まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第4回四国八十八所めぐり~遍路ころがしに挑む・1

2016年10月18日 | 四国八十八ヶ所
10月9日(ちなみに私の誕生日)、藤井寺から焼山寺への遍路ころがしに挑む。この歳ともなればそれほど誕生日にこだわりがあるわけではないが、こうした休日と重なったこともあり、ある意味記念、記憶に残ることになるだろう。

・・・さて、このブログで何回か「遍路ころがし」という単語が出ているが、ご覧の皆さんに向けてどんなものか改めて整理する。

遍路ころがしとは、山岳部にある札所への厳しい登り道で、「遍路を転げ落とす」ことからその呼び名がある。四国には何ヶ所かの遍路ころがしがあり、昔から阿波国では「一に焼山(12番の焼山寺)、ニにお鶴(20番の鶴林寺)、三に太龍(21番の太龍寺)」と言われている。その中で最もハードなのが、これから目指す焼山寺への道とされている。これまでの道が比較的平坦なところが多かったところに、いきなり山登りとなるため、特にずっと歩きで巡拝している人にとっては最初の難関と言える。

起点の藤井寺が標高40メートルにあるのに対し、焼山寺は標高700メートルにある。全長12.9キロの長丁場。その途中に急な上り下りが6ヶ所ある。745メートルの最高点まで上ったかと思うと、その後400メートルまで一気に下り、また最後に700メートルまで上る。最高地点までも上り下りがあるので、実質的には山を二つ登るようなものである。この距離も普段歩いているわけでなく、また上り下りのトレーニングをしているわけでもない。一応目安があるそうで、「健脚5時間、平均6時間、弱足8時間」というもの。途中の休憩も含めての時間だろうが、平均の6時間にプラスアルファして、後は参拝と反対側への下りを見込んで、16時半発の神山町営のバスにちょうど間に合うかなという計算で、8時に藤井寺出発とした。

登山口には励ましの札に加えて、「トイレはすませましたか?」の案内もある。焼山寺までの道中、途中の柳水庵というところには水場とトイレがあるにはあるが、後は山の中。もちろん店や自動販売機などないので、水と食べ物は持参である。ペットボトルで水2本、麦茶1本、食べ物はカロリーメイトとウィダーゼリーという携行食。山登りなので、本当はおにぎりとかが似合うのだろうが・・・。

まずは藤井寺の奥に広がる四国八十八所のミニ霊場を行く。もう雨は降らないだろう。前回藤井寺に来た時、ここだけでも回っておけばよかったかなと思う。私の前に登り始めた人が、この祠に手を合わせながらだったので、お先に失礼する。別にタイムを競うものではないが、まずは行けるところまで行こうというものである。

5分ほどで藤井寺の奥の院に着く。大日如来が祀られている。ここから焼山寺への道は、弘法大師が修行の際に実際に行き来したとされ、「最後まで残った空海の道」とされている。

そして小さく「へんろころがし1/6」の表示がある。丸木を埋めた階段がつづら折れに続き、その先を見上げる。まずはこれをひたすら登る。結構息が上がるが、10分ほどで、丸太の椅子もある車道に出る。まずは一つ目をクリア。

この時、遍路ころがしと言っても大したことがないな、と思った。これまで西国、新西国を回る中で、このくらいの坂、階段ならいくつもあった。槇尾山の施福寺、上醍醐、長命寺、安土の観音正寺など・・・。特に西国は一つ一つで見ればハードなところは結構ある。ただ、すぐにその言葉を飲み込んだ。

いつぞやの日本シリーズで、「巨人はロッテより弱い」と言った(とされる)近鉄の某投手のようなことにならないように・・・。

この例えはさておき、まずは車道にも出るし、地元の人が建てたらしい休憩所もある。吉野川方面を見下ろす展望スポットもある。雨は上がったが曇っていて見にくいが、鴨島駅の周辺も見てとれる。普通ならこれで満足、ここから下山なのだがそうはいかない。いよいよ、本格的な山道に入って行くことに・・・・。
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