まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第11番「安楽寺」~広島新四国八十八ヶ所めぐり(八十八ヶ所で浄土真宗とは)

2021年06月18日 | 広島新四国八十八ヶ所

いくつもの札所めぐりが同時進行する中、今回は身近な広島新四国八十八ヶ所めぐり。第10番までを終えて、次は第11番。手持ちのスマホアプリでは、南区の宇品神田にある「養徳院」と出ていたが、八十八ヶ所の公式サイトでは「安楽寺」と出ている。場所も東区馬木とまるっきり異なる。

この広島新四国八十八ヶ所、これまでにも札所の入れ替えが行われることがあり、最近では2019年に養徳院を含む3ヶ所が入れ替わった。それぞれに入れ替えの事情があるのだろう。現在手持ちの納経帳バインダーはそれが反映されている。ということで、これまでの佐伯区、西区から市街地中心部を一気に通り越して、東区に向かうことにする。

安楽寺があるのは県道70号線(温品通り)沿い。この辺りは広島市街と山陽道の広島東インターを結ぶ高速1号線からちょうど見下ろすところである。

6月5日、この日はマツダスタジアムでカープ対イーグルスの交流戦があるために赤い人たちもちらほら見かける広島駅から出発である。新幹線口に出て、広島バスの小河原車庫行きに乗る。

バファローズ山岡投手の出身校である瀬戸内高校や大内越峠を通る。現在、高速1号線の温品ジャンクションから広島駅新幹線口のすぐ近くまで通る高速5号線の建設が進んでいる。

遠くに高速1号線を見ながら、こちらも少しずつ高度を上げていく。住宅も切れ間なく続いて行く。

西の畑バス停で下車。安楽寺への道しるべもあり、それに沿って狭い坂道を上る。

寺の門前らしく、さまざまな言葉、訓話がガラスケースに掲げられている。「馬木仏教婦人会」とあるが、仏教婦人会とは浄土真宗本願寺派の信徒の皆さんの集まりである。どんなものか、「仏教婦人会総連盟」というところのサイトをのぞいてみると、全国31の教区にあって、広島(安芸教区)は全国有数の数の婦人会があるという。さすがは安芸門徒の伝統を持つ地域だ。

そして、これから訪ねる安楽寺も、浄土真宗本願寺派の寺である。あれ?と思う。いわゆる八十八ヶ所は弘法大師空海だから真言宗の系統というイメージがある。実際には四国の本場の八十八ヶ所にも天台宗や臨済宗、曹洞宗といった他の宗派の寺院もあるのだが、浄土真宗というのはお目にかかったことがない。でも、八十八ヶ所でも阿弥陀如来を本尊とする札所があるし、あまり難しく考えなくてもいいのかな。

また、安楽寺そのものが元々は真言宗の寺院で、戦国時代に浄土真宗に改められた歴史もあるようだ。現在の本堂は江戸末期のもの。

境内には親鸞聖人の像が建つ。弘法大師でないところがまた異色だが、それはそうと、なぜ2019年に広島新四国の札所を引き継ぐことになったのだろうか。

その広島新四国の札所は、本堂の脇にある薬師堂である。当初は別の山中にあったのが、風雨により傷んだために改築することになり、参詣しやすい場所を求めて1965年に現在地に移されたとある。阿弥陀如来、薬師如来に向かってお勤めとする。浄土真宗では般若心経を唱えないので何だか妙な感じがするが。

そして、広島新四国の朱印探しである。この札所めぐりは「セルフ朱印」ということで、納経所ではなく書き置きを収めた箱を探すことになる。ただ、本堂の前、あるいはその隣の庫裡の前にあるかと向かったが見当たらない。

ひょっとしたら・・ということで、薬師堂の扉を開けてみる。すると、その下にありましたわ。文字は「南無阿弥陀佛」。

せっかくここまで来たので、もう少し奥に向かう。バス路線は広島東インターを過ぎ、芸備線の上深川まで抜けるのだが、大部分は手前の小河原車庫までの運転。

そこで、小河原車庫の一つ手前の下氏の原で下車して、坂道を上って「ふかわの湯」に向かう。安芸の戦国武将・吉川興経も深川の地に幽閉された時に浸かったという伝説もある。以前の広島在住時には1回来たくらいかな。

巡拝の後の一浴びというのもいいものである。

今回は抜けることができなかったが、この先の中深川にも札所がある。また順番が来たら、今度は芸備線の気動車に乗って訪ねることにしよう・・・。

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