さて特急利用の大回り乗車も三度江戸川を渡って千葉県へ。蘇我駅に着く。この先特急「わかしお1号」と同じ外房線を大網まで行くのだが、特急料金も高くなるし、蘇我で下車する。
蘇我からは113系横須賀色の8両編成。今やこうした国鉄型近郊用車両が見られるのもこの房総半島だけになってしまった。千葉を基点にあちこちに113系は活躍しており、先頭の行き先表示で、内房線・青、外房線・オレンジ、総武線・黄、成田線・緑という使い分けがなされている。やってきた7時59分発の外房線上総一ノ宮行きで大網に向かう。「千マリ」という、おそらく車庫のある「まくはり」の略称なのだろうが、「千葉マリン」という単語をイメージする。これで房総半島の付け根を横断することになる。
大網からは8時26分発の東金線経由成東行き。千葉からの直通列車なのだが、なんと同じ国鉄型でも211系の登場である。おそらく宇都宮・高崎線から移籍してきたものだろう。オレンジと緑の帯が、黄色と青に変わっている。房総半島もそろそろこの勢力に変わられるのだろうか。ここからは単線となり、車窓ものどかな田園風景となる。Suicaの読み取り機だけのある無人駅も出てくる。これでも東京近郊区間なんだよな・・・・。水田が広がるが、ここに来て日照時間の短さが稲の生育に影響がないか気になる。路線名にもなっている東金でほとんどの乗客が下車し、成東駅では0番線に到着。亀有を出てから3時間。順調に進んでいる・・・のかな?
成東から9時01分発の千葉行き。こちらも211系の編成。この車両も少しずつ、かつ確実にその勢力を伸ばしているようだ。千葉や東京に出るのにちょうどよい時間帯のためか、駅ごとに乗客が増え通勤電車のような混雑になる。
佐倉で25分ほどの待ち時間。これがホリデーパスとか青春18きっぷなら改札を出て、駅前を観察するなり何なりできるのだが、もちろん130円の客は改札内にとどまる。こういう時のために新聞とか書物などは持参しておいたほうがよいだろう・・・。
佐倉からは9時51分発の鹿島神宮行き、成田でしばらく待って10時16分発の我孫子行きに乗車。スーツケースを持った乗客をちらほらと見かける。乗り継ぎの多かった千葉県内の旅ももうすぐ終了だ。再び常磐線の我孫子に到着する。時間は11時前。そろそろ空腹を感じたので、改札内での食事・ホームの立ち食いそばのスタンドに向かう。
メニューを見るに、「唐揚げそば」というのを見つけた。1個入り300円、2個入り380円。ここは2個入りを注文する。一口サイズの唐揚げが2個入っているのだろうと思っていたら、出てきたそれにビックリ。
唐揚げ1個といっても、子どものげん骨くらいの特大サイズ。これが2個乗っているのだから、丼の表面は唐揚げばかりで、そばが見えないくらい。この唐揚げをかっ食らうだけで腹がふくれそうだ。後で聞いたところでは、我孫子駅のこの「唐揚げそば」というのは、その筋では結構有名だとか。同じ沿線に住んでいたがそれは知らずにうかつでした。
我孫子からは常磐線に乗り、ようやく千葉県から茨城県に入る。11時27分の勝田行きに乗車。途中の土浦で切り離されるが、ここはグリーン車に乗車。先ほどの特急列車と違って、あくまで普通列車の優等席に乗るわけだから何もいわれることはないだろう。大回り乗車をする人の中には徹底的に安さにこだわってグリーン車に乗らない人が多いようだが、乗車券の何倍もの料金を支払ってグリーン車に乗るというのも滑稽だろう。
時刻はそろそろ12時近くなる。大回り乗車の旅もようやく午前中終了である・・・・。(続く)