まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

BCリーグ観戦記・石川対武蔵@弁慶スタジアム(最後まで接戦)

2017年08月07日 | プロ野球(独立リーグほか)
小松市の弁慶スタジアム。2008年に建て替えられたそうで、なかなか立派な造りである。最初は、内野のフェンスが低いこともあり、ベンチ上の辺りから観戦しようということでシートに腰かけるが、何せこの暑さ。シートが焼けるように熱い。これでは熱中症になるなと、ネット裏上段の庇の下に向かう。日陰になるだけでなく風通しもよい。先客も応援団を除くとこのエリアに固まっている。

BCリーグの観戦には少年野球の子どもたちも訪れる。この日も近隣のチームがいくつか来ていたが、庇の下に入れなかったチームはスタンド上に仮設のテントが貼られている。これは自前か、球場が用意したか。観るほうも大変である。ちなみに、一塁側スタンドに子どもたちが大勢集まっているのは、試合開始前に行われる選手からのサインボールの投げ入れのため。

この日は入口で石川ミリオンスターズとも提携した人権啓発のPRが行われており、オリジナルのうちわ、選手カード、チケットホルダーが来場者に配られた。BCリーグの各チームは地元密着の一環としてさまざまな活動に提携しているが、石川についてはなかなかの力のいれようである。また、同じく渡された別のパンフレットでは、8月19、20日に弁慶スタジアムにて「小松勧進帳高校野球交流試合」が行われるとある。小松地区の高校の他に、ゲストには何と大阪の履正社高校が来るそうだ。この期間はまさに甲子園の大会中だが、履正社が小松に来るとは、どの時点でオファーが出ていたのかな(まさか、大阪大会準決勝で大阪桐蔭と履正社の敗けたほうに・・・ではないと思うが)。

さてグラウンドに目を向ける。武蔵ヒートベアーズの練習中で、ノックバットを手にしているのは元ロッテの角コーチ兼任選手。左サイドからの変則投法の角盈男氏の息子である。まだまだNPB復帰の道も探っているようだ。ちなみなは監督は元ロッテ、阪神投手の小林宏之。

一方石川はこれも元ロッテの渡辺正人監督がノックバットを握り、総合コーチには昨年で現役引退した日本ハムの武田勝がつく。また投手兼任コーチにはメジャー経験もある多田野数人。BC、四国とも、こうしたNPBで活躍した人を観るのも楽しみの一つである(中でも、2年前に金沢で観たフリオ・フランコ(石川)対タフィー・ローズ(富山)というのは、ともに選手兼任だったこともあり強烈に覚えている)。もちろん、これから上のステップを目指す若い選手に注目しないといけないが・・。

石川の先発は今季高校新卒で加入の左腕の石川。序盤は武蔵の打者相手に討たせて取る順調な滑り出しである。

一方武蔵の先発は右腕の海老沼。阪神の藤川にちょっと似たフォームからの投球である。まず迎える石川の先頭打者・宮澤の打球はセンターへ。これがバックスクリーン方向への風に乗って伸びる。見事な先頭打者本塁打で石川が1点先制。

3回表、武蔵の先頭打者の熊谷のゴロを石川の三塁・サルセドが悪送球。この後盗塁と四球で無死一・二塁と同点のチャンスと迎え、続く横田はピッチャー前へのバント。普通の送りバントになるかと思いきや、マウンドの石川が一塁への悪送球。ボールが転々とする間に走者が二人ともホームイン。1四球、2失策で2点とは、攻撃側からすればスキのない野球、守備側からすればスキだらけの野球だろう。この後一死二塁から武蔵の加藤が三塁へのバント。またも三塁・サルセドがエラーするが、今度は三塁を回って突っ込んだランナーはタッチアウト。攻撃側からすれば暴走、守備側からすればエラーのちラッキーな野球だろう。2対1と武蔵がこの回で逆転である。

それでもその直後の3回裏、石川は二死二塁からアセンシオがライト前に技ありの一打。これで2対2と同点。

この試合はここからも接戦となる。5回表には武蔵の熊谷がレフトへの大きな当たりを放ち、フェンスを越える。武蔵のこの試合初安打が勝ち越し点となる本塁打。1試合を観ただけのことなので何とも言えないが、両チームを比べると武蔵の打者のほうがバットを振り切っていたように見えた。この本塁打もその一つかなと思う。

ただ5回裏、石川は一死一・二塁として再びアセンシオ。今度も当てただけの打球がライト前に行き、3対3とまたも同点に追いつく。ここで武蔵の海老沼は降板。変わった岡本も四球で一死満塁とピンチを広げるが、後続を三塁ゴロと三振で切り抜ける。

途中、あまりの暑さのためか、それとも最初からそのような予定だったのか、試合前には何チームもいた少年野球チームの子どもたちは、保護者と一緒に1チーム、また1チームとスタンドを後にする。こういうのも残念な光景だが、子どもたちを最初のサインボール投げ入れ以外のところでも最後まで引き止めるだけのプレーがあればなというところか(もっとも、この日はそれよりも熱中症が心配だった・・・ということなのかもしれないが)。

石川先発の石川は5回で交代となり、6回には多田野が登板する。ヒットは許したが、NPB当時と変わらぬ飄々とした投球で1回を無得点に抑える。この後は両チームとも毎回のように継投策である。

7回裏には、石川がアセンシオの猛打賞となるヒットと桑原の二塁打で無死二・三塁と絶好のチャンスを迎える。続く安井の打球は三塁へのゴロ。三塁走者のアセンシオは本塁に突入するがブロックされてタッチアウト。なおこのプレーが危険プレーだとされて、アセンシオには警告が出された。それでもランナーが二人残っているが、続く小林が最悪の併殺打。これにはスタンドもがっかり。チェンジの時に、猛打賞の記念ということでアセンシオがスタンドにサイン入りのゴムボールを投げ入れたのだが、その姿は半ばヤケ気味のようにも見えた。

それでも8回裏、またも一死一・二塁とチャンスを作り、代打・白水のボテボテの当たりが三遊間を抜ける。今度は二塁走者が無事に生還して、終盤に来て1点の勝ち越し。あと1回、何とかこのまま石川が逃げ切れるか。9回表を迎えるに当たり、ここでトイレのために一旦席を立つ。

・・・トイレの中では球場の歓声はよく聞こえなかったが、再びスタンドに上がると、「関口選手のホームランでございます」と放送が流れた。最終回の武蔵の攻撃、代打・関口が本塁打を放ったようだ。相手方選手の本塁打、それも同点本塁打ということで一塁側は静まり返った。石川のマウンドにはサイドハンドの抑え・寺田がいた。まだ後続を抑えればよかったのだが、四球とヒットで一死一・二塁のピンチ。ここで続く加藤がレフトへの見事な流し打ち。シーソーゲームも9回に来て武蔵が勝ち越した。

9回の武蔵のマウンドにはこちらも抑えの永田。石川も走者を出すが最後は見逃し三振。5対4で武蔵の逆転勝利となった。ヒットは石川11本、武蔵8本、そしてエラーは石川3個、武蔵2個という内訳である。試合とすればシーソーゲームで、たまたま観戦することになった中で最後までわからなかった展開だったが、観る人が見れば締まらないものだったかもしれない。石川、武蔵ともそれぞれのリーグで後期も勝ち星が今一つ伸びていないのも、こういうところがあるからなのかなと思う(あくまで、1試合を観ただけの感想でしかないが)。

暑い中、最後まで観て小松駅に戻る。ここから特急に乗ればそのまま大阪に戻れるが、元々は福井(三国)で観戦するつもりだったので、特急券は福井~大阪のみだった。いったん福井まで鈍行で移動して、途中下車の後で大阪に戻ることにする。この日は大阪~小松~福井を青春18きっぷ1回分でまかなう結果となった。

鈍行で移動する前に、構内の白山そばのスタンドで天ぷらそばをいただく。乗り込んだ鈍行は金沢発敦賀行きで、青春18きっぷの利用者が好んで乗り通す感じの列車である。そろそろ西日が傾く車窓を抜け、福井に到着。

30分ほど時間があるので改札を出る。18時を回ったところだが駅弁はほぼ完売。車中の食事は適当なものにするとして、一旦駅前に出る。夏祭りでもあるのか浴衣姿の若者が目立つ。駅前で恐竜の像を入れた駅舎の写真を撮り、再びホームに上がる。元々は指定席を抑えていたのだが、このタイミングは自由席でも2人並びの席に空きがあり、そちらに陣取る。大阪までは2時間。行きの鈍行乗り継ぎと比べるとあっという間に戻ってきた。慌ただしい、暑い中であったが面白い観戦ということになった。

ちなみに、この日に三国で行われた福井対滋賀は、4時間を超える熱戦の結果、12対9で福井が勝利したとのこと。まあ、滋賀についてはこの後も地元開催の試合で行く機会があればなと思うのであった・・・・。
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