出来立てのブランチで、とってもご機嫌な朝を迎えられたようです。
「爽やかな朝、愛妻のつくる朝食…」と一人で悦に入っていました(笑)
喜んでもらえてよかったです

夫を見送ってからは自分の時間。明日の舞台に向けて、準備の一日です。

まずは午前中、母に新居まで来てもらい、明日着る予定の黄色い別誂えの
訪問着に合わせる帯や小物の相談に乗ってもらいました。こちらの訪問着は
新年にある初釜でも着る予定なので、その時にはまったく別の取り合わせに
なるよう、2種類の帯&小物を選びました

着物関係のものはほぼ新居に持ってきてしまったので、着物や帯や小物を
持って私が実家へ行くよりは、母に来てもらったほうがラクなのです。実家と
近いってこういう時に本当に便利ですね車で5分の距離に感謝

母が帰ってからはお化粧をして着物に着替えて、美容室へ行ってきました。
明日の朝だとバタバタしてしまうので、今日のうちに髪をセットしてもらって、
今夜一晩もたせるつもりです


今日の着物はかなり前から着ているものです。たしか学生時代「二十歳を
超えたのだからそろそろ嫁入りの準備を」と言われ、母に連れられ呉服屋
に行って訪問着・小紋・帯や小物など、かなりの量を誂えてもらったことが
あり、その時に作った小紋のうちの一枚です。

そのあともしばらく嫁に行かなかったものですから、独身時代からかなりの
回数着ている着物です。帯は結婚前に母から譲られたもので、母が20代
のころによくお茶のお稽古で締めていた帯だそうです。30年以上経った今
でもなんの問題もなく使えるところが、着物のすごいところですね


着物は少しくすんだ淡いピンクの縮緬地に、灰色の染め疋田で表現された
デフォルメされた菊模様と、桜のようなお花が描かれた小紋。
帯は錆朱の縮緬地に、銀糸で松竹梅の丸紋が織り出された名古屋帯。
帯揚げは白い綸子地に赤い絞りの輪出し。
帯締めはピンク~白のグラデーションになった組紐。ポイント柄入りです。

まずは美容室で、だいたいのイメージをお伝えしてセットしてもらいました。
いつも行っている実家の近所の美容室が和装のヘアが上手なのですが、
今日は残念ながら急遽お休みという事だったので、初めて行く美容室で
きちんとできるのか不安でしたが、スタイリストさんが頑張ってくださって、
すっきりしつつも可愛いアップヘアにしてくださいました

美容室を後にして、お茶のお稽古へ。
いつも夫と一緒に行っているので、お会いする方に「今日はお一人」と
聞かれてしまいます。もう2人で1セットのイメージなのですね(笑)

お稽古は大板を使った中置きの薄茶点前でした。先週お稽古させて頂いた
中置きのお点前とは柄杓の置き方が少し違う程度でしたので、今回は少し
スムーズにお点前ができました

お菓子は「きんもくせい」という銘の綺麗な色のお菓子で「伊勢屋」さん製。
お軸は「時雨洗紅葉(しぐれ こうようをあらう)」と書かれた短冊でした。
茶花はキツネノマゴ、水引き、刈萱、紫苑、釣船草が生けられていました。

お稽古が終わって帰宅してからは、適当にお夕飯を済ませて、時間のある
限り三味線の自主稽古をしました。3ヶ月前の流派の舞台よりも悪い演奏を
するわけにいきませんので…

夜になって大きな音を出すのが憚られる時間になってからは、明日の準備
に時間を費やしました。持ち物の整理やまきものの準備、着物の仕付け糸
をとったり着付けしやすいように畳の上に小物をセッティングしたり。

明日は6時半起きで準備をするので、今日はもう寝ます


本番前最後の三味線のお稽古 / お師匠さん方とちょい飲み

2012-10-19 23:34:25 | 日舞&三味線
今日は仕事が終わった後、三味線のお師匠さんが特別稽古をしてくださる
ということで、同門の子のおうちをお借りして、お稽古をして頂きました

本番前最後のお稽古。2回ほど通して弾かせて頂きましたが、まだまだ不安
が残る出来で、明日一日、苦手な部分を克服するために頑張ろうと思います

お稽古が終わってそのまま帰ろうと思ったのですが、お稽古場所を提供して
下さった同門の子にお誘い頂いて、お師匠さんと3人でお夕飯を食べに行き
ました。近くに素敵なおでん屋さんがあるとのことで、行ってみました


おしゃべりに夢中になってしまいこの1品しか写真を撮っていないのですが、
まるでカフェかバーのような素敵なお店で、ほとんどはカウンター席ばかり、
オーナーさんお一人で営業されていました。どのお料理も美味しくて、お酒
好きな人にはたまらないお店だと思います

私は体調が戻っていないので禁酒期間ですが、同門の子は美味しそうに
日本酒を飲んで楽しんでいました私も禁酒期間が明けたらまた来たいな


【小紋の別誂え(フルオーダー)に挑戦】《送り見本編》

2012-10-18 23:54:39 | 着物
先日から始まった小紋の別誂え(フルオーダー)ですが、最初に書いて
頂いた図案を元に、「送り」の見本を作っていただきました

小紋は通常、1尺~1尺8寸(約38~68cm)の長さで同じ柄のパターンが
繰り返されるものなのですが、そのパターンを「送り」といいます。

今回はフルオーダーですので、一反にどのくらいの量の柄を染めるのかも
自分で選ぶことができるため、図案が決まった後に、柄の配置や大きさを
決める「送り」の図案を作って下さいました

最近は柄が小さく量も少なめにした小付けの飛び柄小紋が多いようですが、
あまり柄が少ないのも無地場が多すぎて寂しいということで、プロのご意見
をお伺いして、一反で60個の柄を入れて頂く事になりました


一反は約12mですので、60個だと1mあたり5個の柄が入ることになります。
こちらの送り見本は柄が5個ですので、約1mで一つのパターンということに。
詰まり過ぎず空きすぎず、ちょうど良い配分だと思います

図案と送りのパターンが決まったので、次は生地を決める事になるそうです。
色々な生地を取り揃えていらっしゃるようなので、選ぶのが楽しみです


人形町今半のお弁当 / 三味線の舞台の「まきもの」

2012-10-17 23:51:36 | 日舞&三味線
今日のランチは頂き物をして、ちょっと贅沢なお弁当を食べました


「人形町今半」さんの季節のお弁当「金の錦」です。
上の段は松茸入りのすき焼き、天ぷら、焼き魚、茄子の焼き物、卵焼き等。
下段は野菜の炊き合わせ、菊を混ぜ込んだ菊型のご飯、炊き込みご飯、
香の物、フルーツが入っていて、とっても豪華な2段重でした



人形町今半さんの季節のお弁当は何度か頂いていますが、今回のものが
一番内容が充実していて良かったと思います

美味しいごはんを食べて、午後もお仕事を頑張りました



週末にある三味線の舞台のために、来てくださった方にお配りするお礼の
「まきもの」を用意しました。9月の日舞の舞台のときに使わせて頂いて
とても良かったので、神楽坂の「梅花亭」さんの別の商品を選びました


秋らしいものということで「秋ごよみ」という2種類の干菓子を用意しました。
一つは栗を模した砂糖がけのビスケットで、昔からよくある「動物ヨーチ」の
栗型バージョンといった感じです

もうひとつも同じく「秋ごよみ」という商品名ですが、こちらは紅葉を模した
おかきと、茶系を中心とした秋色のおこしが入ったものです。どちらもあまり
好き嫌いがないと思うので、喜んで頂けたらいいな

こうしてまきものを準備するようになると、嫌でもいよいよ本番間近なのだと
実感しはじめます。今回は思ったようにお稽古ができなかった上に、下浚い
に出ることができなかったのでぶっつけ本番になってしまいますが、一度は
大きな舞台で弾くことができた自分を信じて、がんばろうと思います