13~14の週末は「お散歩だんらんの会」のオフ会で東京下町を訪れ、京成立石から四ツ木、そして鐘ヶ淵から東向島、曳舟を歩いた。東向島で懇親会を楽しみ、その後は宿泊先である浅草に移動。
この日はつくばエクスプレス浅草駅の上にあるホテル京阪浅草に宿泊。昨年オープンしたばかりということでインテリアも結構感じよい。当初の予定では、翌14日は浅草界隈をぶらつき、久しぶりに浅草演芸ホールで落語を聴き、帰りに神谷バーで一杯やる・・・・というものだった。浅草ムードに一日浸かろうというのかな。
ただ前日に散歩する中で、「せっかく遠征してきたのだから、もう少し先へ足を伸ばそうか」という気持ちになってきた。浅草にいるのだから、ここを起点とする東武沿線。うーん、日光に行くか(ただ、昨日の散歩の中で「日光の紅葉はもう終わってるよ」と言われたが)、蔵の街・栃木では祭りもやっているようだし・・。
そんな中ふと頭に浮かんだのは、わたらせ渓谷鉄道の訪問。この鉄道、最近は首都圏から気軽に訪れることのできるローカル線として、すっかり鉄道旅行の定番となっている。おそらく混雑必至だろうが、久しぶりに乗りに行くのもいいだろう。前回はあじさいの時期だったが、今回は紅葉を楽しめるか。
ということで、翌朝は7時過ぎにはホテルを出る。東武浅草駅までの道すがら、門前町の間に伸びるスカイツリーを眺める。この対照もまた面白いものだ。
東武浅草からは特急「りょうもう」に乗る。日光・鬼怒川に向かうスペーシアとは違った、実直な足利武士の感じのする特急である。
隅田川を渡るとすぐ左側にスカイツリー。すぐ真横を通るが窓から見上げても先端が見えない。改めてえらいものをこしらえるもんやなと感心する。
あいにくの曇り空ではあるが、関東平野を北上する。いつしか埼玉県を過ぎ、群馬県、栃木県と走り、再び群馬県に入る。浅草から1時間40分で到着したのは相老駅。わたらせ渓谷鉄道はここで乗り換えとなる。起点はJR両毛線の桐生であり、桐生~相老が今回乗車できないのは残念だが、まあよしとしよう。
ここで乗り換えとなるが、ホームには団体客、グループ客があふれている。さすが、今や「超」をつけてもいいくらいの人気ローカル線である。その客たちがホームに臨時に出ていた切符売り場に並ぶ。果たして列車の時間に間に合うかヒヤヒヤ。何とか一日フリーきっぷを入手。
相老9時36分発の間藤行きに乗車。2両でやってきたが桐生からもすでに大勢の乗客があり、そこに相老での乗り換え客が加わったものだからまさに山手線状態となった。
幸い2両目最後部が空いており、ここにへばりついて後部から渓谷の様子を眺める。隣にやってきたご夫婦も「座ったって何も見えないよ。こっちのほうがいいよ」などと言っている。
さて今回のわたらせ渓谷鉄道訪問だが、どう乗り継いで行こうか。もちろん帰りの新幹線の時間もあるので、そのあたりを計算しなければならない。となると途中下車の回数も限られてくる。
パンフレットにあった時刻表であれこれ検討した結果、水沼で下車。気動車が出発するのを跨線橋で見送る。
ここでの目的は駅の温泉センター。フリーきっぷ利用客には割引もある。朝10時に開いたばかりということもあって比較的空いており、温泉での朝風呂とする。やや空気がひんやりしており、そこに熱い湯がよく合う。「旅に出てきたな」と感じさせる一時。
次の列車の時間は11時17分発と少し時間があるので、ここで早めの昼食としよう。メニューを見ると「鹿御膳」なるものがあったのでこちらをいただく。鹿の刺身(冷凍)、竜田揚げ、そぼろごはんに桐生うどんという組み合わせ。鹿の肉、結構あっさりとしてます。内田百閒の随筆で「教え子たちを招いて馬の肉と鹿の肉で宴会をやった」という内容のものを思い出した。馬と鹿って・・・。
これに生酒「赤城山」を加えて、午前中にして早くも「飲み鉄」モードである。そうするうちに列車の時刻が近づいてきた。
その列車だが、先ほど乗ってきた列車を上回る混雑ぶり。思わず「ちょっと、これ何やねん!」と口にしてしまう。旗を持った添乗員に連れられた、胸や腰にバッジをつけた団体もいる。あのね、そういう格好で普通の列車に乗りなさんなよ。あなたたちみたいなのがローカル線の雰囲気をぶち壊しているんでは・・・?
まあわたらせ渓谷鉄道としては大勢の観光客が訪れるのがありがたいのだろうし、自身も余所者である私がそういうグチを言っても始まらない(じゃあ、お前が乗るなよと言われたら反論できない)のでしばらく我慢し、次の花輪で下車する・・・・。(続く)
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