まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

暖冬の鳥取砂丘へ

2016年01月16日 | 旅行記F・中国
朝から智頭急行、若桜鉄道と乗って来て鳥取に到着。時刻は12時を回ったところで、ちょうど昼時である。

鳥取といえば知事が「スタバはないけど砂場はある」と、自県のことを自嘲気味にコメントしたことがあるが、それを受けてできた「すなば珈琲」というのがある。駅前店もあるようで、そこで昼食というのもありかな。

ただ、駅前のビルの1階にあるその店は店の外までこの行列。知事発言からできたことで注目されたこともあり、今や鳥取の新たな観光スポットと言ってもいいだろう。まあ、元々喫茶店にあまり入ることがないし、並んでまで行くほどでもないかなと思い、行列を見るにとどめる。

その代わりというわけではないが、せっかくここまで来たのだから海の幸をいただくことに。駅構内に「魚鮮水産」という居酒屋がある。ちょうどランチタイムで開いており、半個室がちょうど空いていたので通される。お勧めは魚鮮定食ということで、賀露港直送という鮮魚の刺身、焼き物がメイン。

次々に客が入ってくるが、奥の座席では新年会らしい乾杯の声も聞こえる。聞けば昼からがっつり単品メニューや地酒も扱っているという。うう、それなら定食ではなくそれなりの注文をしたところだが、仕方ない。ならば帰りの列車に乗る前にそれらを食べればよいのだろうが、今回は「とある事情」でそれができない。また来た時の楽しみとする。

お腹もできたところでどうするか。鳥取に来たのだからとりあえず砂丘に行こう。普通の路線バスもあるが、市内の観光スポットを周遊する「ループ麒麟獅子バス」というのがちょうど停まっており、そちらに乗車。1回300円は路線バスよりで行くよりも安く、1日乗車券もある。

商店街を抜けたところのホールの前には大勢の若者がいる。1月3日であるが、成人式である。成人の日は今年は1月11日であるが、地方では進学や就職で都市に出ている新成人の帰省に合わせて正月に成人式を行うところもある。鳥取市もそうか。成人式といえば今年もまたいくつかの自治体での荒れっぷりがニュースになっている。そういう連中は新成人のごくごく一部であるとはわかっていても、毎年のように報道されていると、その町自体がそういう連中が大きな顔する、またそれが受け継がれている土壌なんやなという目で見てしまう。ここ鳥取はそういうニュースに出てこなかったようだが・・・。

30分ほどで砂丘に到着。早速入るが、冬の鳥取とは思えない晴天、暖かさである。この日の鳥取の最高気温は17度まで上がったそうである。おかげで砂も泥ではなく、さらさらとしたものが広がる。そんな中、馬の背と呼ばれる丘を目指して歩く。日本離れした景色である。

馬の背に登頂。日本海の風をモロに受けるところだが、ここも冬の厳しさというのは感じられない。中にはわざわざ裸足になって海側の斜面を駆け下りる観光客もいるくらいだ。

まあ、砂の上を走ったり、ここで手製の飛行機を飛ばす分には問題はないのだが、国立公園ということもあり、砂を持って帰ったり、砂丘に落書きをするのはご法度である。そんな中、こういう落書きが見られる(注:画像に写っている男性がこれを書いたわけではない。逆に落書きを消している係りの人だ)。

昼間は観光客の目があるから、夜とか早朝に書くのだろう。「砂に書いたラブレター」のビッグ版ということで、書いたほうかさぞ気持ちいいだろうが、これはNGである。以前に「水曜どうでしょう」の原付の旅で、砂丘に番組名を落書きしたり、砂丘の砂を袋に詰めてその後旅をしたのが自然保護法違反ということで厳重注意を受けたことがあった。それを見て「そうなんや」と知った次第である。ただそれ以外にも、ダカールラリーの真似をして砂丘にクルマを乗り入れて結局動けなくなったとか、砂丘を巡ってのトラブルはちょくちょく発生している。これだけの砂を見ると、子どもの頃の砂いじりの記憶や、砂浜のロマンを存分に味わいたくなるのだろう(実際にやってはいけないことだが)。

砂いじりというと、それを芸術の域まで高めている砂の美術館というのがあるが、今回はいいかなと思う。ちょうどループバスがやって来たのでこれに乗ってしまう。車内は暖房が入っていて暑いくらいだ。

バスはこの先、賀露港や湖山池を経由する。賀露港にはカニの幟や看板が立ち並び、食欲をそそられるのだが結局このままバスに乗車し
駅に戻ってきた。

さてまだ時間はある。市内の見学施設は年末年始で休み。鳥取市内には温泉が湧いているので公衆浴場に行ってもいいが、せっかく青春18きっぷを持っているので、少し足を伸ばすことにした。時刻表を見るに、浜村はどうだろうか。ここも温泉地で、ネットで調べると駅の近くに日帰り入浴可能な施設がある。行き帰りの時間の都合はあるが、現地で1時間くらい滞在できそうだ。

高架ホームに上がると、今や希少価値となったキハ47、しかも首都圏色と呼ばれるタラコ色の車両がいる。この国鉄型気動車に乗れるのもあとどのくらいだろうか。浜村までは30分ほどだが、昔ながらの車両の乗り心地を楽しむ・・・・。
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