おもしろかった。
ブレア元イギリス首相を連想させる架空の元首相が、ゴーストライターに自伝を書かせていました。
その首相がアメリカCIAとつながっているのではないかという秘密を探り出した彼が何者かに殺されます。
折しも、元首相はアメリカの戦争に協力し、さらにテロリストを拷問死させた罪などで国際法廷で訴追されます。
新たに雇われた新しいライターが、残された彼の資料の中から事の真相に近づきはじめます。
最後に、予想外のどんでん返しがあります。
元首相の妻が、ゴーストライターを誘惑するのはすごくアヤシイです。
フィクションなのはわかっているのですが、アメリカCIAならやりかねないと、恐ろしさを感じます。
イギリス英語の発音がとてもきれいでした。
元首相はアメリカに滞在しているのですが、暗い雨が多く、まるでイギリスのような陰鬱な空でした。
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『ヒトラーの贋札』の「二匹目のドジョウ」を狙ったのですが、ストーリーに無理がありすぎで失敗でした。
画廊を営む大富豪のユダヤ人一家は、バチカンから大昔盗まれたミケランジェロの絵を秘匿しています。
ヒトラーがその絵を手に入れイタリアのムッソリーニにプレゼントしようとし、彼のご機嫌を取ろうとしています。
画廊の息子ヴィクトルの親友ルディがナチ親衛隊になり、彼をだまして絵のありかを探り出すのですが、
父親は巧妙に絵を隠していたのでした。
ここまでは良いのですが、ルディの護衛の元、ヴィクトルはベルリンに飛行機で護送されることになるのですが、
その飛行機がパルチザンの手によって墜落させられや、ヴィクトルはルディに成り代わって延命を図ります。
ルディの婚約者がヴィクトルの面通しに現れるのですが、彼女はヴィクトルが婚約者だと彼を選択したり、と
あまりの荒唐無稽にアングリで、映画を見る意欲は減退です。
金持ちのユダヤ人とその使用人で上昇を夢見るドイツ人と言う対比は、当時の社会を象徴的に現しているとは言え、
大富豪で上流階級のユダヤ人が、貧しいドイツ人に勝利して微笑むのは何とも後味の悪い映画でした。
もっとストーリーに工夫と掘り下げがあればな。 【2月6日鑑賞】