先日ご紹介したマンデルブロの「禁断の市場」を昨日一気に読みました。
注釈されていたとおり、この本を読んでも億万長者への道が開ける訳ではありませんでした。(それを密かに期待していたのに)
しかし、現代の金融工学が未だにビジネススクールで必須科目として教えられている、その頑迷さを、その源流の始祖たち、バシェリエ(ランダム・ウォーク・モデル)、マーコヴィッツ(ポートフォリオ理論)、ブラック&ショールズ(オプションの公式)の物語を通して理解し、今回の金融恐慌を招いた理論的脆弱性は十分に理解できました。
天動説と地動説をめぐる物語にしても、中世のキリスト教を巡る正統と異端の物語にしても、一旦世の中に広く認知された主流の理論や思想は、それに反する事実が数々出てきても、それを補強する新理論・思想が丁寧に紡ぎ出されて、一気に新しいそれへと移行しないことは、科学哲学の先駆者のクーンによっても立証されていたところですが、その好例が現代金融工学の歴史にも宿っていたようです。
金融デリバティブ商品の典型であるCDSにしても、リスクヘッジのためどころか、単なる投機(社債などの債権を持っていなくても買い方になることが出来る)で保険をかけまくり、これで安心とばかりに毒饅頭をたらふく食べたところ、全員が中毒症状を起こして瀕死の重体になってしまったのが、現代金融工学理論の帰結だったという訳です。
保険というのは、いざ健康を害した時の治療費の一部を賄うのが本筋であって、保険をかけたから暴飲暴食なんでもござれと考えるのは本末転倒でした。その保険商品の本家本元のAIGが、暴飲暴食の「博徒」に喰い殺されそうになってしまったのが、何とも皮肉な事態でした。
ここは、あのボーイングを開発したアメリカが、何故「ロバストネス」を現代金融工学の開発段階で設計思想として組み込まなかったのか、些か不思議な気がします。学問の背理か?
ボーイングのジェット機に組み込まれた「ロバストネス」の仕組みが、現代金融工学に取り入れられていたら、今日の悲劇を招かなかったものと思います。
注釈されていたとおり、この本を読んでも億万長者への道が開ける訳ではありませんでした。(それを密かに期待していたのに)
しかし、現代の金融工学が未だにビジネススクールで必須科目として教えられている、その頑迷さを、その源流の始祖たち、バシェリエ(ランダム・ウォーク・モデル)、マーコヴィッツ(ポートフォリオ理論)、ブラック&ショールズ(オプションの公式)の物語を通して理解し、今回の金融恐慌を招いた理論的脆弱性は十分に理解できました。
天動説と地動説をめぐる物語にしても、中世のキリスト教を巡る正統と異端の物語にしても、一旦世の中に広く認知された主流の理論や思想は、それに反する事実が数々出てきても、それを補強する新理論・思想が丁寧に紡ぎ出されて、一気に新しいそれへと移行しないことは、科学哲学の先駆者のクーンによっても立証されていたところですが、その好例が現代金融工学の歴史にも宿っていたようです。
金融デリバティブ商品の典型であるCDSにしても、リスクヘッジのためどころか、単なる投機(社債などの債権を持っていなくても買い方になることが出来る)で保険をかけまくり、これで安心とばかりに毒饅頭をたらふく食べたところ、全員が中毒症状を起こして瀕死の重体になってしまったのが、現代金融工学理論の帰結だったという訳です。
保険というのは、いざ健康を害した時の治療費の一部を賄うのが本筋であって、保険をかけたから暴飲暴食なんでもござれと考えるのは本末転倒でした。その保険商品の本家本元のAIGが、暴飲暴食の「博徒」に喰い殺されそうになってしまったのが、何とも皮肉な事態でした。
ここは、あのボーイングを開発したアメリカが、何故「ロバストネス」を現代金融工学の開発段階で設計思想として組み込まなかったのか、些か不思議な気がします。学問の背理か?
ボーイングのジェット機に組み込まれた「ロバストネス」の仕組みが、現代金融工学に取り入れられていたら、今日の悲劇を招かなかったものと思います。