まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第8回中国観音霊場めぐり~天寧寺(尾道七佛めぐり)

2019年12月07日 | 中国観音霊場

千光寺から石段や坂道を下ると、重厚な感じの三重塔を上から見るポイントに出る。これが天寧寺の三重塔で、尾道の町並みをバックにしたこの塔も有名なスポットの一つである。ちょうど秋らしい風情だ。

天寧寺は室町時代、足利義詮の寄進で、普明国師により開かれた。この三重塔も建てた当時は五重塔だったのが、江戸の元禄年間に老朽化のため上の2層を取り払い、現在の形になったという。

この三重塔は今の寺の境内とは独立したように建っていて、境内にはもう少し歩いて行く。猫好きには「猫の細道」という一角もあるのだが、戻る方向になるのでとりあえず先に進む。こちら側から来たらそうなるのか、また境内の裏手から入る形となる。

本堂の扉を開ける。開創当時は武家の保護だったこともあり臨済宗だったが、江戸時代になると曹洞宗に変わったそうである。同じ禅でも臨済宗と曹洞宗の違いを私は理解していない。これまでの札所めぐりで出てきたのは多くが真言宗か天台宗の流れだったが、中国観音霊場めぐりとなると中世の禅の流れの札所も結構ある。またこうした教えは何ぞやということも勉強する必要がありそうだ。

境内の一角に五百羅漢が祀られている。この扉を開けるのは初めてだが、その向こうには思わずうなる景色が広がっていた。

総勢526体の羅漢たちのお出迎えである。五百羅漢が祀られているところはこれまでにいくつか出会っているが、天寧寺の羅漢はその中でも密度が濃く感じる。小さなお堂の中に密集しているからだが、先ほどの本堂で手を合わせると合わせるよりご利益がありそうだ。五百羅漢に見守られながらのお勤めとする。

納経所に向かう。本日は法事で住職が不在のため、朱印は書き置きでの対応とある。尾道七佛めぐりのスタンプは通常対応ということで寺の方に押していただいたが、もし中国観音霊場めぐりだったら、いつぞやの法界院みたいにまた出直さなければならないところだった。なお、七佛めぐりのご利益は「病気平癒祈願」。もっとも、病気平癒のご利益の由来は五百羅漢ではなく、本堂内に祀られていたびんずる(賓頭盧)さんだという。「さすり仏」として地元の人たちに慕われているそうだが、ごめんなさい、この時全く見ていなかった。五百羅漢の中にびんずるさんみたいな方(というか、見た目はほぼ同じ方ばかり)がいたということにしておく。

順序が逆だが山門から外に出る。石段の途中で山陽線の低いガードをくぐり、国道2号線に出る。残すは最後の持光寺だが、いったん商店街のアーケードに入る。こちらにもラーメン店や観光客向けの店が並ぶ。

このままいったん駅の出前まで進み、林芙美子の像の前から再び踏切を渡る。尾道七佛めぐりもあとわずかだ・・・。

コメント