8月6日、映画二本を見ました。

面白かったです。
1950年代末から1960年代のアメリカ公民権運動時代の黒人差別撤廃の運動を題材にしています。
というと、とてもシリアスで堅苦しいと思ってしまうのですが、実はほとんどコメディです。
当時の黒人女性が置かれた悲惨で非人間的な状況を声高に告発・糾弾する手法ではなく
コメディタッチの素敵な映画に仕上げました。
慈善事業にいそしむ白人達は、自分たちの子どもの子育てのほとんどをお任せしている黒人メード達が
自宅のトイレを使用することを認めませんでした。
彼女たちは、家の外に黒人専用トイレがあると住宅の価値が上がり、黒人がトイレを使うと「悪い病気が移る」と真顔で言うのでした。
そんな中、一人の若い女性が黒人メード達から白人女性の日常を聞き出し、それが本となりました。
そのことを契機に、ほんの少しだけ、新しい風が吹き始めました。
しかし、「悪い病気が移る」と言う彼女たちを、本当は私たちは笑うことは出来ません。
福島原発の爆発による被爆は、「人に移る」と差別されているのですから。
また、アメリカは黒人や先住民族に対する心からの謝罪と反省が無いのに「世界の人権の番人」だと振る舞っています。
ある黒人女性が仕返しに白人女性にパイをプレゼントします。
そのパイはとても美味でしたが、彼女のシット(クソ)が入っていました。
「クソ食らえ」とは言いますが、このギャグが映画で何回も使われ、耳障りでした。
このような下ネタで笑いを誘うのは、ひねりと工夫が足りない証し、この映画の画竜点睛を欠きました。
心が貧しいのに偽善的にする慈善を痛烈に風刺・批判する「ネタ」を私は、思いつきませんが、
アメリカの先住民や黒人には誇り高い伝説や言い伝えがあると思うのですが。

超美人、シャーリーズ・セロンがコメディに挑戦した作品で、楽しみにしていたのですが、結果はいまいちでした。
セロン演じる37歳でゴーストライターのメイビス、仕事も恋愛も上手く行かない、超主観主義の高ピーです。
昔の彼から、子どもの命名式への招待状が迷い込みます。
彼女、アダルトの年齢になっているのに、写真のようにキティちゃんの服を着、
今でも彼から好かれていると思い込んでいるのでした。
故郷に帰って彼を誘惑し、結婚すら夢見て、珍騒動を巻き起こすのでした。
セロンの為だけに作られたの映画なのですが、失敗でした。
メイビスのキャラクターがステレオタイプ過ぎているのも失敗の原因です。
それでも彼女のずっこけぶりは並ではないのですが、美人過ぎるためなのか、観客は妙にシリアスになってしまっていて、
映画館には、笑い声が全く起きず、どんより重たい雰囲気が漂っているのでした。
やはり脚本・ストーリーが面白くないことが一番の問題なのです。
とにかく美しいセロンがちょっと歯車がずれてとんちんかんになるだけでおかしくなるはずなのに、考え過ぎでした。
彼女は、故郷では冷ややかに迎えられるのですが、唯一彼女にまともに接してくれる同級生がいました。
騒ぎを起こすなと助言する彼は、昔ホモとからかわれ、ひどいいじめと暴行を受けて身体障害者にされていました。
そうこの設定では彼と彼との絡みも気軽には笑えません。
まして彼は、昔から彼女を密かに憧れていたのですから。
ひねりすぎず、すごいハンサムだけどゲイなのだけど、なぜか成り行きで彼女と怪しくなってしまうなんて方がおもしろい。
また、アメリカの下品なスラングも多様すぎて興ざめでした。
設定がとにかく陳腐なのですから、軽く・早いテンポで奇想天外・リアリティ無しがいいのです。
十年近く前の『モンスター』で、セロンは役作りのため10キロ以上も太って、見事なブスを演じました。
美人に甘い私としては、新境地を開いたセロンさんの次のコメディを期待しましょう。 【終わり】

面白かったです。
1950年代末から1960年代のアメリカ公民権運動時代の黒人差別撤廃の運動を題材にしています。
というと、とてもシリアスで堅苦しいと思ってしまうのですが、実はほとんどコメディです。
当時の黒人女性が置かれた悲惨で非人間的な状況を声高に告発・糾弾する手法ではなく
コメディタッチの素敵な映画に仕上げました。
慈善事業にいそしむ白人達は、自分たちの子どもの子育てのほとんどをお任せしている黒人メード達が
自宅のトイレを使用することを認めませんでした。
彼女たちは、家の外に黒人専用トイレがあると住宅の価値が上がり、黒人がトイレを使うと「悪い病気が移る」と真顔で言うのでした。
そんな中、一人の若い女性が黒人メード達から白人女性の日常を聞き出し、それが本となりました。
そのことを契機に、ほんの少しだけ、新しい風が吹き始めました。
しかし、「悪い病気が移る」と言う彼女たちを、本当は私たちは笑うことは出来ません。
福島原発の爆発による被爆は、「人に移る」と差別されているのですから。
また、アメリカは黒人や先住民族に対する心からの謝罪と反省が無いのに「世界の人権の番人」だと振る舞っています。
ある黒人女性が仕返しに白人女性にパイをプレゼントします。
そのパイはとても美味でしたが、彼女のシット(クソ)が入っていました。
「クソ食らえ」とは言いますが、このギャグが映画で何回も使われ、耳障りでした。
このような下ネタで笑いを誘うのは、ひねりと工夫が足りない証し、この映画の画竜点睛を欠きました。
心が貧しいのに偽善的にする慈善を痛烈に風刺・批判する「ネタ」を私は、思いつきませんが、
アメリカの先住民や黒人には誇り高い伝説や言い伝えがあると思うのですが。

超美人、シャーリーズ・セロンがコメディに挑戦した作品で、楽しみにしていたのですが、結果はいまいちでした。
セロン演じる37歳でゴーストライターのメイビス、仕事も恋愛も上手く行かない、超主観主義の高ピーです。
昔の彼から、子どもの命名式への招待状が迷い込みます。
彼女、アダルトの年齢になっているのに、写真のようにキティちゃんの服を着、
今でも彼から好かれていると思い込んでいるのでした。
故郷に帰って彼を誘惑し、結婚すら夢見て、珍騒動を巻き起こすのでした。
セロンの為だけに作られたの映画なのですが、失敗でした。
メイビスのキャラクターがステレオタイプ過ぎているのも失敗の原因です。
それでも彼女のずっこけぶりは並ではないのですが、美人過ぎるためなのか、観客は妙にシリアスになってしまっていて、
映画館には、笑い声が全く起きず、どんより重たい雰囲気が漂っているのでした。
やはり脚本・ストーリーが面白くないことが一番の問題なのです。
とにかく美しいセロンがちょっと歯車がずれてとんちんかんになるだけでおかしくなるはずなのに、考え過ぎでした。
彼女は、故郷では冷ややかに迎えられるのですが、唯一彼女にまともに接してくれる同級生がいました。
騒ぎを起こすなと助言する彼は、昔ホモとからかわれ、ひどいいじめと暴行を受けて身体障害者にされていました。
そうこの設定では彼と彼との絡みも気軽には笑えません。
まして彼は、昔から彼女を密かに憧れていたのですから。
ひねりすぎず、すごいハンサムだけどゲイなのだけど、なぜか成り行きで彼女と怪しくなってしまうなんて方がおもしろい。
また、アメリカの下品なスラングも多様すぎて興ざめでした。
設定がとにかく陳腐なのですから、軽く・早いテンポで奇想天外・リアリティ無しがいいのです。
十年近く前の『モンスター』で、セロンは役作りのため10キロ以上も太って、見事なブスを演じました。
美人に甘い私としては、新境地を開いたセロンさんの次のコメディを期待しましょう。 【終わり】