

英語訳の原題は、「The Hundred-Year-Old Man Who Climbed Out the Window and Disappeared」とやたら長い。
「100歳の老人が窓から逃げだし消えた」と言ったところですか。スウェーデンで大ヒットしたそうです。
登場人物は、すべてワンポイントもツーポイントもずれていて、ハチャメチャなドタバタ喜劇です。
アランは、幼い頃に両親を相次いで亡くした爆弾マニア。

彼は、1930年代後半のスペイン内戦の人民戦線派に加わるのだが、ひょんなことでフランコ将軍の命を助け……。
第二次世界大戦下に原爆製造に一役買い、トルーマン合衆国副大統領、ソ連の独裁者スターリンに会い、
東西冷戦時代には米ソの二重スパイとなり、レーガンやゴルバチョフのもとで働くことに…。
ベルリンの壁がツルハシで壊されるシーンを見て、「ダイナマイトで壊せばいいのに…。」
彼には政治信条や正義感など全く無関係、「人生すべて成り行きまかせ」です。
たくさんの「偉人」達と会うのですが、「成功」・「金儲け」と無縁に激動の20世紀を生き抜きます。
そんな少しボケ始めたアラン、100歳の誕生日に施設をとんずらします。
間抜けなマフィアの現金運び屋がトイレに入る時、スーツケースをアランに預かれと頼みます。
彼、その大量の現金が入ったスーツケースを持ってその場を離れてしまいます。
こうして彼はマフィアに追われることになるのですが、マフィア達もたっぷり間抜けでドジばかり…。
何人かのマフィア・殺し屋を殺したり、彼らが自爆したり、そしてついにマフィアの親分は、
アラン達を追跡中、交通事故で死んだりして自由の身となるとまさにデタラメなストーリーです。
爆弾・原爆・マフィア、殺人、「痴呆」、「知恵遅れ」と「刺激的」だらけですが…。
スウェーデン語、英語、そしておそらくドイツ語、ロシア語、スペイン語などが飛び交いました。
そう言えば、彼はオッペンハイマーやアインシュタイン兄弟とも会っているのでした。
毛沢東と蒋介石も登場し、アジアと中国語が流れたらと素敵と思いました。
併映は『イーダ』ですが、同じページではちょっと違和感があるので、稿を改めましょう。 【4月27日鑑賞】