先週の中日新聞のサンデー版に「昭和 その人 その時」というタイトルで河合栄治郎さんという社会思想家で経済学者が取り上げられていました。
河合栄治郎さんの「学生に与う」という文庫本を学生時代に読み感銘した覚えがあります。
私のことですから、河合栄治郎さんの教えもひと月ぐらいで忘れてしまいましたが、理想の学生の姿が描かれていました。
新聞記事は、
国家がひとたびバランスを失うとどれほど知的退廃を起こすかを示したのが、河合栄治郎への弾圧事件である。
昭和十一(1936)年の二・二六事件当時、河合は東京帝大教授だったが、すでに論壇では共産主義批判、ファシズム批判でその名はよく知られていた。その河合が「帝国大学新聞」でこの事件を徹底的に批判し、「ファッシストの何よりも非なるは、一部少数のものが、暴力を行使して、国民多数の意志を蹂躙するに在る」との論争を張った。
このあたりまえの主張が、右翼勢力や親軍派の議員、そして国家権力を刺激した。昭和十三年の貴族院で、河合の著作(「ファッシズム批判」)が、社会の安寧秩序を害するとして批判され、内務省はそれを受けて他の一冊を加え、その著作四冊を発売禁止処分にした。さらに翌十四年に、河合は東京帝大を追われ、その著作は出版法違反で起訴された。
河合の晩年はこの裁判に費やされたが、昭和十八年に大審院で二審の有罪判決(罰金三百円)が認められ、上告は棄却された。その間、自宅で勉強を怠らず、ウィンデルバントの「序曲」などを読み進めていた。一連の裁判闘争を河合栄治郎事件と称するが、ここにファシズム体制がどのように進むかの流れがあった。
国家にとって気にいらない論は、たとえ学問上に意義はあってもそれを葬り去る、それを決めるのはファシスト自身という図式であった。
河合は第一高等学校時代に、校長新渡戸稲造の人格主義に打たれて、立身出世主義、国粋主義と別れを告げたと告白している。東京帝大法学部卒業後、農商務省に入り、第一次大戦後の国際会議に出席して、日本の労働政策の遅れを知った。
東京帝大経済学部助教授に転じ、英国留学を体験している。ここで反マルクスやファシズム批判の理論を身につけ、日本に戻ってもその論を発表した。河合の立場はいかなる独裁にも反対という点にあった。
日本型ファシズムと闘っている昭和十五年に、学生に向けて、「学生に与う」を刊行し、人格向上、理想の追求を目ざせと訴えた。
注意書き(ファシズムということばは、独裁的・非議会主義的・反共主義的な運動・思想・体制の総称として広く一般に用いられるようになった。民主主義と反するものです。)
今日にも権力者 今でいう自民党政府に都合悪い情報を国民に知らせる必要がなく、逆に罰せることが出来るという戦前起った特高の国民への虐待を許す「特定秘密保護法案」という、国民にとってとんでもない悪法が衆議院を通過しようとしています。これは国民の知る権利を奪うものです。今の憲法をないがしろにしています。
安倍首相の復権を許した国民は甘かったようです。
安倍首相は人間の皮をかぶったオオカミだったようです。
河合先生は時代状況が軍国主義の色合いを濃くする中、次第にファシズム批判の立場を強めていった。1936年に二・二六事件が起こると、河合先生は『帝大新聞』に軍部批判論文「二・二六事件の批判」を寄稿し、軍部批判・抵抗の姿勢を明確にした。ファシズム最盛期において、面と向かってファシズム批判論を展開したことは画期的なことである。満州事変以降、日中戦争、太平洋戦争直前まで時局評論も行った。
軍国主義一辺倒の世の中において、政府や軍部や学者達に立ち向かった河合栄治郎さんは、もっと評価されるべき思想家だと思います。
プリーズミスターポストマン//Beatles
河合栄治郎さんの「学生に与う」という文庫本を学生時代に読み感銘した覚えがあります。
私のことですから、河合栄治郎さんの教えもひと月ぐらいで忘れてしまいましたが、理想の学生の姿が描かれていました。
新聞記事は、
国家がひとたびバランスを失うとどれほど知的退廃を起こすかを示したのが、河合栄治郎への弾圧事件である。
昭和十一(1936)年の二・二六事件当時、河合は東京帝大教授だったが、すでに論壇では共産主義批判、ファシズム批判でその名はよく知られていた。その河合が「帝国大学新聞」でこの事件を徹底的に批判し、「ファッシストの何よりも非なるは、一部少数のものが、暴力を行使して、国民多数の意志を蹂躙するに在る」との論争を張った。
このあたりまえの主張が、右翼勢力や親軍派の議員、そして国家権力を刺激した。昭和十三年の貴族院で、河合の著作(「ファッシズム批判」)が、社会の安寧秩序を害するとして批判され、内務省はそれを受けて他の一冊を加え、その著作四冊を発売禁止処分にした。さらに翌十四年に、河合は東京帝大を追われ、その著作は出版法違反で起訴された。
河合の晩年はこの裁判に費やされたが、昭和十八年に大審院で二審の有罪判決(罰金三百円)が認められ、上告は棄却された。その間、自宅で勉強を怠らず、ウィンデルバントの「序曲」などを読み進めていた。一連の裁判闘争を河合栄治郎事件と称するが、ここにファシズム体制がどのように進むかの流れがあった。
国家にとって気にいらない論は、たとえ学問上に意義はあってもそれを葬り去る、それを決めるのはファシスト自身という図式であった。
河合は第一高等学校時代に、校長新渡戸稲造の人格主義に打たれて、立身出世主義、国粋主義と別れを告げたと告白している。東京帝大法学部卒業後、農商務省に入り、第一次大戦後の国際会議に出席して、日本の労働政策の遅れを知った。
東京帝大経済学部助教授に転じ、英国留学を体験している。ここで反マルクスやファシズム批判の理論を身につけ、日本に戻ってもその論を発表した。河合の立場はいかなる独裁にも反対という点にあった。
日本型ファシズムと闘っている昭和十五年に、学生に向けて、「学生に与う」を刊行し、人格向上、理想の追求を目ざせと訴えた。
注意書き(ファシズムということばは、独裁的・非議会主義的・反共主義的な運動・思想・体制の総称として広く一般に用いられるようになった。民主主義と反するものです。)
今日にも権力者 今でいう自民党政府に都合悪い情報を国民に知らせる必要がなく、逆に罰せることが出来るという戦前起った特高の国民への虐待を許す「特定秘密保護法案」という、国民にとってとんでもない悪法が衆議院を通過しようとしています。これは国民の知る権利を奪うものです。今の憲法をないがしろにしています。
安倍首相の復権を許した国民は甘かったようです。
安倍首相は人間の皮をかぶったオオカミだったようです。
河合先生は時代状況が軍国主義の色合いを濃くする中、次第にファシズム批判の立場を強めていった。1936年に二・二六事件が起こると、河合先生は『帝大新聞』に軍部批判論文「二・二六事件の批判」を寄稿し、軍部批判・抵抗の姿勢を明確にした。ファシズム最盛期において、面と向かってファシズム批判論を展開したことは画期的なことである。満州事変以降、日中戦争、太平洋戦争直前まで時局評論も行った。
軍国主義一辺倒の世の中において、政府や軍部や学者達に立ち向かった河合栄治郎さんは、もっと評価されるべき思想家だと思います。
プリーズミスターポストマン//Beatles
戦前の治安維持法と同じだという説もありますし
その一方で国家が機密行動する必要もあるのも事実です。
先進国でこういう法律がないのは日本だけだとか。
(日本には軍隊がないのでそうなっているのでしょうけど)
結局のところ、その法を使う人次第ということなのでしょうが。
有川浩さんの図書館戦争シリーズの中で
政府が表現を検閲する「メディア良化法」という法律が
国民の関心の薄いまま施行され、
施行されてから国民はその本当の意味を知る。。。というようなお話があります。
今回の法律については都合の悪いことを国民に知らせない
という意図が見受けられるのも確かですね。
安倍政権の支持率は依然高いわけですから
国民がこの法律を支持しているのと同じことということになるのでしょうね。
そこまで考えている人が何人いるか?ですが。
とても好きな、反骨くちこです。
権力に護られているのも人間。
権力に圧されているのも人間。
成否の結果は、正義と同一では無いし・・・
でも、自分の考えが正しいかどうか常に反芻する人でいたいです。
>有川浩さんの図書館戦争シリーズの中で
政府が表現を検閲する「メディア良化法」という法律が国民の関心の薄いまま施行され、
施行されてから国民はその本当の意味を知る。。。というようなお話があります。
有川さんは、戦時中に起ったことを参考にされたのでしょうか?
「特定秘密保護法案」に関して、政府はどんな法案かを国民に知らせようとしていません。
蓋を開けたら大変な法律だったと国民は知るのでは。
権力者に不都合な事を国民に知らせなくても良いなんていう法案はろくな法案だとはとても思えません!
日本は戦争に敗れて、言論の自由な国になったと思います。これは憲法でも保障されていると思います。
>安倍政権の支持率は依然高いわけですから
安倍政権の支持率って、ほんとうに高いでしょうか?
マスコミの作った支持率では。
私は66年生きてきて、未だに政党の支持率をマスコミから聞かれたことがありません。(苦笑)
>権力に対抗することは・・・・
とても好きな、反骨くちこです。
くちこさんが、くちこさんらしく反骨精神でいられる日本でありたいです。
>権力に護られているのも人間。
権力に圧されているのも人間。
権力で守られるのが、政府など権力者側で、権力に圧せられるのが、弱者の国民であるような日本にしてほしくないです。
>都合の悪い言動を握りつぶされていく・・怖いですよね。もう、どうしたらいいのかわからないですね。
これからこんな時代がくるかも知れません。
3年後の選挙では、国民の知る権利を封じた「特定秘密保護法案」に賛成した党には、投票をしない方が良いのではと思います。