やはり広島のカラーというのは「赤」に尽きるのか。
JR西日本が、今年度から従来の115系などの置き換えを目的として、227系という新型車両を広島地区に順次投入すると発表した。
そのイラストがこちら(JR西日本ホームページより)。外観は関西の新快速や山陰線・北陸線の普通車両と同じようなステンレス車両で、カラーを青から赤に、ついでにシートも赤を基調とした転換クロスシートという。JR西日本の近郊型車両というのは、こういうデザインに落ち着いて行くのだろう。
現在の広島は、動画サイトなどで「國鐵廣島」だの「広島ガムテープ」などと揶揄され、カープの「それ行けカープ」の替え歌でこの地区の車両のボロさが唄われるくらいである。その代表格である115系というのは、ローカル輸送、通勤輸送のいずれにも対応できるし、短編成でも長編成でもいける。馬力があって山岳路線でも十分対応できる。一つでいろんな役をこなすその姿は、走攻守いずれにもそつのない「広島野球」・・・または「広商野球」の鉄道車両版と言ってもいいだろう。
ただそれもいつしか時代遅れのように言われ、ターミナルの広島駅もまだまだ田舎駅のような風情があるし(岡山のほうが都会的)、それはそれで味があって鉄道旅行者としてはいいのだが、日常の通勤通学で利用する地元の方にとっては、もう少し何とかならんのかという思いはあったことだろう。新車投入が利便性、快適性の向上につながればいいと思う。
ようやくというか、導入となれば一気に置き換えが進みそうな新型車両。3両編成も多くなるということで、日中などはこれまでの4両編成から3両編成が中心になるのだろう。その分席取り競争が激しくなるかもしれない。効率性だけを求めて短編成化するのではなく、ある程度ゆとりを持った運用というのも考えてほしい。
広島といえば先日見かけた「カープ列車」にもあるように、やはりカープの「赤」がそこまで地域のシンボルカラーとして浸透しているのかと改めて感じさせる。鯉の赤もあるだろうが、何と言っても「赤ヘル」である。メジャー仕込みの合理性と、戦う色としての赤をチームに導入したジョー・ルーツ監督、そしてその後を受け継いでカープの黄金時代を築き、「赤ヘル」を全国区にした古葉竹識監督。改めて地域の力を発信するのにプラスに働けばいいなと思うのである・・・・。