
・・・さて、このブログで何回か「遍路ころがし」という単語が出ているが、ご覧の皆さんに向けてどんなものか改めて整理する。
遍路ころがしとは、山岳部にある札所への厳しい登り道で、「遍路を転げ落とす」ことからその呼び名がある。四国には何ヶ所かの遍路ころがしがあり、昔から阿波国では「一に焼山(12番の焼山寺)、ニにお鶴(20番の鶴林寺)、三に太龍(21番の太龍寺)」と言われている。その中で最もハードなのが、これから目指す焼山寺への道とされている。これまでの道が比較的平坦なところが多かったところに、いきなり山登りとなるため、特にずっと歩きで巡拝している人にとっては最初の難関と言える。
起点の藤井寺が標高40メートルにあるのに対し、焼山寺は標高700メートルにある。全長12.9キロの長丁場。その途中に急な上り下りが6ヶ所ある。745メートルの最高点まで上ったかと思うと、その後400メートルまで一気に下り、また最後に700メートルまで上る。最高地点までも上り下りがあるので、実質的には山を二つ登るようなものである。この距離も普段歩いているわけでなく、また上り下りのトレーニングをしているわけでもない。一応目安があるそうで、「健脚5時間、平均6時間、弱足8時間」というもの。途中の休憩も含めての時間だろうが、平均の6時間にプラスアルファして、後は参拝と反対側への下りを見込んで、16時半発の神山町営のバスにちょうど間に合うかなという計算で、8時に藤井寺出発とした。







この時、遍路ころがしと言っても大したことがないな、と思った。これまで西国、新西国を回る中で、このくらいの坂、階段ならいくつもあった。槇尾山の施福寺、上醍醐、長命寺、安土の観音正寺など・・・。特に西国は一つ一つで見ればハードなところは結構ある。ただ、すぐにその言葉を飲み込んだ。
いつぞやの日本シリーズで、「巨人はロッテより弱い」と言った(とされる)近鉄の某投手のようなことにならないように・・・。

