Maria Callas Diary

着物・ドール・お料理・お家・家族など、日々のことを日記として書いています。

【帯の別誂え(フルオーダー)第4弾・絽】《友禅編》

2014-05-26 22:25:34 | 着物
絽の小紋と一緒にお願いしていた白地の絽の名古屋帯も、地色染めが終わって、
友禅を挿す作業に入っています


白地と言っても生地白ではなくて、少しだけアイボリーがかった色合いの地色に
染めて頂いています。真っ白も爽やかなのですが、こういう古典的な柄の帯には
真っ白よりも少し優しい地色が似合います

こちらは小紋よりも先に地色の染めは終わっていたのですが、小紋の友禅挿しが
ある程度進んでから合わせてみてもう一度色の確認をしたかったそうで、少しの
間作業がとまっていたのだそうです



小紋と合わせた結果もともと胡粉で白く仕上げる予定だった菊青海波に、小紋の
地色に近い空色で、染め疋田を少し加えることになりました

小紋に合わせてこうした調整などのご対応をして頂けるのも、別誂えならでは。
帯と着物がチグハグになることがないので、本当に助かっています

どんな出来上がりになるのか、とっても楽しみです


「東をどり」を見に行ってきました(千總・水色地御所解き柄小紋)

2014-05-25 23:20:35 | 京都花街
今日は出産以来初めての、家族行事・お茶会以外での着物での外出です

西が「都をどり」なら東は「東をどり」ということで、新橋芸者衆の晴れ舞台、
「東をどり」を見に新橋演舞場へ行ってきました


毎年都をどりを見に行くのには、前年に新しく仕立てた千總の小紋を着て行って
いたのですが、今年は都をどりを見に行けなかったので、この東をどりで着物を
おろすことにしました


去年作った卵色の「竹に福良雀」柄の千總の小紋は、去年の東をどりでおろして
しまっていたので、今年は先日仕立てあがってきたばかりの水色の御所解き柄の
千總の小紋にしました。春~夏になると水色が着たくなるのは、綺麗な空の色の
せいなのでしょうか


着物は落ち着いた水色のサラっとした縮緬地に、朱色をポイントカラーとして、
抑えた色合いで御所車をメインに御所解き柄が描かれた、「千總」の総柄小紋。
帯は地紋があるすっきりとした白地に、優しい色使いで大きめの華七宝柄が織り
出された唐織の名古屋帯で、私の大好きな西陣の老舗「藤原織物」のものです。

帯揚げは菱形の地模様のある白い綸子地に、ピンクで葵柄が表現された輪出し。
帯締めは着物の色に合わせて、水色地にピンクのポイントカラーがある組紐を。



今日も新橋演舞場はたくさんの着物姿の方がいらして、とっても華やかでした
パンフレットを購入して、ロビーで皆様の着物姿に見とれつつ、まずはお茶席へ
お邪魔しました


今日のお点前は君二郎さん。以前、ちよ美ちゃんのお披露目会にも着て下さって
いた芸者さんです。半使は千代奈さん。もしかしたらちよ美ちゃんと同じ置屋の
子なのでしょうか今度聞いてみようと思います。


今年のお菓子はとらや製の「菖蒲饅」。毎年違う華やかな小箱に入っているので
今年はどんなデザインかなとワクワクします




ちょうどお茶席が空いているときに入ることができたので、君二郎さんの堂々と
したお点前と、千代奈さんの初々しいお運び姿を、ゆっくり拝見できました


お茶席をあとにして客席へ移動。ちよ美ちゃんがとても良い席を用意してくれて
いたので、前から8列目のど真ん中という、一番見やすい席でした


東をどりは今回で90回目という節目の年にあたるため、一番最初は「青海波」と
いうご祝儀舞が舞われました。波に様々な貝殻が描かれた色違いの着物を纏い、
ご祝儀らしく格調高い踊りでした。のりえさんの立役は恰好良かったです

始まってすぐではありましたがここで30分の幕間。ロビーにご挨拶に出ていると
思っていたちよ美ちゃんが出ていなかったので、出番前ではありますがご挨拶を
しに楽屋までお伺いしいました


ちょうど床山さん(カツラ担当の方)のお部屋から出てきたちよ美ちゃん。出番
直前の忙しい時間なのでささっとご挨拶だけ済ませて、客席に戻りました。


二幕目以降は「にっぽんの四季」と題して、春・夏・秋・冬のそれぞれの時期を
テーマにしたストーリーが組み立てられていました。その前にプロローグとして
3人の芸者さんが桜の枝を持って踊るのですが、そこにちよ美ちゃんが登場

まだ2年目なのにこの3人しか出られない場面に選ばれているなんてさすがです。
この1年でまたぐっと上手になった踊りを間近で見せてもらいました


春の場面は秀吉の「醍醐の花見」をテーマにしたもの。桜花の舞い散る春爛漫の
景色の中、北の政所や淀君や千姫とともに花見に興じる秀吉の姿を描きます。


夏の場面は「滝の白糸」をテーマにしたもの。舞台の上でも実際に水を使って、
滝の白糸の水芸を披露していました。少し暑くなるこの時期に、目でも涼しさを
楽しませてもらいました


秋の場面は「陸奥の旅」と題し、東北地方の民謡をいくつも取り込んでいます。
ここでもちよ美ちゃんは選ばれた数人のみでの花道での踊りを披露しています


冬の場面は「夜の梅」をテーマにしたもの。役者藤十郎と幼馴染の料亭のお内儀
お梶の艶やかなやりとりを踊ります。


そして最後には、華やかな黒紋付きのお引きずりに身を包んだ芸者衆による毎年
恒例のフィナーレで幕を閉じました

芸者さんたちの華やかな姿と踊りを拝見して、久しぶりに伝統芸能の世界に浸る
ことが出来た、とても素敵な一日でした

見ているとうずうずしてきて、やっぱり踊りも三味線も大好きだなぁと再認識を
してしまいました。早くお稽古に戻れる日が来るといいな


お菓子作り【チェリーのアーモンドクランブルタルト】 / お茶のお稽古 / おうちごはん(イタリア料理教室の復習)

2014-05-24 23:15:57 | おうちごはん
今朝も少し早めに起きて、お菓子作りに勤しみました。今回のお菓子は昨夜から
仕込みをして、少し手間をかけて作っています


昨夜から仕込みをしたのはこちらのチェリーのコンポート。この時期にたくさん
出回るアメリカンチェリーを使って作ります。まずアメリカンチェリーの枝と
種を取り除きます。私は十字に切り込みを入れ、楊枝を使って種を取りました

お鍋にチェリー・砂糖・レモン汁を入れて1時間ほどそのまま放置します。別の
お鍋に白ワインを入れてアルコールを飛ばしたら、チェリーのお鍋に移します。
弱めの中火で煮ながらアクを取りつつ、チェリーが柔らかくなるまで煮ればOK


次はタルト生地を作ります。ボウルにバターと砂糖を入れてすり混ぜて、卵黄と
バニラエッセンスを加えて混ぜます。薄力粉とアーモンドパウダーを振るいつつ
入れたら、粉が残らないように混ぜてひとまとまりにして冷蔵庫で寝かせます。

ここまでを昨夜のうちに仕込んでおきました。今朝はバターを塗った型にタルト
生地を敷き詰めてフォークで穴を開け、180度のオーブンで12分焼くところから
スタートしました

次はクランブル生地を作ります。ボウルにバター・砂糖・アーモンドプードルと
薄力粉を入れて、手でバターをすり潰しながら混ぜてそぼろ状にします。これは
焼くまで冷蔵庫で待機しておきます。


最後はアーモンドクリームを作ります。ボウルにバターと振るった粉糖を入れて
すり混ぜて、溶き卵を数回に分けて加えて良く混ぜます。アーモンドプードル・
薄力粉を振るいながら加えて、均一になるように混ぜるだけで終わりです。



しっかり冷めたタルトにアーモンドクリームの半量を敷き、その上に水気を良く
切ったチェリーのコンポートを敷き詰めます。残りのアーモンドクリームを上に
乗せ、表面を綺麗に均します。最後にクランブル生地を乗せれば準備完了


180度のオーブンで40分ほど焼けば完成です。完全に冷めたら粉糖とチェリーを
使って飾りつけをすれば終わりですが、先に飾り付けると食べるころにはあまり
綺麗でない状態になってしまうので、飾り付けは食べる直前に

少し時間を置いて食べるほうが味が馴染んで美味しいので、ディナータイムまで
冷蔵庫でしっかりと冷やしておきます

午後からは娘を連れてお茶のお稽古に行ってきました

今日のお稽古は「大蓋」と呼ばれる平たい水差しを使った薄茶のお点前でした。
夏にはこうした水差しを使って水がお客様に見えるようにして、少しでも涼しく
感じてもらえるような工夫をします

お菓子は「六時屋」製の「タルト」。タルトとは松山の郷土菓子で、カステラの
生地を使って餡を巻いて作られたロールケーキのようなものです。

お軸は「本来無一物(ほんらいむいちもつ)」という禅語が書かれた墨跡です。
茶花は開きかけのピンクの芍薬が活けられていました。

帰宅してからは早めに娘を寝かしつけ、ディナーの準備を開始。今日は、先日の
イタリア料理教室の復習メニューです


前菜はナスのポルペッテ。塩コショウをしっかり効かせて、お酒のおつまみにも
合う味付けにしました。チーズの風味が食欲をそそるようで、夫も美味しいねと
言いながらパクパク食べてくれました


今日のお料理に合わせて夫が用意してくれたワインはこちら。アンリ・ボワイヨ
という白ワインです。深い森のような、白檀のような香りのするワインでした



パスタはトゥルバンテ。作る過程を見ていた夫が「とても手が込んでいるお料理
だね~」と言って関心していました。手をかけただけあってとても美味しく出来
あがったので、こちらも喜んでもらえました。おもてなしに良さそうな一皿


メインはカルトッチョ。材料を紙に包んでオーブンで焼くだけのシンプルなもの
なのですが、それぞれの具から美味しいダシがしっかり出ていて、底に溜まった
スープがとっても美味しいのです


デザートはチェリーのアーモンドクランブルタルト。白ワインをたっぷり含んだ
コンポートがサクサクの生地に良くあって、とても美味しかったです。作るのに
かなり手間のかかるお菓子ですが、それだけの価値はありました


食後はお茶を飲みながら久しぶりの映画鑑賞です。今日は「インポッシブル」と
いう映画にしました。10年前に起きたスマトラ沖地震による津波に巻き込まれた
家族の実話を元にした映画で、離ればなれになった家族が奇跡的に再会できる、
というお話なのですが、最後のほうはもう泣きそうになってしまいました

娘が生まれる前に見ていたら、また違う感想を持ったのかもしれないのですが、
今この映画を見ると主人公家族の母親の気持ちが良くわかります。なんとしても
子供だけは助けたいという気持ち、体中に重傷を負っていても子供だけを残して
自分が死ぬわけにはいかないという気持ちなど、映画の母親の気持ちに入り込み
すぎてしまいました

今日はお稽古に行ってゆっくり食事をして映画を見て、とても良い一日でした


【付下げの別誂え(フルオーダー)第2弾】《生地選び編》

2014-05-23 23:15:07 | 着物
先日図案が確定した別誂えの一つ紋付き付下げですが、今回も京都にお伺いする
ことが出来ないので、メールで生地の画像をいくつかお送り頂きました。

こちらで扱われる生地はいずれも白生地の名門「伊と幸」さんのもので、図案を
見ながら伊と幸の担当さんと公庄工房様がその着物に似合うものを数反選んで、
それを見せてくださいます。

今回お送り頂いたのはこちらの4反です。



この2反はどちらも地紋のない生地で、照りも少なく、落ち着いた仕上がりになり
そうな生地です。それだけに織り上がりの良さ、地染めの美しさ、図案のセンス
などがはっきりとわかってしまいそうですね。


こちらは細やかな紗綾型の地模様がある生地。それなりに艶はありますがあまり
強すぎず、落ち着いた付下げにも使えそうです。


こちらは前回水色の付下げを作って頂いたのと同じ生地。あまり主張が強くない
ながらも優しいアクセントを添えてくれて、気に入っている生地です。

四番目は使ったことがあるので無地と紗綾型で悩んだ結果、今回は紗綾型地紋の
生地を使って頂くことにしました。

実は今回の着物にはイメージのベースとなった振袖があり、その振袖に使われて
いた生地が艶のある大きめの紗綾型地紋だったので地紋のある方を選びました。

これで図案も生地も決まりましたので、仮絵羽~下絵の作業に入りながら、平行
して地色を決めていきます。

今回は裾濃ぼかしに初挑戦するので、ベースとなる地色と裾に使う地色の2種類を
送って頂くことになります。どんな色が届くか、楽しみです。


【小紋の別誂え(フルオーダー)第5弾・絽】《友禅編》

2014-05-22 23:10:36 | 着物
春先から別誂えをお願いしていた水色の合わせ貝柄の絽の小紋ですが、先日地色
染めが終わって、現在友禅を挿す作業に入っているようです


地色はとても爽やかな明るい水色に染めて頂きました。夏にはくすんだ色が多い
着物ですが、水色ならこういうクリアな色のほうが爽やかに感じる気がします

貝の中に描いている花は初夏~初秋の花だけですし、柄に使う色なども限定して
頂いているので、古典な合わせ貝の柄でも夏らしく涼しげに仕上がりそうです

この色柄なら帯を少し改まったものにすれば、ちょっとしたお呼ばれくらいには
着て行けそうですね。絽の織名古屋帯でそういう場所に着ていくのに合うような
ものが一本欲しいなぁと考えている今日このごろです