反戦・反ナチの映画ではありません。
ハンナとトマシュはナチスの強制収容所から脱走します。
ハンナはユダヤ人、トマシュはポーランド人で反ナチレジスタントで捕まり、収容所の囚人監守の補助をしています。
二人は恋人同士ですがその経過の説明はありません。
脱走劇はテンポ良くまとめられていて良いのですが、ナチスがあまりに間抜けに描かれリアリティ感は無いです。
また、二人が運良く脱走し追われ、必死の逃亡の最中にセックスするなど緊張感も希薄です。
二人は偶然の、些細な出来事でお互いに死んだと思い込み、以後生き別れます。
ハンナは、今はニューヨークに住んでいます。彼女はテレビからの声に驚きます。その声は元の恋人だったからです。
半世紀もたってすでに死んだと思っている人の声を人は覚えているのか私には極めて疑問ですが。
そこは映画ですから良しとしますか。彼女は、彼に会いに行きます。
映画の最後のシーンは、良かったです。
トマシュはバス停の反対側で待っています。ハンナがバスから最後に降りてきたところで映画は終わります。
二人は、目を合わせることもなく、ハグも無い終わり方は、気に入りました。
昔の彼は背も高くかっこよかったのですが、最後の彼は風采がありませんでした。
映画としては、秀作とは言えず普通です。
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ウツ病を扱った映画ですが、シリアスでは無く、ほとんど喜劇です。
何しろ、メル・ギブソンがウツ患者を演じるのですから。でも映画としてはそれの方が正解でした。
日本でも、テレビと映画で『ツレがうつになりまして』がありました。深刻がらず良かったです。
ウォルターは、突然ウツ病になるのですが、ビーバーのぬいぐるみを左手にはめているとウツを脱するのでした。
まさに、それは左手は躁、右手はウツという象徴のようです。
ウォルターの妻は、「元に戻って」だけで、ちょっとステロタイプ過ぎて残念でした。
一喜一憂したり、オロオロしたり、ずっこけたりした方が遙かによかったと思います。
こちらも、秀作ではなく普通のできです。 【3月4日鑑賞】