まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第4回四国八十八所めぐり~徳島「2ヶ所」まいりへ

2016年10月14日 | 四国八十八ヶ所
朝から列車ダイヤ乱れの影響を受け、ようやく和歌山港まで来た。時刻は10時前。大阪から早朝の徳島行きの高速バスに乗っていれば、途中渋滞していたとしてももう現地に着いている時間だなと思う。まあ、今回は南海フェリーに乗るというのも一つの目的だったので、これもまた良しとする(その分、また記事の文章が長くなってしまうのだが)。

徳島港から折り返しとなる10時35分発の便が到着して、船内清掃の後で乗り込む。連休初日ということもあるし、私のように8時30分発に乗れなかった客も含めて大勢の客である。

今回は桟敷席に陣取ってみる。ちょうど窓側のスペースが空いていて、荷物を並べる。家族連れ、特に小さい子ども連れには人気のスペースである。子どもが他の子どもや赤ちゃんを気にすると、それがきっかけで親同士の会話も始まる。一方で、ようやくフェリーにたどり着いたという電話をする人もいる。話ぶりから、あの特急サザンで尾崎まで行き、そこで身動きが取れずにひたすら待っていたようだ。結局、南海電車は8時50分頃に運転再開したとのことだが、ダイヤが乱れている。

そろそろ出航ということで、その景色を見ようと甲板に上がる。すると「この船の出航は20分ほど遅れます」との放送が入る。おそらく、接続する特急サザンの到着遅れを待つのだろう。ただクルマで乗船の人たちは人身事故は関係ないことで、「何でやねん」となる。甲板でしばらく待つと和歌山港駅に列車が着くのが見えて、それなりの数の客が連絡通路を走ってくる。最後に係員が乗り継ぎ客の乗船完了を確認して乗り込む。結局出航したのは30分遅れの11時05分。

出航後しばらくは潮風に吹かれていたが、せっかくなので桟敷に寝転がる。そしてスマホに落としている徳島バスとJRの時刻表とでこの後の行程を練り直す。とここで、頭を抱えることになる。

フェリーは定刻なら12時50分着で、徳島駅行きの路線バスは13時15分に出る。フェリーが遅れていても、この差ならばバスも接続待ちして乗れるだろう。駅まで15~20分というところ。目指す18番の恩山寺は、徳島から牟岐線で南小松島まで行って30~40分歩くか、路線バスで恩山寺前バス停まで行って10分歩くかだが、このタイミングで徳島駅に着いても、列車、バスとも1時間近く待つことになる。となると、恩山寺に着くのが15時を回ることになり、次の立江寺となると納経所の17時締め切りが厳しい。これはいかん。

ならば、13番の大日寺から始まる徳島五ヶ所まいりはどうか。これも、大日寺最寄りの一宮札所前に行く路線バスの待ち時間が長い。いずれも、昼下がりの本数の少ない時間帯で、乗り継ぎがうまくいかない。

こういうところが、「公共交通機関を使った札所めぐり」の弱点である。時刻表とにらめっこして作った行程がバシッと決まれば無双だが、どこか一つが崩れると全体が崩れる。まだ西国、新西国なら公共交通機関に恵まれていて挽回のチャンスは多いが、四国ではそうはいかない。歩きやクルマで回っている人とはまた違った苦労がある。

この時点で、もうこの日は完全移動日として、徳島に着いたら早々とホテルにチェックインするか、人気の大衆酒場に行くかということも考えた。ただそれはもったいない。せめて近くの札所でも・・・ということで至ったのが、徳島五ヶ所まいりのうち、徳島駅に近いほうだけ行くというもの。徳島線の府中(こう)駅を挟む形で、16番の観音寺、17番の井戸寺がある。府中駅を中心にそれぞれを往復する形になるが、致し方ない。残りをどうするかはまた考える。

そうしようと決めたのは、徳島線の列車が13時50分発ということで、徳島駅での待ち時間が短いということからである。小松島でもなく、徳島五ヶ所まいりでもない、「徳島2ヶ所まいり(それも近いほうだけ)」という中途半端な行程だが、0よりはマシである。

こんな計画を立てたり、ウトウトするうちに徳島入港である。出航は30分遅れだったが、途中挽回して5分遅れまで縮まった。これはフェリーの底力だろう。

徳島港に到着。早くもバス乗り場に長蛇の列ができる。一方では、急ぎなのかバスの混雑を嫌ってなのかタクシーに乗る客も多い。徳島市営バスも、1台では乗り切らないと判断して続行便を出すとの案内がある。何とか1台目に乗ったが、車内はびっしり。途中のバス停から乗る地元の人もびっくりしていた。この人たちもバスには何とか乗れたからよかったものの、浜寺公園の人身事故が徳島で普通にバスに乗ろうとした地元の人たちにも影響するのかという展開に腕組みしてしまう。

途中の乗車に手間取ったり、その前に市街地が渋滞したりして、徳島駅にバスが着いたのは、目指す列車の5分前。これも危うかった。ここから荷物をコインロッカーに入れ、券売機で府中までのきっぷを買い、改札口の前のホームに停まっていた穴吹行きに何とか間に合う。府中に着くのは14時01分、16番の観音寺に着くのは14時半かな。何とも厳しい初日の行程である・・・・。
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