29日、この日は富山を経て糸魚川を目指すわけだが、大阪駅に向かわずに御堂筋線のなんばで下車する。
そのまま近鉄の大阪難波のホームに向かう。今回乗ることにしたのは6時発の名古屋行き特急、アーバンライナーである。デラックスシートは1人掛けシートはほぼ埋まるものの2人掛けシートはグループ客が2~3組いる程度で空いている。
新潟県を目指す旅なのに名古屋行きのアーバンライナーに乗ったのは旅に変化をつけかたったからだが、名古屋に着いてからどうするか。この日の宿泊地である糸魚川を目指すなら中央線で松本に出て、大糸線に乗るという手がある。そしてもう一つ、高山線で富山に出るルートがある。その中で今回は北陸の日本海も見たかったので、名古屋からは8時43分発の「ひだ3号」に乗ることにする。出発の数日前にふと思い立って調べると、指定席に空席があったので確保した。高山線に乗るのも久しぶりだが、特急「ひだ」に乗るのは初めてである。この日は青春18きっぷは封印で、普段乗らない在来線特急を味わうことにする。
鶴橋で地上に出るがまだ真っ暗である。そのまま大阪府から奈良県に入り、ようやく山の稜線が見えてきたかというところだ。そろそろ明るくなるかというのは三重県に入ってから。山間部のため、太陽の姿はなかなか見えない。
伊勢平野に出て、名古屋線との連絡線を渡るところで太陽がまぶしくなる。29日は全国的に日中は穏やかな天候に恵まれるとの予報で、これから向かう飛騨地方、さらには日本海沿岸も晴天の予報が出ている。
揖斐川、長良川、木曽川と渡り、愛知県に入る。そのまま順調に走り、8時08分に近鉄名古屋に到着。このままJRとの連絡口を出て、在来線ホームに出る。
「ひだ3号」の発車まで時間があるのでいったんホームのスタンド「住よし」できしめんをいただく。かき揚げも揚げたてが入る。早朝に朝食は済ませているのだが、これから「ひだ3号」に乗ると富山までは4時間弱の道のりである。ついでに売店にてあれやこれやと買い求める。
その「ひだ3号」は名古屋駅の11番ホームに入線していた。年末ということで増車しているそうで、9両編成ある。そのうち富山まで行くのは4両(7~10号車)、残り5両(1~5号車)は高山までである。このキハ85系、JR東海発足から間もない時期にデビューした、JR東海初めての自社車両で、通路から少し高い位置にあるシート、そして大型の窓を持つことから「ワイドビュー」を冠して「ひだ」「南紀」に使用されている。非電化区間にあって高スピードを出せるのが強みである。
そのキハ85系、特に老朽化したイメージはないのだが、高速バスとの競争が激化していることや、インバウンド増加による利用客の増加を見込んで、JR東海はハイブリッド技術を導入した新型車両をデビューさせるという。
さて、指定された席に向かうが、その位置がちょっと残念である。そこで、まだ空席がある9号車の自由席に座る。出発時刻が近づくと次々に乗客がやって来て、立ち客も出る。その多くが大きなキャリーケースを持った外国人客である。西洋人もいるが多くはアジア系である。車内に日本人は何人いるのやらと思う。まさか富山まで乗り通すわけではなく、多くは下呂か高山で降りるのだろう。指定席券を持っている私が自由席にいていいのかということはあるが、外国人相手なら別にいいかとそのまま座ることにする。
発車時刻となる。岐阜までは高山行きの1号車を先頭に、後ろ向きに走る。岐阜からの高山線で方向が変わるためである。新幹線や名鉄電車の走りも見つつ、まずは20分弱、この向きで走る・・・。