まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

みまさかスローライフ列車に乗る~美作滝尾は「寅さん」撮影会

2023年11月20日 | 旅行記F・中国

11月12日、津山から「みまさかスローライフ列車」に乗車する。それはそうと、始発の津山駅では新たにホームと地上改札を結ぶ跨線橋ができている。これまでは地下道だけだったのだが、跨線橋ながらエレベーターをつけたのが利用客への配慮である。さすがに橋上駅舎、南北自由通路化とまではいかなかったようだが。

駅構内のコンビニでこの先の飲食物を買い求め、「呑み鉄」モードへの準備も万端だ。旧国鉄急行色のキハ47が2両と、旧国鉄一般色のキハ40の合計3両編成。今回乗るのは2号車、キハ47である。ボックス席もほぼ満席、老若男女であふれている。

11時48分、津山を出発。今となってはもっとも昔の鉄道旅の風情を感じられるのがこのキハ40、47の車両だが、これからさらに貴重な体験になるのだろうなと思う。快適な観光列車に改造された車両があるかと思えば、あえてかつての国鉄色と車内設備を復刻した車両があるのも、この系列の特性である。

列車は次の東津山に到着。姫新線の佐用方面からの接続のためしばらく停車する。この間を利用してホームに乗客が群がるが、その中、あの出で立ちの方々が列車の先頭に向かって歩く。そう、フーテンの寅さん。

前年秋に「みまさかスローライフ列車」に乗った時にも寅さんの御一行を見かけたのだが、このところ、この列車には寅さんのコスプレ、ものまね芸人が乗り込むのが定番になっているのかな。

キハ47をバックに「はい、バター」のポーズを披露する。このうちの一人、左側(車両側)でポーズを取っているのは津山市の金田稔久議員。県北に広がる津山の地域活性化の一環として、自ら「作州寅治郎」としてこの列車イベントにも積極的に協力している。あとのお二人は芸人さんだろうか。前年のパターンなら、実質終点の那岐駅でパフォーマンスがあると思われる・・・。

やってきた姫新線の津山行きのキハ120は、かつての三江線カラー。三江線が廃線となった後は姫新線に活躍の場を移しており、そういえば備後落合駅でも見かけたことがある。「これはレアですよ」とつぶやきながらカメラを構える人も。

次の高野ではわずかな時間ながら、駅前に出るだけの時間はある。ここでは特におもてなしはないが、シンプルに、木造駅舎と気動車の組み合わせを楽しむことができる。

沿線に撮り鉄も増える中、次は美作滝尾。映画「男はつらいよ」の最終作となった48作「寅次郎紅の花」のロケ地にもなった木造駅舎で知られている。この「みまさかスローライフ列車」の前半の大きな見どころで、そして今は寅さんの出で立ちの芸人や市議会議員が降り立つのも人気になっている。

この美作滝尾は昔ながらの風情を保とうとする姿勢がうかがえる。こういうのを見ると、備後落合はちょっといろんなものを貼りすぎたかな・・とすら思える。

駅前では懐かしい音楽を奏でるジャズバンド、そして地元の若者たちによる獅子舞などでのお出迎え。近隣の人たちにとって「みまさかスローライフ列車」は春と秋の恒例の祭りのようなものかな。

そして寅さん御一行はといえば、駅舎をバックに「はい、バター」での記念撮影や、駅構内を使っての撮影に気軽に応じている。中でも金田議員はノリノリのようで、またカメラを構える人たちもグラビアアイドルの撮影かというくらい力が入っている。中には、低いアングルからのポーズを求めて寝転がった位置からカメラを向ける人も。

・・・それはそうと、そこまで熱心に撮影した寅さんの写真、どう活用するのかな・・。

ちなみに、金田議員のSNSをのぞいてみたのだが、駅舎をバックにポーズを決めているその背後で、ボーッと駅の様子を眺めているおっさんが写り込んでいるのを見て思わず笑ってしまった・・・(私のことです)。

また物販のテントが出ていて、「みまさかスローライフ列車」のクリアファイルのほかに、「干し肉駅弁缶」なるものを買い求める。この「駅弁缶」は、津山の機関庫をイメージしたデザインの缶に、干し肉のスライスをトッピングした炊き込みご飯が入っているという。まだ缶を開けていないのだが、古くから牛肉を食べる文化があり、今や郷土料理となっている干し肉やホルモンが有名な津山ならではの一品のようだ。今回、「みまさかスローライフ列車」乗車にあたっては、津山に前泊して牛肉料理で一献ということも考えたのだが・・。

そろそろ発車時刻となり、最後まで列車とともに寅さんが被写体となり、美作滝尾を出発する。この先々も、スローライフ列車と寅さんの旅は続く・・・。

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