風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

あしたのパスタはアルデンテ

2012年03月20日 | 映画

アルデンテ(al dente)とはイタリア語、「歯に~」のことで、茹で上がりの「歯ごたえのある状態」を示す用語で、
スパゲッティなどのパスタを茹でるときの理想的な茹で上がりを言うとか。
麺が完全に茹で上がらずに麺の中心が髪の毛の細さ程度の芯を残して茹であげることを言うそうです。
日本のソバやうどんや素麺のシコシコ感の残る状態でしょうか。
さて、映画。
南イタリアでパスタ工場を経営する金持ちの次男・トンマーゾは、跡継ぎの兄に自分はゲイだと打ち明けます。
彼は、小説家を目指し、パスタ工場を引き継ぐ気持ちはありません。
翌日、兄は、家族の前で、弟を出し抜いて家族の前で「自分はゲイだ」告げます。
怒った父親は、彼を勘当。
トンマーゾは自分のゲイを打ち明けられず、パスタ工場を引き継ぐのですが……。
フランスだったら言葉戦争や男女入り乱れてのしっちゃかめっちゃか、アメリカだと純愛、日本だと深刻、という感じなのでしょうが、
ここはイタリア、ユーモラスに人情味たっぷりに描きます。
映画館でも、笑い声があって良かったです。
でも、この映画のもう一つのポイントは、おばあちゃんのストリーにこそあります。
彼女は、糖尿病を患って人生の末を迎えているのですが、彼女はただ一人この状況の真実を理解することが出来ているのでした。
それは、彼女の若い頃の、成就することが出来なかった苦い経験に関係しています。
そう、この映画のメッセージは、
「他人の望む人生なんて止めよう、自分の生きたいように!」にあると思うのです。
彼女は、街でたくさんのスイーツを買って来ます。
念入りにお化粧して、食べてはダメといわれて来たスイーツを部屋で食べ続けるのです。
翌日、ベッドの上で人生を終えた彼女が発見されます。
トンマーゾはアランドロン似の青い瞳の美形で、本当にかわいいです。
映画の途中、トンマーゾの彼とゲイ仲間が、ローマから訪れるのですが、これは余分・不要でした。
父親の妹、素敵でした。
結婚詐欺にあった彼女、恋に憧れています。
彼女、訪れたトンマーゾのゲイの友人に恋心を持ってしまいます。
近眼でアル中気味の彼女が、メガネを外し、コンタクトをセットするのですが、コンタクトを落としてしまいます。
でもめげずに頑張るのでした。
まるっきりのコメディ映画ではありませんでしたが、充分楽しみました。
でも、皆が、幸せにダンスする映画の最後は不要で、失敗でした。
僕としては、人生はやはりほろ苦く、思うようには行かないけど…。
お祖母ちゃんが、若い頃の苦い失敗をさりげなく修正する画面で終わる方が余韻が残りよかった、と思うのでした。
もう一本、『さすらいの女神たち』が並映でしたが、見ないで帰りました。
と言うのは、先週末来神経痛が厳しく、昼過ぎまで病院に行きましたので。映画を見始めたのは、4時でしたから。


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