まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

津山線「ありがとうキハ28・58」に乗車

2010年11月24日 | 旅行記F・中国

・・・いわゆる「葬式鉄」という言われ方というのは好きではないんですが。

先日の11月20日と21日の2日間に渡って、津山線岡山~津山間に「ありがとうキハ28・58」なる臨時列車が運転された。これは、かつての国鉄からの急行型気動車として急行はもちろん、ローカル線運用まで幅広く使用されたキハ28・58型が現役を引退するということでの最終運転であった。

私も、JR乗りつぶしを志すようになってから、ついぞ「急行」として乗ることはほとんどなかったと思うが、あちこちのローカル線でこの型式に乗車した記憶がある(一番初めは片町線の木津~長尾の非電化区間だったような)。その後さまざまに塗装を変えて全国を走っていたのに出会ったことがあるが、いつしか時代の流れか次々に一線を退き、そして中国地方からもついに引退することとなった。

昨今のいわゆる鉄道ブームとか、年を追うごとに加熱しマナーの悪い不逞の輩を続出させるこの手の「葬式鉄」というのは好きではないし、もちろん指定席など瞬殺で完売になるが、何だかこの車両については最後を見届けたいなという気持ちがあった。せっかくの機会なのだからやはり乗ってみたいなと思う。

・・・ということでネットオークションを追っかけていたのだが(1ヶ月前の発売初日に大量に購入し、それを小出しにして高値で販売し巨額の利益を得る輩がいるのは困ったものだが)、一応「予算範囲内」で通路側の席ながら落札することができた。それでも定価の何倍かはする値段で、一般の方からは「そこまでする意味があるのか」と言われても仕方ないところ。まあおそらく売却する人は鉄道に何の思い入れもない、投機目的で購入している輩なんだろうけどね。

結局入手したのは2日間で1往復ずつする最終日・21日の津山~岡山。津山の発車が17時過ぎということで、日が短くなりつつあるこの時期には途中の車窓は望むべくもない。まあ本当の最後ということで乗ることに意味があるのかもしれない。

さて、21日の夕方に津山に着けばいい計算である。どうせなら大阪から姫路、そして姫新線を途中下車しながら津山に行けば面白いのだろうが、午前中にゆっくりしたかったのと、携帯電話が不調でこれは機種変更やなということでショップで手続きを・・・ということもあり、それは断念。

Dscn6328 ということで代わりに乗車したのは大阪駅からの中国ハイウェイバス津山行。13時発の津山駅行き特急バスの便指定券を確保。大阪駅に現われたが、バスが着くや運転手にチケットを見せると「2号車に行って」と言われる。

Dscn6331 その接客に不快な感じがしたので「何でや?」と詰め寄ると、「2号車のほうが空いているし、津山駅まで行く客を優先に回すので早く着く」という言い方をする。確かに、2号車に案内された客のほうが少なかったような。おまけに、定時の2分前にはもう発車したし・・・。

Dscn6336 本来であれば停留所の新大阪駅、千里ニュータウンも通過し、定刻より早く走行する。中国道に入り、一応途中の所定の停留所には停まるがそれでも定刻より早い。途中、加西SAで10分間の中入り。

私は最前部の座席に陣取っていたが、通路向かい側の男性客も時折バスの前窓に向かってカメラを構える。ひょっとしてこの人も同じように津山にアクセスしているのかしら・・・?

Dscn6340 16時前に津山駅に到着。早速、駅の周囲に刀を差した不逞浪人・・・もとい、カメラをぶらさげた不逞の輩、私的に「その筋」と呼んでいる連中がゴロゴロしている。APECの警備よりよほど厳重に警戒すべき連中だと思う。

そしてホームに行くとすでに「その筋」の客が陣取り合戦。それにしても、いわゆる「撮り鉄」の連中って何でそこまで排他的で、会話も一般人が聞き取り不能な隠語だらけなんだか。その風貌、会話、雰囲気・・・いずれ取っても相容れるものではない。こういう輩が線路に立ち入ったり「鉄ヲタ以外立ち入り禁止」などとほざくのである。写真撮影にいいかなと思った場所がそんな輩ばっかりなのですぐに嫌気が差し、別の場所で、「ここなら穏やかそうな人が多いな」というところに陣取る。

Dscn6352 さてキハ28・58は朝方に岡山から津山まで走り、日中は津山の車庫で休憩をしていた。それが発車を前に点検を行い、そろそろ運転手が乗り込むかなという感じでウォームアップをしている。やはりいいですね、このクリーム地に赤の窓枠塗装というのは。かつての国鉄の優等列車の基本といえばこの塗装パターンだしね。JRになってからは各社のイメージに合わせた塗装で走っていたが、やはり落ち着くのはこの組み合わせかな。

Dscn6368 その編成も車庫から引き込み線を回り、発車となる1番線へ。ホームにはあふれ返るほどの人が出ており、また出発記念式典のステージも準備されている。

Dscn6378 この入線時がもっともカメラ部隊が多かったような。私も人垣の間からカメラを向けたが・・・なかなか写せるものではない。

Dscn6388 津山の駅長やら商工会議所の人たちが挨拶する中、「乗車するから」と間を抜けさせてもらい車内へ。

Dscn6399 最近の近郊型のようにロングシートに改造されることなく、ボックス席がズラリと並ぶ。私が指定券を購入したのはキハ28のほうだが、こちらはシートも昔ながらの姿を残しているという。

Dscn6395 さて乗車したのは見るからに「その筋」の客ばかり。車内は○○組の総会も顔負けの「殺風景の、むさ苦しい、誰か刺されてもおかしくないな」という雰囲気である。まあその会話の聞き苦しいこと!「彼らはこういう車内だからはじめて生き生きと会話ができるんだ」と思えば、憐みの情を覚えますがね。

ボックスはほぼ埋まるが、私の隣の窓側席もそうだったがところどころ空席が見られる。これはどういうわけだろうか。投機に失敗して結局紙くずになったか??

・・・これからがキハ28・58のラストランである・・・・。

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