まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第21番「穴太寺」~西国三十三ヶ所巡り・20(嵯峨野観光鉄道)

2015年04月16日 | 西国三十三所
JRの馬堀で下車。ここから線路に沿って数分歩く。見えてきたのはトロッコ亀岡駅である。そう、ここから嵯峨野観光鉄道のトロッコ型列車に乗るというのが、穴太寺とのコラボイベントである。JRの全線に乗った経験があり、山陰線の旧線にも乗ったことがあるが、トロッコになってからは初めてである。やはりどこか遠ざけていたところがあった。

今回はぜひ乗ろうと、前回の六角堂でのサイコロで穴太寺行きが決まった帰りに、京都駅のみどりの窓口で12日のトロッコの指定券を申し込んだ。すると往路復路とも軒並み満席で、亀岡から12時台と16時台にそれぞれ1席だけ空いているとのことだった。ともかく12時台の席(通路側)を抑えたが、さすがに桜の時季である。

朝の予定が早く済んだし、駅の様子も見ようと11時過ぎに到着したのだが、窓口では11時35分発が「立席発売中」、そして私が乗る予定の12時35分発は「指定席発売中」とある。あれ?前は満席ではなかったのか??

これはみどりの窓口での発売枚数を限定しているのか、団体客の枠に空きが出たのか。よくわからないが、立席も含めて現地に来れば何とかなるということか。また、窓のない車両もある。こちらは雨の日は乗れないために当日売りとある。指定券は持っているが、何だか面白そうなので改めて買い直す。

そんなうちに11時台の便が嵐山方面から到着したが、駅は人であふれる。目立つのはやはり中国人観光客。最近どこに行っても中国人の団体ばかりで正直ウンザリすることもあるのだが、観光地とすればありがたい客であろう。あちこちに中国語の表記も見える。団体は迎えのバスに乗る。ここから保津川下りの乗り場は近い。

11時35分発のトロッコも満員で発車。それを見送り、次の便まで1時間を休憩がてらこの駅で過ごす。駅前の売店や京馬車など見るのもよい。

また、保津川もすぐそこを流れている。保津川下りの観光船もやって来る。舳先で棹を差す人は、その後で舟の真ん中まで走るように棹をグイッとやる。

こうした川下りはあちこちあるが、気になるのが「上りの回送をどうしているのか」ということ。まさか、ヴォルガの舟歌のように「えーこら」言いながら人の手で曳くことはないだろう。トレーラーにでも積んで来るのか。

また保津川はカヌーやラフティングにも適しているようで、それを楽しむ向きもいる。こうしたアウトドア趣味、よろしいなと思う。

そろそろ時間が近い。駅に戻るとトロッコの入線である。機関車は嵐山側についていで、亀岡へは客車先頭についた運転台で操作して到着。絵になる機関車が最後尾になるが、こういうところなら起点の嵐山から見た先頭に機関車が来るのではないかと思う。いやそうではなく、保津川の流れと同じく、上流の亀岡から嵐山に走るほうが絵になるという考えなのかな。

私の乗る吹きさらしの5号車は先頭車両。結局は立ち客も出る満席。窓がないのはわかっていたが、足元を見ると金網を通して下も見える。なるほど、結構開放的な車両だ。

出発前にはこんな人も。酒呑童子という設定だが、さらにその手にはアンパンマンのお面が・・・。

立ち客も出てガヤガヤするうちに発車。私の座っているのは進行方向の右側。こちらだと、保津川とは逆の崖側。渓谷を見るなら立ち上がって他の乗客の頭越しに見なければならない。

それでも、列車を通り抜ける風とか、トンネルの中のひんやり感とか、トロッコならではの鉄道旅を楽しめる。最近はローカル線でも窓が開かない車両が多く、それは冷暖房完備で快適さはあるが、それだけにこうした開放感を楽しむ機会は貴重である。背中合わせに女性のロングヘアーが来るのは、気持ちいいような鬱陶しいような・・・だが。

途中で鉄橋を渡り、川がこちらに来た。

トロッコ嵐山で半数が下車して、2~3分で終点のトロッコ嵯峨に到着。亀岡からの時間はあっという間に過ぎた。折り返しの列車を待つ客がホームにあふれていた。終日、こんな感じだろう。

せっかく洛西に来たのだからと、この後は少し歩くことにする・・・。
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