まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

三重県内サイコロの旅・1~まずはサイコロの起点へ

2017年06月19日 | 旅行記D・東海北陸
このブログでも飲みや野球で登場する鈍な支障さん。例によって大阪市内で飲んでいた際に、話はいつしか「三重県」についてのことになった。

「三重県って近畿地方とも東海3県とも取れるし、どちらにも当てはまる文化がありますねえ」

「三重県って結構南北に長いですよね。近鉄の終点の賢島も県の中では真ん中らへんだし、北は桑名、四日市から、南は鵜殿村まで全部三重県」

・・・などという話の中から、あるいは同県の観光キャンペーンのキャッチフレーズの「実はそれ、ぜんぶ三重なんです!」から来る多様性やさまざまな名物などは面白いなとなり、ならば一度一泊で出かけますかということになった。決行は6月17日~18日。

おっさん二人での旅となると5年前にさかのぼる。本当はここにもう一人加えたいところなのだが、その人は6年前に長い長い旅に出たきりである。今から呼び戻すことはできない・・・。

さて、どこをどう回るかだが、いっそのこと「サイコロの旅」方式を取ることにした。どこに行くか、そしてどこに泊まるかをサイコロに任せるもの。当然、エリアは南北に長い県全体となる。その中で、同じ近鉄南大阪線沿線に住んでいるし、現地へのアクセスと県北部・中部の移動は近鉄がメインとなることから、近鉄の「週末フリーパス」を各自購入する。4100円だが、週末3日間有効だし、大阪からの移動プラスアルファで十分元は取れる。

また、サイコロの旅の起点は伊勢中川とした。近鉄大阪線、名古屋線、山田線の接点で、三重県には大阪線沿線の伊賀の国もあることから、どの方向にも行けるようにと選んだ。まずは朝の急行で伊勢中川まで行き、サイコロとする。そして宿泊は当日予約サイトを見て、空いているビジネスホテルを取ることにする。本家サイコロの旅のように深夜バスで博多まで行くとかいうのはない。

・・・そこまで支障さんと打ち合わせ、あと数日で出発という中で、どんなところが宿泊の候補になるかと、いつも利用している予約サイトを開く。ただそこで驚き。17日に空室のあるホテルがほとんどなかったのだ。特に連休というわけでもない普通の土曜日だが、普通に旅行やビジネスの利用が多いのだろう。他の予約サイトも同じような状況で、当日、6つの選択肢からどれになるかサイコロで!・・・と悠長なことは言ってられないようだ。やはり宿だけは決めておこう。近鉄四日市駅前でかろうじて1軒空いていたホテルを2部屋押さえる。これでゴールは四日市となったが、本家サイコロの旅のように時間内に戻れなければゲームオーバーではなく、そこそこの時間になれば四日市に強制移動とする。あくまで、三重のいろんなところをランダムに回るのがお楽しみである。

17日、朝6時すぎの近鉄南大阪線に乗り込み、橿原神宮前、大和八木と乗り継ぐ。大和八木7時13分発の五十鈴川行き急行で、4両の転換クロスシート車には立ち客も出ている。2分前に発車した宇治山田行きの特急はガラガラだったが。近鉄特急というのはトータルで見て黒字なのか赤字なのか、そんなことを言いながら、次の停車駅の桜井で席が空いたので座って移動。赤目口からはもう「三重県の旅」だが、まずは急行でそのまま伊勢中川に向かう。

8時23分、伊勢中川に到着。さあここでサイコロの1回目。もっとも実物を投げるのではなく、これまでも札所めぐりで使っているサイコロアプリだが・・・。選択肢は、「まずは列車を乗り継いで、鉄道の終着駅を目指す」というテーマで出した次の6つ。

1.阿下喜(三岐鉄道北勢線)

2.西藤原(三岐鉄道三岐線)

3.湯の山温泉(近鉄湯の山線)

4.賢島(近鉄志摩線)

5.平田町(近鉄鈴鹿線)

6.伊勢奥津(JR名松線)

北から順に並べたが、四日市あすなろう鉄道の内部と西八王子は外した。ナローゲージ枠は北勢線のほうが面白いかと。一方で伊勢奥津はいきなり罰ゲーム的要素がある。確か松阪を9時半すぎに出る便がある。「もし伊勢奥津が出たら、名張に抜けられないですかね?」とは支障さん。

最初は私がサイコロで、出たのは・・・5。平田町とは、この中ではもっとも地味かと思う。だからというわけではないが、私自身近鉄で唯一乗っていなかったのがこの鈴鹿線。こういう時でなければきっかけがなかったかもしれない。まあ、鈴鹿線は距離も短いので、次のサイコロにも早く移れるかと。

早速、ホームの向かい側に来た名古屋行きの急行に乗り継ぐ。同じ近鉄でも名古屋線、それもアーバンライナーではなく急行乗り継ぎも新鮮である。すれ違う列車の広告が中日新聞、車内でおっさんが広げるスポーツ紙が中日スポーツなのも、三重県らしい光景である。

8時56分に伊勢若松に着く。向かい側には9時02分発の平田町行きが停まっている。3両編成だがワンマン運転。幹線からローカル線の趣で、周りも広い水田が目立つ。

途中、沿線の中心である鈴鹿市で半分ほど下車した後、伊勢若松から10分ほどで平田町に着いた。このミニ路線であるが、私としてはこれで近鉄全路線制覇となる。別に支障さんに大々的に報告するものではないが・・。

このまますぐに折り返す手もあるが、まだ9時過ぎ、支障さんも初めての平田町はどんなところか。駅前の案内板を見ていた支障さん、まずは駅前が結構開けているのに感心して、「ちょっとここ、行ってみましょうか?」と提案する。それは面白く、別に時間は気にしないサイコロの旅。平田町はどんなところなのか興味を持ちながら、日射しがある中でまずは歩き始める・・・。
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