いよいよ5日に開幕したWBC第1ラウンド。日本代表は「あの」ダメンズもといコリンズ監督率いる中国と対戦。4対0で順当に勝利。あまりに順当すぎたせいか、スポーツニュースもサラッと流した感じ。でも投手7人のリレーとは、交代を待つ観客はさぞかし疲れるだろうな・・・。まあ、このブログにも遊びに来ていただく大和人さんと野球を観に行くと、両チーム合わせて投手10人は軽く超え、試合時間4時間、延長戦は当たり前ということもあるので、そんなもんかもしれませんが。
ともかく、次の試合は韓国なのか台湾なのか。いずれにしても代表には頑張ってほしいものである。
・・・ということで、高知旅行の続き。
高知駅近くのホテルにチェックイン。これでようやく酒が飲める。高知の郷土料理を楽しむことのできる店の心あたりはいくつかあるのだが、この日は「たたき亭」に向かう。その名のとおり、たたき料理がメインの店である。
前回訪れた位置を目がけていったのだが、店そのものは向かいのビルに引っ越していたようだった。私が入ったときはまだ客もまばらだったが、わずかの間に次々に来店、待ち客も出るほどの賑わいぶりである。
高知に来たからにはまずはかつおのたたきである。この店では「藁焼き」を売りにしており、注文するとかつおの切り身に串をあてて、それを、藁を敷いたコンロに近づけて火をつける。豪快な炎があがる。そこに藁を継ぎ足す。最初の頃こそ、若い板前(ソフトバンクの川崎にちょっと似た感じ)がやっていたが、客が立て込むと川崎クンは他の料理をせねばならず、ここは店の大将の出番。こうして見ると、かつおをあぶっているようにも、護摩壇で火を焚いているようにも見える・・・。
注文したのは「塩たたき」。塩味が効いており、たれにつける必要も何もなく、そのまま濃厚な味を堪能する。ほんのり温かいのが、出来立ての感じを楽しめるのでよろしい。
かつおのたたきも美味であるが、この店のもう一つの売りが、うつぼ料理。最近では高知でもよく郷土料理で出てくるやつである。初めてこの店でうつぼを見たときは、「こんなもんが食えるんかいな」と思ったものだが、いざ口にするとその調理のうまさにうなったものである。かつおのたたきに対抗して、「うつぼのたたき」を注文。ただしこちらは藁ではあぶってくれない。
そのうつぼ、見てくれはあの通りだがその味はうなぎにもフグにも似た感じである。(注文しなかったが)刺身はてっさのように薄く切ったものが出てくるし、歯ごたえも味わいも深い。よく、「見てくれの悪い魚ほど味はうまい」ということを言うが(そしてその後に、「オコゼで思い出したけど、キミとこの嫁さんは元気かいな?」と続けるのだが)、これも楽しめた。
だからというわけではないだろうが、「うつぼのひれ酒」などというメニューがあった。おそらく、「刺身がふぐに似とるけん、ひれ酒をつくってえなあ」てな客のリクエストでできたメニューだろう。その筋(私がいつも使っている「その筋」の連中ではございません)にいわせれば、ひれ酒はあぶった香味を楽しむもので、フグだろうと何の魚だろうと変わりないそうだが、これは面白そうだ。
出てきた湯呑み。これに火を近づけてアルコールを飛ばすという「儀式」の後、フーフーして頂戴する。うーん・・・・ほのかに香ばしいのが鼻を突きぬけ、なかなかいい感じである。「うつぼのひれ酒」。駅の売店なんぞで置いても面白いかな。
一杯飲み干した後、「継ぎ酒」をしてもらう。より濃くなった味がしてこれもおいしくいただく。いや、実によい一時でしたな。
高知の夜はこの後鼻歌交じりで過ぎるのであった・・・。