6日、わかさスタジアム京都でのオープン戦。天気予報では下り坂だったが、試合中、何とか持ってくれるか。
バファローズ先発はパナソニックからドラフト2位で入団の近藤大。当初はセットアッパーとしての起用も考えられていたが、同じ新加入のコーディエが計算できそうで、これに佐藤達、平野を組み合わせることで後ろを固めるとして、この日先発のテストとなった。
その近藤、初回からグイグイと投げていく。直球も145キロを記録し、スライダーも投げ込む。一死から荻野、角中に連打を許すが、続く井上を遊飛、細谷を一邪飛に打ち取る力強い投球。まずはほっとしたことだろう。一塁のベンチ上には近藤がんばれの紙のボードを出す一団がいる。ルーキーとしては異例で、ひょっとしたら出身の大商大かパナソニックの関係者の方だろうか。


一方のマリーンズ先発は日本通運出身の古谷。どうもバファローズ打線にとって苦手なイメージのある左腕である。先頭に糸井が入り大きな歓声が沸くが、あえなく空振り三振。糸井は次の打席も三振で快音なし。まあ、開幕までにどこまで調子を上げるか。また、今はいろんな打順を試しているが、シーズンでの糸井1番起用というのがあるか。
2回、この回先頭のボグセビックが右前にヒット、宮崎も続く。そして7番のT-岡田。期待されるがボテボテの内野ゴロ。おまけに次の川端のところでT-岡田が盗塁失敗(エンドランのサインが出ていたか)。先制のチャンスをつぶす。
3回、マリーンズが二死一・三塁として一塁ランナーの角中が二塁に走る。伊藤は二塁に投げるが送球が高く、小柄な西野がジャンプして捕球。この間に三塁から伊志嶺が帰ってマリーンズが先制。ちょっともったいない。これには「無理に投げなくてもよかったのでは」という声もある。それでも打者井上を三振に打ち取り、ピンチを1点に抑える。次の回の細谷、中村も三振で三者連続三振として、波に乗ってきた。
ただ、バファローズ打線がピリッとしない。4回もモレルにフェンス直撃の二塁打が出るが、後が続かずT-岡田のところでチェンジ。
5回、近藤がこの回先頭の高濱にライトへの大きな本塁打を浴びる。高濱も今季は内野のレギュラー争いに入っていて、クルーズは抜けたが平沢が入ったというので正念場。阪神から高校生ドラフト一位で指名され、その後小林宏之のFA人的補償でマリーンズに移籍したが、ここまで目立った成績はない。ようやくレギュラーがつかめるかというところでのアピールである。
近藤はこの5回で降板。一発は浴びたが2失点は好投である。事実、翌日の記事では福良監督、酒井投手コーチングともに先発合格、開幕ローテーション入り内定のコメントがあった。私も以前の記事で、「カープの黒田との投げ合いが目標」というのを書いたが、日本シリーズはともかくとして、ひょっとしたら交流戦での投げ合いが・・・?と期待したい。
一方の古谷は涼しい顔でバファローズ打線を抑え、糸井の3打席目に代打・ブランコというのがあったがあっさりと空振り三振。5回無失点と、今季もまたこの左腕が立ちはだかるのかと悩ましい内容である。
6回のバファローズは大山が登板。また中軸も守備交代で入れ替わる。大山は6、7回と走者を出すものの後続を打ち取り、中継ぎ左腕としての存在感を示す。


その7回裏、バファローズにチャンス。マリーンズ3人目の松永から、宮崎、T-岡田の連打でチャンスを作り、川端の代打で小谷野が登場。右中間に上手く落とす二塁打で1点返す。そして続く伊藤のタイムリーで2点。3対2と逆転。ここの連打は見事で、そう、こんな連打がシーズンでも欲しい。


逆転した直後の8回は、昨年一時セットアッパーとして活躍した塚原が登板。しかしヒットと四球で満塁として、中村に2点タイムリーを許して再逆転。満員のレフトスタンドの盛り上がりは最高潮。このままマリーンズが押しきるのかなと。勝ち試合なら9回表は抑えの誰がが出たのかもしれないが、結局は塚原がそのまま登板する。9回は3人で終了したので、まあ次頑張れという感じで収まったのかなと。
そして9回裏。マリーンズのマウンドには5人目の黒沢。名前を知らないので新人かと思ったが、そうではないようだ。まあオープン戦の最終回として出てきたのかな。
バファローズも守備要員の多い打順となったが、先頭は宮崎、次にT-岡田。ここで宮崎がこの試合三本目のヒットで出塁。そしてT-岡田の一振りは・・・。

・・・それが左中間スタンドの吸い込まれる。あっという間の逆転サヨナラ2ラン。一瞬で試合が終わった。この選手の「ここ一番で印象に残る本塁打」というのを何本か見たことがあるが、逆転サヨナラは初めて。公式戦ならホームベースでの手荒い祝福やヒーローインタビューで景気のいい一言があるところだが、オープン戦ということであっさりしたもの。両チームの選手たちの姿はあっという間にグラウンドから消えた。この後は両チームとも帰り支度をして球場の正面からバスで出るようで、出待ちのファンもたくさんいるが、私はもういいかなと駅に向かう。

オープン戦はこれが最初で最後の観戦となるが、今月下旬からの開幕が楽しみである。近藤やモレル、ボグセビックといった新加入組と、それに対する既存組の奮起を期待したい。今季の順位予想は軒並み低いようだが、それを跳ね返してほしいものだ・・・。







最後に番外編。わかさスタジアム京都のスクリーンは全面に映像を流すことができる。試合前にはスタンドにいる少年野球の子どもたちの姿を映していたが、これが手持ちカメラで、配信速度が微妙。ただ試合に入ったイニングの合間には、地元の企業やチェーン居酒屋だけではなく、京都らしさということで、京都駅八条口のリニューアルとか、京都フローラの開幕戦とか、リニアの京都ルート主張とか、今年のGWに開業する京都鉄道博物館のPR映像とかが流れる。ほかには「森の京都」。合わせると、結構京都のピンポイントをついているようにも思えて、また京都を訪れることもあるだろうと感じる。これから京都の町中がどのようになるのかも、見てみたいものである・・・・。





2回、この回先頭のボグセビックが右前にヒット、宮崎も続く。そして7番のT-岡田。期待されるがボテボテの内野ゴロ。おまけに次の川端のところでT-岡田が盗塁失敗(エンドランのサインが出ていたか)。先制のチャンスをつぶす。

























