
さてこれからサイコロの目で出た鬼ヶ城を目指そうとするが、改めて案内板を見ると駅から1.8キロとある。熊野市の滞在時間が1時間15分しかない中で、これは歩いて回るには少し厳しいかなと思う。路線バスは通っているがダイヤは合わないし、タクシーを使うのもどうかと思う。
ここでふと、同じような奇岩ということで獅子岩はどうかと思う。ここなら駅から1キロの距離で、さらに300メートル先に花の窟神社がある。いずれも熊野古道の一部としてユネスコの世界文化遺産(今度は正真正銘形のあるもの)に指定されている。長い歴史古道のごく一部のスポットではあるが、ここまで来た甲斐がこれで出てくるというものだろう。
駅前の商店街を獅子岩方面に歩く。古い感じのホテルや旅館もあり、獅子岩の先の国道42号線沿いにはユースホステルを兼ねた青少年の家もある。少し離れてイオンとオークワの看板が並んで見えて、先の記事にも書いたが三重県の中でも和歌山方面とのつながりが強い、紀州らしさを感じさせる。そんなことを話すうち、交差点で信号待ちをしていた自転車に乗った地元の人らしいおっちゃんを見かけるが、着ていたTシャツにはなぜか「南海ホークス」のロゴがあしらわれていた。中日ドラゴンズではなく、(三重県に多くの路線を持つ)近鉄バファローズでもない。和歌山県に乗り入れている南海というのが「三重の紀州らしさ」を連想させる。
















