このところ2016~2017年の年越し、そして年明けのことを書いている。四国八十八所、新西国三十三所のシリーズが続いているところである。
1月の7日は職場の行事で寝屋川の成田山不動尊、そして伏見稲荷への参拝。翌8日は同じく職場の行事で伊勢神宮への参拝である。年末から寺社詣りが続いているが、成人の日はもういっちょう、加古川の鶴林寺に向かうことにする。前の記事でも触れたが、青春18きっぷの残り1回ぶんを使う最後のチャンスで、JR沿線でなるべく遠いところという意味ではピタリとはまった感じである。天王寺から加古川まで片道1490円だから、往復だけでお得である。
加古川が目的地と書いたが、目指す鶴林寺はJRの加古川と山陽電車の尾上の松の中間にある。普段の時季なら山陽電車で行ったかもしれない。
9日は少しゆっくりめに出発する。朝のテレビでは前日8日に全国で行われた成人式のニュースで、毎度のことながらド派手な衣装やら、飲酒してバカ騒ぎするやら、警察に暴行を働いて逮捕される新成人の映像が何度も流れる。そういうのは新成人のごく一部の連中だとはわかっているが、こういうニュースを面白半分に流されるのを見ると、もう役所主催の成人式などやめてしまえと思う。対象者に通知書と記念品を郵送するくらいでいいのではと思う。
大阪10時15分発の新快速に乗り、加古川に向かう。この日の天気は変わりやすく、一時雨の予報も出ている。加古川には50分ほどで到着したが、まだ天気が持った状態である。
鶴林寺にはコミュニティバスも出ているが、駅から2キロほどということで歩いて行くことにする。歩いて行こうと思ったのにはもう一つ理由があり、旧国鉄の廃線跡めぐりをしようというものである。
旧国鉄高砂線。加古川と高砂を結んでいた路線で、元々は加古川の舟運に替わる輸送手段として建設された。どちらかといえば貨物輸送メインで、山陽本線や山陽電車が近くを走ることから旅客利用は元々少なかったようである。路線として短区間で地味だったためか、宮脇俊三の『時刻表2万キロ』でもこの辺りの未乗車区間の乗りつぶしのところであっさりと触れた程度であった。
高砂線は1984年に廃止され、今は町の開発でその痕跡もほとんど残っていないが、途中に野口という駅の跡があるそうだ。この野口は、別府(べふ)鉄道という、これも貨物メインだった私鉄の分岐駅であった。この別府鉄道も高砂線と同時に廃線となった。なおこちらは同じ宮脇俊三でもローカル私鉄の乗り歩きを連載した『時刻表おくのほそ道』で一章を割いて取り上げられている。私ももう10年早く生まれていたら、貨客混合のこの珍しい路線に乗りに行っていたことだろう。
・・・新西国三十三所めぐりの話が鉄道のほうに脱線したが、鶴林寺も高砂線とは無縁ではない。その名も「鶴林寺」という駅があったわけで・・・。
加古川駅から南へ、野口駅跡のほうに見当をつけて歩く。前からスーツや振袖姿の新成人が歩いてくる。加古川市はきちんと成人の日に成人式を行うようだ。この時間は式典と食事会のインターバルのようで、市役所に隣接するホールの前の敷地から賑やかな話し声が聞こえてくる。この後ニュースにも出なかったから、こちらの成人式は粛々と進んだのであろう。



市役所の先に市立の松風ギャラリーというのがあり、その横に駅名標が立てられていた。ここが野口の駅跡である。ギャラリーの横らしく、レールとレールに乗った台車がオブジェのように置かれている。面した道路は歩道部分が心持ち広く、これは昔線路があったところかと想像する。


100メートルほど南に交差点があり、その先に遊歩道がある。こちらは松風こみちという、別府鉄道の線路跡を整備したものである。別府鉄道のほうもところどころかつての線路跡が窺えるそうだ。鉄道の廃線跡めぐりをしている方のホームページやブログでもこの両線が紹介されている記事が結構あるので、また参考にしたい。
松風こみちをこのまま歩くと鶴林寺には着けないので、途中から元の道に戻る。500メートルほどで緑地が見えてくる。鶴林寺の裏手にある公園である。

その一角にこのような物件がある。C11蒸気機関車。愛知の日本車両で製造され、その後は姫路の機関車区に在籍し、高砂線でも運用されていたようである。なるほど。ただ、横にある駅名標が「ひがしかこがわ」というのは惜しい。廃線から蒸気機関車保存までの間で、「かくりんじ」の駅名標は処分されてしまったのだろう。
蒸気機関車を見た後は立派な山門に出る。聖徳太子ともゆかりがあるとされる鶴林寺に入るが、とうとうここで雨が落ちてきた・・・。
1月の7日は職場の行事で寝屋川の成田山不動尊、そして伏見稲荷への参拝。翌8日は同じく職場の行事で伊勢神宮への参拝である。年末から寺社詣りが続いているが、成人の日はもういっちょう、加古川の鶴林寺に向かうことにする。前の記事でも触れたが、青春18きっぷの残り1回ぶんを使う最後のチャンスで、JR沿線でなるべく遠いところという意味ではピタリとはまった感じである。天王寺から加古川まで片道1490円だから、往復だけでお得である。
加古川が目的地と書いたが、目指す鶴林寺はJRの加古川と山陽電車の尾上の松の中間にある。普段の時季なら山陽電車で行ったかもしれない。
9日は少しゆっくりめに出発する。朝のテレビでは前日8日に全国で行われた成人式のニュースで、毎度のことながらド派手な衣装やら、飲酒してバカ騒ぎするやら、警察に暴行を働いて逮捕される新成人の映像が何度も流れる。そういうのは新成人のごく一部の連中だとはわかっているが、こういうニュースを面白半分に流されるのを見ると、もう役所主催の成人式などやめてしまえと思う。対象者に通知書と記念品を郵送するくらいでいいのではと思う。


旧国鉄高砂線。加古川と高砂を結んでいた路線で、元々は加古川の舟運に替わる輸送手段として建設された。どちらかといえば貨物輸送メインで、山陽本線や山陽電車が近くを走ることから旅客利用は元々少なかったようである。路線として短区間で地味だったためか、宮脇俊三の『時刻表2万キロ』でもこの辺りの未乗車区間の乗りつぶしのところであっさりと触れた程度であった。
高砂線は1984年に廃止され、今は町の開発でその痕跡もほとんど残っていないが、途中に野口という駅の跡があるそうだ。この野口は、別府(べふ)鉄道という、これも貨物メインだった私鉄の分岐駅であった。この別府鉄道も高砂線と同時に廃線となった。なおこちらは同じ宮脇俊三でもローカル私鉄の乗り歩きを連載した『時刻表おくのほそ道』で一章を割いて取り上げられている。私ももう10年早く生まれていたら、貨客混合のこの珍しい路線に乗りに行っていたことだろう。
・・・新西国三十三所めぐりの話が鉄道のほうに脱線したが、鶴林寺も高砂線とは無縁ではない。その名も「鶴林寺」という駅があったわけで・・・。
加古川駅から南へ、野口駅跡のほうに見当をつけて歩く。前からスーツや振袖姿の新成人が歩いてくる。加古川市はきちんと成人の日に成人式を行うようだ。この時間は式典と食事会のインターバルのようで、市役所に隣接するホールの前の敷地から賑やかな話し声が聞こえてくる。この後ニュースにも出なかったから、こちらの成人式は粛々と進んだのであろう。










