中日新聞に「ニワトリ自由なし『ケージ飼い』海外が批判」という記事が載っていました。
ネットで「ケージ飼い」されているニワトリの気持ちということで検索しましたら、下記の記事が見つかりました。
鶏の幸せとは?
安心して卵を産める
動物行動学者コンラート・ローレンツ氏は次のように言っています。
動物のことを何がしか知っている人間にとって、鶏が無駄に覆いを得ようとして(隠れようとして)、何度も何度もケージ仲間の鶏の下にもぐりこもうとしているのを見ているのは、実に悲痛なものである。
こうした状況のもとで、雌鶏は間違いなくできるだけ長く卵を持っておこうとするだろう。
ケージ仲間の混雑の中では卵を産みたくないという本能は、同じような状況で人ごみの中で排便したくないと思う文明人の気持ちと同じくらい強いはずだ。
鶏には巣の中で卵を産みたいという強い欲求があります。 捕食者が産んだ卵を狙うからです。 また排卵時には総排出腔が赤くなり目立ちます。そこをほかの鶏がつつくことを避けるためにも安心して産卵できる巣が必要です。しかしケージの中には巣どころかワラ一本も用意されていません。
巣は鶏にとってとても重要なものです。
放牧飼育で巣を与えられている鶏にはそれぞれ、お気に入りの巣があります。自分のお気に入りの巣に、ほかの鶏が入って卵を産んでいるときは、その巣の前で順番を待つそうです。
金網以外に何もないバタリーケージで育てられた鶏と、敷きワラの上で育てられた鶏に巣箱を与えると、敷きワラの上で育てられた鶏は、じきに巣箱から離れたが、ケージで育てられた鶏は、巣箱に夢中になって、そこからなかなか離れなかった。(科学情報誌new scientistより引用)
<安全な場所がある>
被食種である鶏は、自分自身を捕食者から守るために安心できる止まり木が必要です。
ケージの中に止まり木はありません。
「実際にはケージの中にいて、捕食者はいない」ということは問題になりません。
逃げ場が欲しいというのは鶏の本能です。捕食者の手が届かず、なおかつ様子をうかがうことが出来る止まり木を、鶏は必要としています。
高いところに上り、足で足場をしっかりつかんで止まる、という行為は鶏の体を丈夫に保つためにも必要です。
<ツツクという行為ができる>
鶏は一日に15000回地面をつついて過ごす生き物です。
ほかのほとんどの動物と同様、鶏も一日の多くの時間を採餌行動に費やします。
自然環境では雌鶏は1日の50%をクチバシで嘴で地面をつついたり、肢で地面をひっかきながら餌を探して過ごします。
餌を探す必要のないだけの餌を与えたとしても、鶏の採餌行動は収まらないでしょう。
採餌行動の動機は明らかになっていませんが、鶏の本能に紐づけられた強い欲求だと考えられます。しかしケージの床は金網で、採餌行動を満たすことのできる地面はありません。
空調が利いた室内で、餌や水が目の前にあり、糞をしたら金網の下に落ちる、という衛生的な飼い方と、日陰と日向が混在し、暑さ寒さを自分でしのがねばならず、わらの上からくちばしでつついて餌を探さねばならない屋外飼育を、鶏に選択させたところ、鶏は後者を選択した。(「動物たちの幸せとは何か」 佐藤衆介氏著)
<体を清潔に保てる>
人間と同じで、鶏も体をきれいに保ちたいという気持ちがあります。特に鳥類は羽が汚れることをとても嫌います。
そのために必要なのは日光浴、砂浴び、羽繕いなどのグルーミングです。
しかしウインドウレス鶏舎の中では鶏たちは一生太陽の光を浴びることはできません。
開放鶏舎(窓があり、夏季はカーテンを開け冬季は閉じることで、空調管理する鶏舎)で夏季に太陽を見ることができたとしても、狭いケージの中では羽を広げて虫干しできるスペースはありません。
砂浴びも鶏にとって必要なものです。自然な環境で飼育されている鶏は、羽やクチバシ、足など全身をつかって土や砂を体にふりかけ砂浴びをします。
羽や皮膚についた寄生虫や汚れを落とすこの行為をしているとき、鶏達はとてもうっとりした表情をし、目を細めます。
ぐるぐると気持ちのよさそうな声を出します。しかしケージの中に砂浴び場は用意されていません。砂浴び場がなくても鶏は羽をばたつかせ砂浴びの真似事をします。が体はきれいになりません。
鳥類には尾腺(びせん)があり、そこから分泌される油をクチバシで器用にすくいとり、羽根にまんべんなく伸ばし、鶏は羽繕いをします。
しかし他の鶏と折り重なるように詰め込まれている狭いケージのなかでは、十分な羽繕いはできず、時に上から落ちてくる糞や同じケージに入れられている他の鶏の糞が体に付着し、体が汚れていきます。
<ケージから解放された鶏>
ケージの中では生涯、生きる喜びを味わうことができません。
彼の心は変わった。
彼はもう、鶏たちをと殺場へ送りたくなかった。
彼はもう二度と、ケージに鶏を閉じ込めないと誓った。
彼女は、やさしくそっとケージから連れ出された。
彼女は普通のことができるようになった
羽を広げることができ
肢の爪で地面をひっかくことができて
こころゆくまで砂浴びをする
巣をつくり、プライベートな場所で卵を産むことができる
足の裏に土の感触があり、羽は太陽の光を感じる
あなたが卵を産んでも産まなくても関係ない。
あなた自身が、かけがえのない鶏だから。
― Edgar’s Mission
http://www.edgarsmission.org.au/
残酷さより、思いやりを選ぼう。
多くの研究が鶏には巣、止まり木、つつけるもの、砂場が必要だと示しています
以上です。
世界的にケージ飼いの使用は、禁止の方向にあるようです。
「ニワトリの犠牲の上に、安価な卵が成り立ってきた。
世界の常識を共有するために、日本の養鶏業者は変わるべきだし、政府もその費用を負担するべきだ。
劣悪な環境で飼育されたニワトリの卵は買わないなど消費者の意識も変わるチャンスだろう」と中日新聞の記事で大学院大学至善館の枝広淳子教授(環境経営)は、語っていらっしゃいます。
うちも昔 ニワトリを飼っていました。
広々とした網の中で飼っていて、昼間は放し飼いでした。
久しぶりに家へ帰ったらニワトリがいません。
4〜5羽いたと思いますが。
父親に訊いたら、猫に食べられてしまったと言っていました。😅
放し飼いはいいですが、犬でも飼ってニワトリを守ってやらねばねぇ〜。
ニワトリは家畜なんですから。
ずっと一緒さ 山下達郎