
この前に納めた1P60YMJなんだけどパワーフィールは文句無く大変気に入っていただけたんだが、
クラッチが切れないのかチェンジがかなりシブいようで修理で入庫したから早速バラしてみた。
したら原因はクラッチバスケット裏のプライマリキック用のギアのクリアランスが広がりガタガタで、
このせいてバスケットが振れてクラッチが切れていなかったみたい。
ただ1P60用の部品なんぞ持ってる訳もなく傍にあったW190のクラッチバスケットとプライマリギアが何となく使えそうだったから色々と比べてみた。

手に持ってるのがプライマリギアとキックスターターギアで、
W190のバスケットを流用する場合はギア比が違うためここから交換しなきゃならない。

ただプライマリギアの突起の形状が違うからスペーサーを入れる必要がある。
右が1P60で左がW190の物だがスペーサーはクラッチのロックナットのoutsideと刻印があるスプリングワッシャーが使えるから2枚足してあげたらピッタリだった。
この突起の形状が何で違うかって言うとクランクケースのこのギアのベアリングが違うためで、
1P60YMJは6002の深溝玉なのに対してW190アニマ190はニードルベアリングになっており厚さが全く違うから。
確か1P60FMKはニードルベアリングだと思ったが最近全くいじってないから忘れた。

クラッチバスケットはw190の方が少しだけ大きく外側に張り出すようになっている。
あとW190のバスケット裏のギアは一体型と仕様変更がされたため絶対振れる心配がなくなっていて、
当然だがアニマ190も同じように対策されていて、
まぁ簡単に言うと1P60をまだ大事に使ってる方はw190のクラッチやプライマリギアが対策品となる。
で、よく見ると1P60のバスケットの横に何か擦れたような跡が見えると思うが、
これはバスケットが振れて横のクランクのロックナットと擦れた跡。
だからこれ以上エンジン回して無理矢理乗ってたら悲惨な壊れ方してたかもしれない。

仮組みしてみたんだが1P60YMJのクラッチカバーはかなり張り出しているからW190のクラッチがカバーの中に収まってしまう。
ただ1P60FMKなどはカバーがここまで張り出してないからバスケットを削る必要があるみたい。

そんな訳で完成しちゃった。
手に持ってるのが今回交換した部品で在庫してあったW190の部品がまた尽きたからもう1セットくらいは在庫しておいた方が良さそうだ。
今回使用した部品はW190の純正品を使い、クラッチプレートなどは再利用したんだけど、
腰下の部品はアニマ190と共通が多いからどちらのエンジンもリペア可能で、
1P60YMJはウチで扱ったのはこの1機だけだからこの修理も最初で最期かもしれないかなぁ。
今回のように中華系エンジンなら何でも修理するから、もしお困りの場合はブログタイトル下のメールアドレスにメール送って下さいな。