まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

大相撲平成30年春場所初日観戦~久しぶりの相撲観戦の雰囲気

2018年03月11日 | ブログ
このところ土俵の外での騒ぎがいろいろ出ている大相撲だが、3月11日、春場所が初日を迎えた。相撲観戦の人気のほうは土俵外の騒ぎとは無縁、どころか逆にこれまで以上に注目されている。チケットの確保も結構厳しくなっている。私も過去に、前売りの一般発売の開始日を一日遅く間違えてしまったことがある。それに気付いたのは、前売り開始日の夜のネットニュースか何かで「全日程の前売り券が完売した」という記事に触れたことだった。

今年は日程も押さえて、何とかチケットを確保することができた。実質1日まるまる行ける日として初日の11日を選択する。

朝の8時前、会場となるエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)に着く。外の歩道まで行列ができている。当日券となる自由席券を買い求める列だが、確か300席程度しかなかったのでは。入場口には無事に自由席券を買えた客もすでに多く並んでおり、この分だと外の列に並んでいても自由席券を買えない人が相次ぐのではないかと思う。事実、8時15分の開場前に完売となり、窓口も閉められた。この自由席、朝何時くらいから並んでいれば確保できるものだろうか。(後で、客同士の会話を聞く限りでは、6時くらいに並べば何とかなるのではないか・・・ということが言われていたが、もちろん100%保証というものではないだろう)

時間となり入場する。私は指定席のため慌てて関取、もとい席取りに走ることもなく、まずは玄関に飾られた賜杯、優勝旗や各賞のトロフィーなど見る。そして一度自分の席の位置を確認した後で、土俵溜に向かう。こちらのほうもすでに結構な数の人が座布団に腰かけている。ただどう見ても土俵溜の席の主ばかりではない。当然、自分の指定されたエリア、座席で観戦するのがルールだが、こと相撲の本場所観戦においては、幕下以下の取組では土俵溜や枡席も、本来の席の主が来るまでは座っていても特にとがめられることはない。まあ黙認というところか。

しばらく土俵周りに静寂が訪れ、8時35分、拍子木と共にまずは審判団が入場。そして序ノ口の1番目、2番目の力士が入ってくる。初日のため前相撲は行われない。

最初の取組、いわば「春場所の開幕カード」は、謙豊に対して服部桜(西方力士)。特に服部桜に対して「がんばれ!」「勝てるぞ!」と早速声援が飛ぶ。というのもこの服部桜、1月場所まで通算1勝96敗1休という成績の持ち主で、現在74連敗という大相撲ワースト記録を更新しているとして、知る人ぞ知る力士なのである。敗戦の中には「無気力相撲」と判定されたものもあるが、双葉山の連勝記録「69」の真逆を行く、誰にも真似ができない記録と言ってもいいだろう。なお、茅ヶ崎の出身だそうだが、ウィキペディアの記載によると野球はオリックス・バファローズファンなのだという。これは応援しなければ?

しかしこの開幕カード、立ち合い当たったものの、巨漢の相手に寄られてあっさりと土俵を割る。「自分から土俵割ったらあかんやろ!」というヤジも飛ぶ。自分から土俵を割ったかどうかはさておき、これで連敗記録が75に伸びた。さてこれからどうするか。

序ノ口といえば、先場所ともに前相撲ながら話題になった納谷(大鵬の孫、貴闘力の子)と豊昇龍(朝青龍の甥)がいるが、いずれもまだ7番勝負とあり、出番は2日目以降となるようだ。そんな中で序二段へと進み、こちらも少しずつ座る場所を変えて観戦する。ほとんどが四股名も初めて目にする力士たちだが、将来の関取を目指して1番1番勝負する姿というのは面白いものである。

客席が沸いたのは、朝阪神という力士。元は朝塩本という四股名だったのが、この春場所前に改名したという。大阪出身で熱心なタイガースファンとのことで、客席からも「阪神!阪神!」の声援が飛ぶ。そうなるとあまのじゃくが必ず一人はいるもので「巨人!」と叫ぶ御仁もいる。この時は笑いが起こったが、その後調子に乗ってか「ヤクルト!」と叫んだ時は反応がなかった。要はウケなかったということだが・・・(実は私、阪神に対抗して「オリックス!」と叫んだろうかと喉元まで出ていたのだが、そのまま呑み込んで腹にしまっておいてよかった)。取組は朝阪神が相手を土俵際まで追い込んだが、土俵際で投げを打たれて「逆転サヨナラ負け」。

土俵溜での観戦は迫力あり、場所を変えながら楽しんでいたが、結構早い時間から本来の席の主たちが相撲案内所(茶屋)のお兄さんの案内でやって来る。日曜日ということもあるのだろうが、番付が下の力士のうちからナマで観戦しようという向きも結構あるようだ。まだ序二段から三段目に差し掛かるところだが、もう早めに自席に行き、ビールでも飲みながらゆったりと観戦することにしよう。

2階のイスA席だが、土俵までの距離は近く感じる。近くで観戦している人は話から関東の方のようだが、「A席でも国技館のA席より全然近いね」などと言っている。私も以前に国技館のイス席で観戦したことがあるが、2階席の上のほうの席だと本当に2階から見下ろす感覚だったのをおぼえている。一方で府立体育会館は座席が少なく、土俵までの傾斜も緩く感じる。そんなところで焼鳥などつまんでビールで流し込み・・・。

三段目の途中、「大阪府藤井寺市出身」という放送が聞こえ、改めて「えっ?」と土俵を向く。三段目の春日岫(かすがみね)という力士。春日山部屋から、以前にあった名跡継承の問題もあり、現在は中川部屋に所属。戦績を検索すると年齢がもう30代後半であるが、最高位はまだ三段目だという。逆に、相撲教習所での若手コーチ役を務めているのだとか。藤井寺市出身の力士と聞いて思い出すのは、昭和から平成の初期に幕内で活躍した、現・若者頭の花ノ国だが、現役にこうしたベテランの力士がいるとは知らなかった。この日は惜しくも敗れたが、これからも長く相撲を取ってほしいものである。

・・・取組がまだ三段目までしか進んでいない場面だが、ここまでで結構長くなったので、一旦終了とする。次回、日ずれのため観戦記としての新鮮味は大きく落ちることになるが、やはり番付が上の力士たちは違う!というところを書いていきたいところである・・・。
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